サービスデザイン手法を活用した新規事業創出

音声の力で毎日のメニュー決めの悩みを解決する「レシピラヂオ」事業の創出

DNPでは社内の多様な部門が連携し、社内アセットを広く活用しながら自社の新規事業を日々創造しています。新規事業創出の一つのやり方として、サービスデザインの手法を活用し、生活者の悩みの根源を観察・分析し、生活者が求めていることの深い洞察から事業を生み出す取組みを実践しています。
この度、上記の手法を使って、数十人の共働き社員にインタビューし、家庭の料理をつくる人々の悩み「毎日のメニュー決め」を解決するための「レシピラヂオ」という事業アイデアを創出しましたのでご紹介します。社内の事業コンテストでも好評で、1次審査を通過することができました。
(2020年2月時点の情報です)

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事業アイデアの概要

DNP社内の新規事業創出プロジェクトの成果である「レシピラヂオ」という事業アイデアを紹介します。レシピラヂオは、家庭の料理をつくる人々の「日々のメニューが決まらない」「レパートリーが少なくて料理がマンネリ化してしまう」という悩みを解決するための事業です。生活者に対して「1日5分聞くだけでわが家にピッタリなメニューに出会える」をコンセプトにしたスマートフォン用ラジオアプリの提供を考えています。アプリの特徴や内容などの詳細はこのサービスのホームページのイメージで表現しました。

「レシピラヂオ」ホームページのイメージ

事業アイデア発案プロセス

STEP1:インタビューによるユーザーの悩みの発掘

事業アイデアを考えるにあたり、まず人の悩みやその状況を深く観察して洞察するというサービスデザインの基本的な考え方にのっとり、数十人の共働きの人々に日々の生活の状況を聞き、「毎日の家庭の献立をどのように決めているか」、「悩みは何か」、「悩みの周辺にある状況」などを広くインタビューしました。そして、これらのインタビュー結果を分析しました。すると毎日の献立に悩むのは大きく2つの要因があることを発見しました。

【メニュー決めで悩む要因①】:家庭で作れるメニューの制約が多すぎる
多くの人は「冷蔵庫の中にある食材」や「家族の好き嫌い」、「1週間の栄養バランス」などを考慮して日々メニューを考えています。これからの条件がメニュー決めの制約になり、たくさんの制約の中からマンネリにならないよう日々のメニューを決なければならないことがメニュー決めの苦痛につながっていると実感しました。

【メニュー決めで悩む要因②】:自分で能動的に探しに行くのが苦痛、おっくう
レシピを探す手段として、多くの方がレシピサイトでの検索や、SNSに流れてくるレシピを参考にされていました。これらの手段は自分で能動的に情報を探しにいく行為であるため、探しに行くことがおっくうになるという意見がありました。

STEP2:解決アイデアの発案

その後、社内の技術リソースをヒントに解決策のアイデア出しを実施し、音声によってこれらの要因を解決できるのではと考え、「レシピラヂオ」というサービスコンセプトを創出しました。

レシピラヂオは、「家族の好き嫌い」や「使いたい食材(冷蔵庫の中の食材)」などの家庭ごとの制約を設定しておくと、自動的にその人に向けたメニューづくりのヒントとなるラジオ番組が提供されるサービスです。「音声」での情報発信であれば、自分で探しに行くことなく、受動的に情報を受け取ることができるため、通勤時間や家事をしている間などに聴くことで自然とメニューが決まるサービスをめざしています。

例えば、「今日紹介するメニューはモロヘイヤのお好み焼きです。モロヘイヤは栄養バランスが良く、疲労回復の効果も期待できます。作り方もモロヘイヤを細かく切ってお好み焼きの生地に混ぜるだけで簡単。もちもちした触感も楽しめる一品ですよ。」というようなメニュー提案が複数個ラジオから流れてきて、受動的に毎日の献立のヒントを得ることができます。

レシピラヂオ事業の価値は「自由な時間をつくれる」こと

KIDS LINE社の調査では、家庭での家事は毎日平均3時間発生しているという調査が出ています。そのうちメニュー決めなどの「考える家事」1時間、料理や掃除などの「する家事」が2時間という結果が出ています。

もし他の家事や作業をしながら、レシピラヂオを聴くだけでメニューが決まれば、レシピを検索してメニューを探す「考える家事」の時間が減り、その分他のことをする時間を増やすことができると思っています。これも「音声」でレシピを配信する価値だととらえています。

「ながら」でメニューが決まるので自由時間が増える

いまはメニュー決めだけにフォーカスしていますが、将来的には全ての考える家事を「ながら」でできるようサポートするサービスにしていきたいと考えています。

まとめ

このようにサービスデザイン・ラボ®では、インタビューを通じて人々の深い悩みを発掘し、社内リソースと組み合わせて新規事業を創出していく仕組みを構築・実践しています。これからも手法を実践の中で磨きながら、社内外の新規事業創出プロジェクトの推進を実践していきます。

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DNPではサービスデザイン・ラボという組織を編成し、人起点で商品やサービスの新たな体験価値を創造し、
それを継続的に提供するための組織や仕組みも含めてデザインする方法論「サービスデザイン」を推進しています。

※サービスデザイン・ラボは、DNP大日本印刷の登録商標です。

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