SNSマーケティングとは?
~いまさら聞けないSNSマーケティングの概要とソーシャルリスニングを徹底解説~

2017年の流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれ、最近では「スマホ依存」といった現象も起こっています。生活者にとってスマホは必要不可欠な存在となり、若年層だけでなく、Instagramやフェイスブック、twitterをはじめとするSNSでの情報発信、情報検索が当たり前のようになりました。

企業がより多くの顧客を獲得するためには、SNSを用いたマーケティングが必須となりつつあります。SNSマーケティングと聞くと、企業のSNSアカウントを使った集客をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、SNSマーケティングとは集客だけを指すものではありません。ITを活用することで生活者分析にも大いに活用することができます。

この記事では、SNSマーケティングの概要や、「ソーシャルリスニング」と呼ばれる生活者を分析するテクノロジーについて解説します。ぜひ参考にして下さい。

1. SNSマーケティングとは

SNSマーケティングとは、その名のとおりSNSを活用したマーケティング活動です。
主に、集客および生活者の分析に活用されています。

1-1. 企業のSNSアカウントを使った集客

生活者の情報検索はインターネット上だけではなく、SNS上にも広がっています。そのため、生活者への情報発信、顧客のロイヤリティ向上のためにはSNSの企業アカウントを用いることが重要となり、実際に多くの企業が企業アカウントを運営しています。

企業アカウントでは、新製品情報やキャンペーン情報をいち早く顧客に届けると同時に、新しくリード(見込み顧客)を獲得することも可能です。たとえば、SNS上で注目度の高い情報を発信することができれば、インフルエンサーを介して情報が拡散され、リードを獲得することが期待できます。また、LINEで無料スタンプを配布することなどもリード獲得に繋がります。

1-2. SNS上の投稿情報を収集し、生活者の声やニーズを分析する

マーケティングにおけるSNSの効果は集客のみに留まりません。近年では、商品やサービスのコモディティ化が進み、差別化が難しくなっています。そのため、売れる商品やサービスの開発・改良のためには、生活者の声やニーズを早く、的確に把握することがより重要となっています。

多くの企業ではインターネットアンケートなどのリサーチを活用していますが、生活者自身が毎日のように情報発信しているSNSの投稿も多くの情報を含んでいます。これらの投稿情報を収集・分析する方法を「ソーシャルリスニング」と言います。次の章ではソーシャルリスニングについて詳しく解説していきます。

2. ソーシャルリスニングのメリット・デメリット

ソーシャルリスニングには具体的にどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。従来の調査方法であるインターネットアンケートを用いた定量調査や、グループインタビューなどの定性調査と比較します。

2-1. ソーシャルリスニングのメリット

自由で自然な発言を収集できる

定量調査は、設定した設問に1つひとつ答えてもらう形式のため、聞きたいことに対しての回答になります。定性調査では、ある程度は自由に発言してもらうことができますが、やはり指定した枠組みの中での発言となるでしょう。
これらと比較して、SNSでは生活者は何も意識することなく、自由に投稿します。そのため、自然な意見や日常の行動を収集することが可能です。

多数の生活者を対象にできる

定性調査は、深く堀り下げた意見の収集が主な目的となるため、数は多く収集しない傾向にあります。一方定量調査は、多くの数を収集することが可能で、それを目的としていますが、予算の都合などもあり、統計データとしての信頼性を確保できる数に留めることが一般的です。

ソーシャルリスニングでは、定量・定性調査に比べコストを抑えて大量の投稿情報から分析を行うことが可能です。分析対象の数は多ければ多いほど、統計データ上の誤差は少なくなり、分析結果の精度は高くなります。

収集から分析までのスピードが速い

定量調査や定性調査を行う場合には、調査の設計やスクリーニング調査といった事前の準備から、調査実施、分析までまとまった時間を必要とします。
しかし、ソーシャルリスニングでは、調査の設計はほとんど必要なく、日々発信されている投稿情報を収集するため、その日の投稿をその日のうちに収集し、分析することも可能です。

生活者の声を拾い、次の施策につなげる。PDCAサイクルをより早く、多く回すために、このスピードの速さは大きなメリットとなります。

2-2. ソーシャルリスニングのデメリット

対象者属性が把握しづらい

定量調査や定性調査では、年齢、性別、職業、業種、年収に至るまで、必要とされる対象者属性にあてはまる対象者を抽出し、属性別に分析を行うことが可能です。

しかし、SNSでの発言では属性情報は任意のプロフィールなどからしか得ることができません。必要な情報を記載していない可能性もあり、属性情報の正確な把握が難しいというデメリットもあります。

聞きたいことを確認できない

メリットの裏返しになりますが、SNSでは生活者は自由に発言するため、聞きたいことを確認することはできません。

たとえば、ビールの満足度調査において、「コク」「キレ」などの細かい要素について確認したい時に、それらについての発言がない=満足度が低いかというと、必ずしもそうとは言い切れません。このように、詳細部分まで確認したい場合には、1つひとつ確認が可能な、既存の調査方法の方が適しています。

