Excel中心の業務をどう見直したか。DNPの実例に学ぶデータ活用の考え方

Excelで業務は回っている──それが問題だと感じたことはありますか?

ノートPCと外部モニターに表示されたExcelの表やグラフを操作しているオフィスワークのイラスト

業務は止まっていない。Excelで必要な集計や確認はできている。
それでも、「このやり方をこの先も続けていけるだろうか」と感じたことはないでしょうか?

多くの現場で業務は回っているからこそ、「特に問題はない」「変える理由がない」という判断が積み重なり、
Excel中心の運用が続いてきました。それは、合理的な選択とも言えます。

「問題はない」状態が続くときに、見えにくくなるもの

一方で、業務を丁寧に見直すと、負荷が少しずつ増しているケースも見受けられます。
現場の管理部門では、次のような違和感が蓄積していないでしょうか。

  • 毎月同じ集計を繰り返している
  • 部門別・担当別にデータをつなぎ直している
  • 分析よりも集計作業に時間を取られている

業務は回っているものの、「本来やるべき判断や改善の検討に時間が使えていない」そんな感覚を持つ現場も少なくありません。

Excel集計業務が「判断を遅らせやすい」構造

特に、分析やモニタリングを担う部門では、この傾向が顕著です。
本来であれば、データの変化に気づき、傾向を把握し、判断や対策につなげたい。
ところが実際には、

  • 確認や集計に時間がかかる
  • 判断は後回しになる
  • 「次回に持ち越す」場面が増える

といった状態に陥りがちです。
これは担当者個人の問題ではなく、Excel を前提とした業務設計が抱えやすい構造的な課題と言えます。

多くの現場が感じているのは、データ準備や集計・レポーティング業務に時間を費やすのではなく、
データにもとづく質の高い意思決定とアクションにもっと時間を使いたいという思いではないでしょうか。

DNPにおけるデータ活用課題の一例──DNP購買本部のケース

会議室でモニターに表示されたグラフや表を見ながら、データ分析について打ち合わせをしているイラスト

購買業務の中で顕在化した課題

こうした課題は、特定の業務に限ったものではありません。
DNPの購買本部でも、同じ構図が徐々に明らかになっていきました。

購買業務では、間接材購買のデータをもとに、部門別・サプライヤー別・品目別などの観点から毎月Excelで集計し、購入実績の確認や報告を行っていました。
業務は回っており、定点観測としての役割も果たしていましたが、
 ・ 確認すべきデータ量の増加
 ・ 分析観点の複雑化
 ・ モニタリングの継続要請
が重なり、集計・確認作業の負荷は次第に大きくなっていきました。

その結果、「確認するだけで終わる」状態となり、購買部門として本来時間をかけるべき
 ・ 課題の特定
 ・ 改善アクションの検討
 ・ ガバナンス強化
に十分な時間を割けず、課題が意識されるようになりました。

重視したのは、ツールではなく「データの見え方」

従来のExcel中心の作業フローと、現在のデータ分析を優先した業務フローの違いを比較した図

この状況に対し、DNPが最初に行ったのは、新しいツールを導入することではありませんでした。
日々行っていた集計や確認の作業を、どのようにすれば、現場のメンバーにとって無理なく進めることができるのかを整理することから始まりました。

  • 毎月の購入実績を、どの単位・切り口で確認したいのか
  • 会議や検討の場で、どんな情報がすぐに見えていれば判断しやすいのか
  • 毎月の集計作業が前提になっていないか

といった観点で、“後工程で使いやすい形でデータを見せる”設計に重点を置きました。

こうした業務の前提を整理していく中で、
データの「集め方」ではなくデータの「見え方」や「使われ方」を見直す必要があるという考えに至りました。

Excelの延長線としてのBIツール──Qlikという選択肢

Excelでのデータ整理から、Qlikを用いたデータ可視化・分析への流れを示した図

こうした検討の中で、DNPが活用した選択肢の一つがBIツール「Qlik」です。
Excelで培ってきた考え方を活かしながら、データを一元的かつ柔軟に確認できる点は、購買業務をはじめとする多くの現場と相性が良いと感じました。

重要なのは、ツールを入れることよりも、業務の中で、データを判断に使える状態をつくること。
「Excelの置き換え」ではなく、データの使い方の転換です。具体的には、

  • 報告書・分析レポートの作成時間を月16時間から1時間未満に短縮
  • 複数軸での即時分析
  • 会議中にその場で深掘り&意思決定

が可能になりました。

これまで確認して終わる場だった会議が、その場で判断やアクションを決める場へと変わり、結果として「集計中心」から「意思決定中心の業務」へシフトすることができました。
Qlikは、その目的を実現するための一つの手段でした。

※記載の数値は一例であり、すべてのケースにおいて同等の効果を保証するものではありません。

まとめ:「問題はない」状態から考える、次の一歩

Excelで業務は回っている。それ自体は否定されるものではありません。だからこそ、

  • 判断が止まっている、後回しになっている場所
  • 同じ作業に時間を使い続けている作業

を一度整理してみることが、次の改善につながります。

DNP購買本部の取り組みは、多くの企業が直面し得る状況の一例です。
特別な業務や高度な分析を前提としたものではなく、日々の集計や確認業務を見直すところから、データ活用のあり方を変えていけることを示しています。

「ツールありき」ではない、DNPによるBI検討支援

業務改善というと、ツール選定から始めがちですが、DNPでは 「業務の詰まりどころを整理すること」 を重視してきました。

  • Excel集計に時間がかかっている
  • 分析やモニタリングにもっと時間を使いたい
  • BIに興味はあるが、何から始めるべきかわからない

こうした段階からでも問題ありません。

DNPでは、ツールの選定・導入だけではなく、貴社の業務やデータの課題に寄り添って、検討の初期段階からご支援いたします。
お気軽にお問合わせください。

※2026年6月掲載

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