株式会社佐賀銀行 様
事務負担削減、郵送コスト削減、環境保全などの観点から、
帳票をウェブで閲覧できる
「DNP電子交付・web通知サービス」を導入
毎月約400万円の印刷・郵送コスト削減に成功
地元金融機関として良質な金融サービスを提供し、業務を通じて地域社会の発展に奉仕することを経営理念に掲げる株式会社佐賀銀行(以下、佐賀銀行)。同行は年間約73万通、約5,300万円の印刷・郵送コスト(2022年度)にのぼる顧客向け郵便物(帳票)の削減に向け、「DNP電子交付・web通知サービス」を導入し、帳票をWebで閲覧できる仕組みを構築しました。これにより、同行は毎月約4万通の郵便物削減と毎月約400万円の印刷・郵送コスト削減に成功しています。本記事では、その背景と経緯、効果、今後の展望などについて、佐賀銀行 業務統括本部 IT統括部 部長 福島 正和氏に伺いました。
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※所属・肩書などは、2026年1月(本記事制作時)のものです。
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各種帳票を郵送する営業店の事務の負担とコストが問題に
――電子交付サービスを導入した背景をお聞かせください。
佐賀銀行様: IT統括部に配属になった新入行員が営業店の店舗業務を把握するために営業店での業務に携わった際、各種帳票の郵送事務を目の当たりにし、「大きな負担になっているのでは?」という気づきがありました。そこで、当行の事務センターが印刷・発送処理している帳票を調べたところ、顧客に送付する郵便物の年間発送件数は約73万通、印刷・郵送コストは5,300万円程度(2022年度)にのぼることがわかりました。さらに、2024年10月からは郵便料金の値上げが決定しており、郵送コストがさらにアップすることがわかっていました。
そもそも金融機関は業務で紙を扱うシーンが多く、以前から紙文化からの脱却とコスト削減の強い意識がありました。加えて、郵送物の閲覧率が高いとはいえないこと、Webの利用を求められていたことなどから、数年前から実施していた経費削減の「5億円削減プロジェクト」に沿って、帳票をペーパーレス化する流れが加速しました。部数が多い帳票から優先的に電子化する計画に発展し、事務負担削減と郵送コスト削減、環境保全などを考慮して帳票をWebで閲覧する仕組みの構築につながりました。
DNP: 近年、金融機関をはじめとする多くの業界でペーパーレス化や業務効率化、環境保全の観点から、電子交付サービスの導入が加速しています。同時に郵送コストや人的リソースの削減、顧客利便性の向上も求められていますので、電子交付サービスのニーズは年々高まっていると感じています。さらに、法制度の整備やセキュリティ技術の進展、電子交付サービスの信頼性向上などによって導入障壁が下がっていることも、市場拡大に拍車がかかっていると考えています。
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佐賀銀行 業務統括本部 IT統括部 部長 福島 正和さん |
「さぎんBizポータル」に電子交付サービスを組み込みたい
――ウェブで閲覧する仕組みが現在の「さぎんBizポータル※」に組み込まれている電子交付サービスということでしょうか。
佐賀銀行様: おっしゃる通りです。「さぎんBizポータル※」を立ち上げる前は、総合振込や給料振込、口座振替などの有料インターネットバンキングのみでしたから、当時から個人・法人を問わず、オンライン取引窓口となるポータルサイトの企画が進行していました。その流れの一環として「さぎんBizポータル」に電子交付サービスを組み込みました。
「さぎんBizポータル」の立ち上げは、顧客とのエンゲージメント向上という狙いもあります。すでにエンゲージメントが高い顧客はインターネットバンキングを利用されていますが、お取引があっても単に口座だけを利用されている顧客も相当数いらっしゃいます。そうした顧客に向けて、利用しやすい無料のポータルサイト「さぎんBizポータル」と電子交付サービスを提供することで、エンゲージメント向上につながればと考えた次第です。
※佐賀銀行と法人・個人事業主の顧客をオンラインでつなぐサービス。口座残高・入出金明細照会などのさまざまな金融サービスのほか、利用(表示)する口座の追加・削除もオンラインで簡単に行うことができる。>>さぎんBizポータル(外部サイトへ移動します)
――電子交付サービスを導入するにあたり、佐賀銀行様が求めた要件をお聞かせください。
佐賀銀行様: 大きくは2つの要件がありました。ひとつは顧客向けサービスであることを考慮して「安全性・安定性」を重要視しました。近年はサイバー攻撃によって事業継続に支障が出るケースもあるため、十分なセキュリティの担保は重要です。もうひとつは、前述した「さぎんBizポータル」に電子交付サービスのメニューを組み込む方向で考えていたため、SSO(シングルサインオン)によるログインを要件にしました。
