名古屋市 名古屋城管理活用課様

名古屋城本丸御殿の障壁画高精細複製を製作

名古屋城本丸御殿において、DNPデジタル高精細複製「伝匠美®」を活用いただいています。重要文化財である障壁画のデジタル記録を残すとともに、原本を適切な環境で保存しながら、複製を広く公開できる環境づくりに貢献しました。

(左図)本丸御殿玄関一之間二之間境「竹林豹虎図」障壁画 (右図)本丸御殿湯殿書院障壁画

導入の背景

障壁画のある本丸御殿を、広く公開するために

名古屋城本丸御殿では、建築と障壁画が一体となった空間の魅力を来場者に伝える一方、重要文化財である障壁画の原本を適切に保存する必要がありました。
玄関障壁画については、作品の現状をデジタルで記録するとともに、厳密な温湿度管理を必要とする原本に代えて、温湿度管理のない本丸御殿内でも代表的な障壁画を公開できるよう、高精細複製を製作しました。
また、湯殿書院では、本丸御殿の第3期公開時に復元模写が未完成であったことから、高精細複製を表具し、障壁画のある状態で公開することを目的に製作しました。

導入内容

• 本丸御殿玄関一之間二之間境「竹林豹虎図」障壁画8面

「竹林豹虎図」は、金箔地に竹林でたわむれる虎と豹を描いた障壁画です。
玄関は本丸御殿を訪れた者がはじめに通される建物であり、虎や豹のような当時日本に生息しない動物を描いた障壁画は、その部屋を訪れる者を圧倒し、当主の権力を示す機能がありました。
当社では2018年度に本丸御殿玄関の代表的な障壁画である「竹林豹虎図」の高精細複製8面を製作しました。

• 本丸御殿湯殿書院障壁画18面

湯殿書院は、将軍専用の浴室(湯殿)です。風呂といっても現在のように湯船はなく、外にある釜で湯を沸かし湯気を内部に引き込む蒸風呂でした。
一之間の障壁画には「扇面流図(せんめんながしず)」が描かれています。「扇面流図」は17世紀に流行した画題です。穏やかに流れる波の上を扇が漂う、優美な障壁画が室内に飾られます。
二之間の障壁画には「岩波図(いわなみず)」が描かれていました。南面と北面の襖絵は鳥も描かれるため、「岩波禽鳥図(いわなみきんちょうず)」と呼ばれます。「扇面流図」と同じく水の流れを描いていますが、「岩波図」には、岩にぶつかってしぶきを上げる波の様子が描かれ、波の音が聞こえてくるような臨場感があります。
当社では2019年度に本丸御殿湯殿書院の障壁画18面を高精細複製しました。

現在の活用状況

玄関障壁画の高精細複製は大廊下で展示され、本丸御殿を訪れる多くの方に鑑賞されています。
湯殿書院障壁画の高精細複製は、湯殿書院にて表具中です。

高精細複製が生み出す価値

  • 文化財の現状を高精細なデジタルデータとして記録
  • 原本を適切な環境で保存しながら、複製を公開
  • 障壁画と建築が一体となった歴史空間の理解を支援
  • 貴重な文化財を、多くの来場者が鑑賞できる機会を創出

この事例で導入した製品・サービス

文化財の“保存と公開の両立“を目的に、デジタルアーカイブ・画像処理・印刷などのノウハウを結集して開発した文化財複製です。
障壁画・屏風・掛軸などの広汎な文化財を再現できます。
金箔上に直接印刷するDNPの特許技術により、金地作品も原本に忠実に再現します。

未来のあたりまえをつくる。®