ソーシャルリスニングにも、既存の定量調査、定性調査にもそれぞれメリット、デメリットがあります。目的に応じて、使い分けることが大切です。

3. ソーシャルリスニングで得た情報の分析方法

ここでは、ソーシャルリスニングの分析方法について詳しく解説していきます。
分析方法は大きく「テキストマイニング」という方法とAIを活用した方法があります。

3-1. テキストマイニング

テキストマイニングとは、発言内容などのテキストデータをもとに分析する手法です。この方法では、文章を単語や文節で区切り、単語の出現頻度やどの単語と一緒に出現することが多いのか、などを分析します。

たとえば、あるアイスクリームについての投稿をテキストマイニングで分析した際に、「美味しい」というワードが最も多く発言されていたとします。この時、「美味しい」と一緒に出現するワードとして、「風呂上り」「バニラ」が多いとします。すると、このアイスクリームは、お風呂上りに食べると美味しいと思われることが多く、特にバニラ味の評判が高いということが推測できます。

3-2. AIを使ったより高度な分析

従来のテキストマイニングに加えて、近年ではAIを活用することでより高度な分析が可能となっています。

ポジティブワード、ネガティブワードの分析

AIは全く同じ単語ではなくても、同義語や類義語を判断し、同じグループとして扱うことができます。そのため、より精度が高く簡単な分析が可能です。

また、投稿がポジティブな内容なのか、ネガティブな内容なのかを判断することも可能です。自社や自社サービスについてネガティブなワードが広がっている、いわゆる炎上が起きていないかなども迅速に確認し、早急に対応を取ることができます。

画像情報の分析

Instagramなどの写真投稿を基軸としたSNSでは、文章以上に画像に多くの情報が含まれています。

AIを使った画像認識を行うと、これらの画像情報についても分析できます。たとえば、自社のビールのパッケージを認識し、そのビールがどんな食事と一緒に食べられているか、といったことや、自社ブランドロゴを認識し、どのアイテムがよく投稿されているか、他にどのブランド品を使っているかを把握することができます。

4. ソーシャルリスニングの活用場面

では、ソーシャルリスニングは実際にどのように活用されているのでしょうか。ここでは、主な活用場面を解説します。

ブランドイメージ、プロモーション評価

自社ブランドについての発言を分析することで、ブランドイメージ調査を行うことができます。また、新しいCMや広告、プレスリリースについての反応も、露出後、即座に確認することができます。

競合調査

自社製品・サービスだけではなく、同期間中に競合製品・サービスについても分析を行うことで、生活者視点での製品・サービス評価や使われ方の違いなどを把握することができます。

新製品評価

新製品発売後、即座に購入者や検討者からの率直な評価を確認できます。また、実際の使われ方なども把握することが可能です。商品は、企業が想定していたのとは異なる使われ方をすることも少なくありません。実際の使われ方を把握することで、より効果的なプロモーションや製品開発が可能となります。

トラブル管理

顧客の満足度を上げるためには、不満を把握し、改善することが大切です。しかし、企業が設置しているお客さま相談室や問い合わせ窓口に寄せられるのは、強い不満を感じている限られた顧客の声のみです。多くの顧客は不満を感じていても、周りに愚痴をこぼす程度で、企業にその声を届けるまではしません。SNS上の発言では、このようなサイレントカスタマーの不満の声も収集することができます。

また、ネガティブな発言を早期に発見することで、炎上を防ぐことも可能です。

ニーズ把握

SNSの投稿内容から、世の中の流れや生活者の意識・行動を知ることができます。これらの情報から新製品・サービスのニーズを把握し、商品開発に役立てることが可能です。

また、商品開発だけではなく、店舗の出店地域を検討するのにも役立てることができます。たとえば、あるアパレルブランドが新しくどの地域に出店するか検討する際に、そのブランドのファンが多く、店舗を必要としている地域を確認できます。

5. マーケティングオートメーション(MA)との連携

近年、ソーシャルリスニングとマーケティングオートメーションを連携させ、分析をもとにマーケティング施策を立案するという一連の流れをシームレスに行えるようになりました。

  • ソーシャルリスニングで顧客を分析する
  • 分析結果をもとに顧客をセグメント分けする
  • MAを使ってセグメント別に最適なタイミングで最適なコンテンツを配信する
  • 反応率などのパフォーマンスをMAで確認し、次の施策プランに活かす

基本的な流れとしては上記となりますが、最近では画像認識AIを搭載したソーシャルリスニングでファンを抽出し、そのファンに対しMAからピンポイントにアプローチするといった活用がされています。
以前は、ファンの抽出は売上から把握するしかありませんでしたが、このような仕組みを活用することで顧客データ化されていないが購買経験がある「潜在的なファン層」へもアプローチできるようになったのです。

6. まとめ

この記事では、SNSマーケティングの概要から分析手法であるソーシャルリスニングについて解説してきました。

生活者がSNS上で自ら情報を発信する時代になり、BtoCの企業にとってSNS上の発言は貴重な情報源となってきています。SNSでは、言葉よりも画像の方に情報量が大きい側面もあり、従来のテキストマイニングでは十分な分析ができない部分もありました。しかし、近年ではAIなど最新技術により、画像を含めたより多くの情報を簡単に分析できるようになってきています。

ソーシャルリスニングは、商品企画からマーケティング、カスタマーサポートまで多くの職種で有効なリサーチ方法です。成功商品の開発や顧客満足度向上のために、ソーシャルリスニングを活用してみてはいかがでしょうか。

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