ライオン株式会社様

キレイキレイブランド新価値開発プロジェクト

ライオン株式会社様(以下、ライオン様)とDNPは、ライオン様の主力商品であるキレイキレイブランドにおいて、顧客に対して新たな体験価値を提供するためのサービスアイデアを創出しました。
「10歳以上のお子さんをお持ちのママさん」をターゲットに設定し、ターゲットユーザーも参加する共創ワークを通して、ターゲット(ママたち)が潜在的に抱いている「理想の家族像」を言語化し、その実現を支援するためのサービスアイデアを発案しました。
(2020年9月28日時点の情報です)

ワークショップの風景

背景と目的

ライオン様は、ハンドソープ売上No.1ブランドであるキレイキレイが今後も選ばれるブランドであり続けるためには、多様化していく家族のあり方を捉えた上で、既存のブランド価値にとどまらない「新たな体験価値」を提供していく必要があると考えていました。

  • 2019年1~12月シリーズ累計販売金額インテージSRIハンドソープ市場(ボディ用石鹸除く)

本プロジェクトでは、ブランドの戦略ターゲットである「10歳以上のお子さんをお持ちのママさん」をプロジェクトメンバーとして招集し、ママたちが潜在的に抱いている「理想の家族像」の言語化やその実現を支援するためのサービスアイデアの発案を、ママたちと共に実行する顧客共創型デザインというアプローチを採用し、ブランドが提供すべき新たな体験価値の創出に取り組みました。

プロセス

コンセプト開発は、以下の4つのステップで進行しました。
顧客役のママさんがチームメンバーとしてすべてのステップに参加することで、各チームでは一貫性のある具体的な顧客イメージを持つことができ、プロジェクトの質とスピードが格段に上がりました。

1. アウトカム(達成目標)の導出
顧客役のメンバーにインタビューを行い、生々しい顧客の実態・心理を把握しました。それらを素材にインサイト発掘ワークを行い、顧客が潜在的に抱いている「理想の家族像」をアウトカム(達成目標)として明文化しました。

2. サービスコンセプトの創出
ブランドが持つ資産をヒントに、アウトカムを実現するアイデアを発散し、それらをつなぎ合わせることで、複数のタッチポイントにまたがる理想の顧客体験をデザインしました。その体験から本質的な価値を抽出しコンセプト化しました。

3. プロトタイピングによる仮説検証
簡易なプロトタイプ制作と、それを用いた顧客へのアンケートやインタビューを通して、コンセプトの価値検証ならびにプロダクトを具体化していきました。学びを得ることを目的とした段階的なプロトタイプ制作を行うことで、メンバーの思い込みによるムダを省きました。

4. ホームユーステストによるユーザー体験の検証
生み出したサービスをより実環境に近い環境で検証するために、最終形のプロトタイプを顧客役のメンバーに持ち帰ってもらい、実際に自宅で1カ月使用してもらう実験を実施しました。継続して使ってもらうことで一連のユーザー体験の改善につながりました。

制作したプロトタイプの一例

コンセプト開発後は、創出したサービスアイデアを第三者に体験してもらい、その有用性を確認することを目的に、2019年10月に札幌市で開催された『NoMaps』でサービス疑似体験会を実施しました。体験者からの生の声やアンケート結果から、サービスアイデアの有用性について、改めて実証することができました。

NoMapsでのサービス体験会の様子

プロジェクトを終えて

深い顧客理解をベースに、徹底的な生活者・顧客視点での価値開発を、プロジェクトを通じて実践することができました。これは、顧客共創型デザインというアプローチにより成し得た部分もありますが、キレイキレイチームがもともと持ち合わせていた「生活者視点のマインド」によるところも大きいと感じました。本プロジェクトから得られた気づきやアイデアが、今後のキレイキレイの新価値開発の取り組みに活かされることを願っています。

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DNPではサービスデザイン・ラボという組織を編成し、人起点で商品やサービスの新たな体験価値を創造し、
それを継続的に提供するための組織や仕組みも含めてデザインする方法論「サービスデザイン」を推進しています。

※サービスデザイン・ラボは、DNP 大日本印刷の登録商標です。

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