「安全性・安定性」が高いセキュアな基盤と金融機関への導入実績を評価
――電子交付サービスを手掛けるベンダーの比較・検討はされましたか。
また、DNPをベンダーに選定した理由もお聞かせください。
佐賀銀行様: お付き合いのあるベンダー4社に電子交付サービスを提案してもらい、比較・検討しました。その4社のなかの1社、印刷関係のお仕事で20年近くお付き合いがあるDNPからは「DNP電子交付・web通知サービス」を提案いただきました。
比較・検討は、要件などをもとに比較表を作成して、もっとも多く要件を満たしたベンダーの電子交付サービスを選定する方式で行いました。その結果、選定したのが「DNP電子交付・web通知サービス」です。DNPは長年のお付き合いもあり、当行が求めている要件に対してしっかり応えている印象で、とくに「安全性・安定性」が高いセキュアな基盤は秀逸だと感じました。さらに、金融機関・保険会社など、さまざまな業界向けに電子交付サービスを提供している実績も高く評価しました。
DNP: 金融機関向けの導入実績が多く、帳票の種類や運用規模に応じた柔軟な対応力を有していると自負しています。さらに、2025年9月にSOC2 Type2保証報告書※を取得するなど、機微な個人情報を守る高いセキュリティ要求を満たすセキュア基盤「Dpost®」に「DNP電子交付・web通知サービス」を構築しており、セキュリティ対策にも自信があります。この「安全性・安定性」をご評価いただき、2002年5月に「Dpost」の運用を開始してから現在まで、共用・専用サーバーを含めて約100社(約200サービス)の金融機関などでご利用いただいています。
佐賀銀行様: よくいわれていることですが、サードパーティリスクは我々のビジネスに影響を及ぼす可能性があります。そういう点では「安全性・安定性」に優れ、導入実績も豊富なDNPの「Dpost」および「DNP電子交付・web通知サービス」は信頼に値すると思いました。
※SOC2 Type2保証報告書:この報告書はAICPAが定めたTrustサービス規準にもとづき監査法人が評価するものです。受託会社(データセンター、クラウドサービス等のアウトソーシング事業者)が定めたセキュリティ、可用性、処理のインテグリティー(整合性)、機密保持、プライバシーに関する内部統制についての評価結果と意見を表明した報告書です。
――今回、DNPは電子交付サービスを「DNP電子交付・web通知サービス」としてパッケージ化して提供しています。
DNP: 20年ほど電子交付サービスを個社開発で対応するなか、近年は多くのお客さまから「短納期・低コストで導入したい」「標準機能で対応してほしい」という声をいただくようになってきました。これをふまえ、いままで開発してきた電子交付サービスを精査したところ、基本的な機能の多くは共通化できることがわかりました。そこで、より多くのお客さまにご利用いただけるようにするため、短納期と低コストを実現したベーシックな「DNP電子交付・web通知サービス」としてパッケージ化した次第です。
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情報イノベーション事業部 PFサービスセンター デジタルトラストプラットフォーム本部 企画開発第2部 部長 廣澤 惠司 |
佐賀、福岡、東京の3拠点でハイブリッド定例会を実施
――開発のプロセスを教えてください。また、開発にあたって工夫した点などはございますか。
佐賀銀行様: 2024年2月のキックオフから要件定義を開始し、システム開発、ユーザー受け入れテストなどを行って、2025年2月下旬に無事サービスインとなりました。「さぎんBizポータル」もほぼ同時進行で、こちらは2024年9月末にサービスインとなっています。流れとしては、「さぎんBizポータル」のサービスインから約半年後に「DNP電子交付・web通知サービス」をメニューに追加した状況です。
開発にあたって工夫した点は、佐賀、福岡、東京の3拠点にてオンラインによる定例会を週1回開催し、密にコミュニケーションを取りながら進めたことが挙げられます。質問事項や確認事項、承認事項、資料の受け渡しなどは定例会を通じて行い、フォローアップに近い形でDNPにサポートしてもらいつつ、開発を進めていきました。
DNP: 当社の開発スタッフは東京から参加しましたが、福岡拠点の営業担当は常に佐賀銀行さまのところにお邪魔していましたので、実際はオンラインと対面のハイブリッドな定例会だったといえるかもしれません。さらに、立ち上げとクロージングの際には、開発スタッフも佐賀にお邪魔させていただきました。このように、いつも直接言葉を交わせる状況だったため、オンラインの空気感はありませんでした。信頼関係を築きながら、終始フランクな雰囲気で進めることができたと感じています。
佐賀銀行様: 確かにいつもいらっしゃっていただきました。大変心強かったのは間違いありません。
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情報イノベーション事業部 西日本CXセンター 第3本部 第2部 部長 船山 徳仁 |
