株式会社明治様

社会課題解決を起点とした新規事業テーマの開発プロジェクト

明治様の新規事業開発テーマの探索にDNPのサービスデザインメソッドが採用されました。
コロナ禍のため、初期提案から共創プロジェクトの実行まで全てオンラインで工夫を重ねながら取り組みました。
(2021年4月時点の情報です)

プロジェクトの背景と目的

明治様は自社の存在価値を高めることを目的に、従来の成功体験にとらわれず、外部の新しい技術・情報と自社の資産を積極的に融合させながら新たなビジネステーマを創出していく意向がありました。
本プロジェクトでは中長期的な視点もふまえ、
①社会課題の解決
②既存事業にとらわれない新たな価値提供
③事業貢献の3つのポイント

を押さえながら、今後取り組むべきテーマの創出をめざしました。

プロセス

本プロジェクトは、コロナ禍でのキックオフとなり、ほぼすべての共創ワークショップをオンライン上で開催しながら進行しました。大きくは以下の4つのフェーズで実施し、アイデアを発散するタイミングでは各分野に関する両社の専門家を巻き込みながら、社会の視点/生活者の視点/事業者(明治様)の視点を行き来し、「三方よし」をめざした事業コンセプトを創出しました。

1. 解決する社会課題の設定
世の中に散見される社会課題と企業方針、そして推進するメンバーの想いをベースに取り組むべき社会課題の領域を設定。めざしたい社会・事業のゴールイメージを共有し、プロジェクトの方針を設計。

2. 事業コンセプトの創出
設定した社会課題領域に散在する多くの問題やファクトを調査、領域内を構造化し整理した上で、本プロジェクトで解決すべき課題を設定。各分野の専門家にも参加してもらい、課題を解決するためのコアアイデアを共創ワークショップで創出。

""

成果物:課題領域マップ(元となったファクト収集)


3. デリバリーモデルの設計
創出したアイデアコンセプトを明治様の強みや資産を活用し、社内での推進力をより持たせるために企業としてコンテキストを組み込みながら具体化。事業者側のタスクも洗い出しながら、価値のデリバリーモデルを設計。

4. サービスエコシステムの設計
描いた事業が持続するよう、ステークホルダー間の価値循環モデルを描き、事業の成長性を試算。

上記のプロセスを非対面でも効率的に検討できるよう、オンラインホワイトボードツールを活用しながら実施しました。

""

オンラインワークショップの様子/オンラインホワイトボードツール「miro」

最後に、明治様のプロジェクトリーダーの方から頂戴したコメントも掲載させていただきます。

緊急事態宣言発令による自宅待機の最中に開始した本プロジェクト。
SDL(サービスデザイン・ラボ®)のチームに声掛けさせていただいたものの、お互い顔を合わせずスタートしたことに当初は不安を感じました。オンラインだけのワークショップは初めてでしたが、手探りで工夫しながら進めるうちに不思議な一体感も生まれ、一旦コミュニケーションのコツを掴んだあとはSDLの各種メソッドのおかげで、結果的にリアルに負けない質の高い議論ができ、二度の緊急事態宣言にも関わらず、プロジェクトを無事進行することができました。
特にアイデア出しのワークにおいては、遠方からでも気軽に参加できるオンラインならではの利点もあり、同時に複数名が書き込み可能なホワイトボードツール活用など、通常の業務の場でも有効なさまざまな気づきにもつながりました。

明治様×DNPのオンライン共創ワークショップを通じて事業アイデア3件を創出しました。明治様において、今後関係各部署にアプローチするとともにスモールスタートでの立ち上げをめざして検討を進めていきます。

関連ページ

""

DNPではサービスデザイン・ラボという組織を編成し、人起点で商品やサービスの新たな体験価値を創造し、
それを継続的に提供するための組織や仕組みも含めてデザインする方法論「サービスデザイン」を推進しています。

※サービスデザイン・ラボは、DNP 大日本印刷の登録商標です。

未来のあたりまえをつくる。®