――開発するなかで苦労したことはございますか。
佐賀銀行様: 当行のインターネットバンキングは顧客の要望に応える形で、カスタマイズしているところがかなりありました。例えば、代表口座の下にいくつもの口座がぶら下がっている顧客も珍しくはありません。これにより、契約体系(口座番号単位)と電子帳票の閲覧体系(CIF単位)に差異が生じてしまい、DNPには電子帳票用マスターデータの要件整理に苦労をかけてしまいました。この件に関して現場からは「DNPには親身になって取り組んでいただきました」と感謝の言葉が数多く聞こえています。
DNP: 当社には、金融機関の複雑なシステムに対応してきた経験とノウハウが多数あります。今回も佐賀銀行様と密に連携しながら、当社の開発スタッフが適切に対応し、トラブルなく進行することができました。我々も胸をなで下ろしています。
毎月4万通前後の郵便物削減と毎月約400万円の印刷・郵送コスト削減に成功
――「DNP電子交付・web通知サービス」の導入効果についてお聞かせください。
佐賀銀行様: 2025年9月までに部数が多い6種類の法人向け帳票を電子化し、「DNP電子交付・web通知サービス」で閲覧できるようにしました。これにより、毎月4万通前後の郵便物を削減するとともに、毎月約400万円の印刷・郵送コスト削減に成功しました。我々としても、非常に大きな効果が得られたと実感しています。
また、郵送事務の印刷・発送に関わっている職員の業務負担も確実に軽減できており、「楽になりました」という声が聞こえてきます。ただし、業務削減時間などの定量的効果を計測するレベルには至っていません。毎月4万通前後の削減は、年間発送件数の約73万通の半数以上に相当するわけですから、業務時間の削減にも効果が出ていると思いがちですが、実際は法人と個人を合わせて多品種小ロットの帳票が100種類以上残っています。つまり、リソースや業務時間の削減効果をより高めていく電子化の余地が残っていると考えています。
電子化する帳票を増やして、リソースや業務時間の削減につなげていく
――「DNP電子交付・web通知サービス」における今後の展開をお聞かせください。
佐賀銀行様: 法人、個人、個人事業主の3ジャンルにわたる帳票を電子化した場合の費用対効果を考慮しながら、優先順位をつけて適宜「DNP電子交付・web通知サービス」に切り替えていく予定です。まずはこうした帳票を精査し「DNP電子交付・web通知サービス」に切り替えて、リソースや業務時間の削減につなげていければと考えています。今後もDNPのご支援に期待しています。
DNP: 佐賀銀行様にはパッケージ化した「DNP電子交付・web通知サービス」をいち早くご採用いただき、誠にありがとうございました。閲覧できる帳票を増やしていく佐賀銀行さまの方針にも、引き続き対応していく所存です。なお、「DNP電子交付・web通知サービス」は、あらかじめ個人にも対応できるパッケージになっているため、個人対応のための要件定義や設計などの初期費用は必要ありません。また、オプションという形で機能拡張も可能ですので、利用したい機能があれば追加対象のテスト項目を行うだけで導入できます。
佐賀銀行様にご採用いただいて以降、おかげさまで「DNP電子交付・web通知サービス」の導入実績は順調に伸びている状況です。今後も導入されているお客さまのご意見、市場のニーズ、法令対応などをふまえ、機能拡張を行っていく方針です。営業面では金融機関だけでなく、保険会社や一般企業など幅広い業界への展開を進めており、今後も市場ニーズや法制度の変化に合わせつつ、機能拡充やサービス強化を図ってまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
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佐賀銀行 福島様(中央)、DNP 船山(左)、廣澤(右) |
佐賀銀行様
創業1882年3月、設立1955年7月、2025年に70周年を迎えた地方銀行。
店舗数は佐賀県61カ店、福岡県38カ店、長崎県3カ店、東京都1カ店の計103カ店※。
2025年4月からスタートした第18次中期経営計画の長期ビジョンは、金融を「核」として地域を支え続ける“総合サービス企業グループ”。地域やお客さまに感謝しながら、「このまちで、あなたと・・・地域を繋ぎ、人を繋ぎ、地域の豊かな未来をつくる銀行グループ」という想いのもと、地域経済の発展に貢献する銀行グループを目指していく。
※2026年1月時点
社名:株式会社佐賀銀行
設立:1955年7月
本店:佐賀市唐人二丁目7番20号
資本金:16,062百万円
Webサイト(外部サイトにリンクします)
https://www.sagabank.co.jp/
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※DpostはDNP大日本印刷の登録商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

