DNPが毎年ご提案するオリジナルのインテリア空間 DNP 5 Styles。 2025年のポイントは…

生活空間事業部が毎年提案しているDNP 5 Styles。トレンドをふまえたライフスタイル・インテリア空間の提案を行っています。このコラムでは5 Stylesの企画ならびに、空間デザインとインテリアコーディネートを担当している生活空間事業部の國東が、空間に込められた思いやデザインにおける工夫などを語りました。

DNP 5 Stylesとは?

DNPでは、5つのライフスタイルを想定し、建具用・床用シートの新製品 を使用してコーディネートした空間「5 Styles」を、2016年より毎年発表しています。

Calm

Moments

Flow

Tasty

Advanced

建具用シート「サフマーレWS」 は、建具・造作・収納をはじめ、キッチン・洗面扉などの垂直面にも使用可能なEBオレフィンシートです。
床用シート「サフマーレEB-F」 はフローリング用のEBオレフィンシートです。

DNP 5 Styles 2025年の概要について

ミラノデザインウィークを中心とした海外のトレンドや、国内のマンション・商業施設・ホテルなどのトレンド情報を複合的に分析し、日本の住まいに応用した空間を考えています。まずは、どのようなライフスタイルのトレンドが存在し、そのような暮らしを好む人のペルソナを考えました。次に、そのペルソナが暮らしたいと思う理想的な住まいの空間を考えていきます。WS、EB-Fは主に新築分譲マンションにご採用いただくことが多いですので、5 Stylesの空間もマンションをイメージしつつ、WSとEB-Fのデザインがより魅力的に見えるように、現実的な空間よりもワンステップ上の夢のある空間を描いています。
近年、ウェルビーイングやサステナブルな暮らしへの需要が高まるなか、ミラノデザインウィークにおいても、あたたかみや爽やかさを感じるグレージュ・ベージュで構成した、肩ひじ張らない明るい空間が増えてきています。居住空間への価値観が変化していることをとらえ、今年の5 Stylesに反映させました。 (國東)

2025年の各スタイルについて

Calm

2025年のCalmは「Muted Herbal Living(穏やかなハーバルリビング)」をスタイルのテーマにしました。ホワイトベースにグリーンのカラーが映える、シンプルで穏やかな空間です。明るい木質カラーのコーディネートで空間を広く感じるとともに、素材のぬくもりも感じられるでしょう。Calmのペルソナについては、 こちら (新柄ラインナップ2025)をご覧ください。(國東)

LD建具:WS-9201E / パントリー建具:WS-5259E / キッチン面材:WS-5259E / 床:EBFW-1263E
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ここ数年、ミラノサローネでも良く見られている縦溝が入った木質表現のフルーテッド加工を取り入れた建具です。単色ではなく、今年の新柄のエポックフィールを使っているため、見え方による質感の違いも感じられます。

フルーテッド加工の建具に合わせ、キッチンのウォールキャビネットもフルーテッド加工になっています。そのほか、収納面材の手がかりも縦に長めのスリットが入ったデザインにしました。

空間を爽やかなムードに演出してくれるグリーンカラーを沢山取り入れました。壁面、キッチン収納、照明シェードとわずかにグリーンのトーンをかえることで、空間に深みがでてきます。

建具のレバーハンドルやダイニングチェアの脚の金属素材はブラックカラーを選びました。ブラックの要素を入れることにより、空間を甘い印象にしすぎず、ぐっと引き締めることができました。

ダイニングセットはデンマークブランドのGUBIの家具を選びました。素材のぬくもりを感じさせながら、スタイリッシュさも兼ね備えたデザインが今回のCalmにぴったりです。

Moments

2025年のMomentsは「Quiet Luxury(研ぎ澄まされた静のラグジュアリー)」をスタイルのテーマにしました。ライトグレージュの空間で、いっけんシンプルな装いでありながら、上質な家具やマテリアルでコーディネートされたラグジュアリーな空間です。Momentsのペルソナについては、 こちら (新柄ラインナップ2025)をご覧ください。(國東)

建具:WS-5260E / パーティション:WS-5260E / 床:EBFW-1266
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新柄のWS-5260Eはハギ目が特徴のデザインで、それが際立つようなシンプルな建具デザインにしました。縦にスリットをいれることで、スタイリッシュさを感じさせます。

執務エリアと寝室を可動式のパーティションで空間をゆるやかに仕切っています。角度によって視線をフレキシブルに制御できます。

静かで上質なラグジュアリー空間を表現するため、特徴的なアクセントカラーは避け、全体的に明るいグレージュ空間でまとめました。アームチェアが唯一、イエローグリーンのカラーをまとい、空間にさりげない華やかさを与えています。

空間のアクセントになっているのは、中央にあるアームチェアでしょう。PoliformのLE CLUBはミニマルでありながら、高い意匠性と技術力を感じるエレガントなデザインです。まさしくクワイエットラグジュアリーのテーマに合う家具といえます。

寝室のフロアランプはFlosのChiara Fです。折り紙のような形状の個性的なデザインです。仕事を終えて、自宅に帰り、都心の夜景を見ながら、静かに過ごすくつろぎの時間を想起させます。

Flow

2025年のFlowは「Buena vida(ポジティブな暮らしを育むニューナチュラル)」をスタイルのテーマにしました。スペインデザインに注目し、温暖な気候からくるポジティブなエネルギーを取り入れ、外の景色や空気をインテリアに積極的に引き込んでいます。Flowのペルソナについては、 こちら (新柄ラインナップ2025)をご覧ください。(國東)

建具:WS-5262E / キッチン面材:WS-9202E / 床:EBFW-1267 / 外装軒天、外装壁面:DNP アートテック
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ナチュラルトーンのエルム柄(WS-5262E)をベースに、ダーク色の木目のラインを取り入れました。スペインの寄木細工を想起させるようなデザインにしています。

ガウディの建築に見られるような、有機的な曲線をイメージし、壁面はアールを描いています。建具も曲線を感じさせるデザインで統一感をだしました。

同じ意匠の天井デザインが外と内とをシームレスにつないでいます。常に自然の要素を感じられると同時に、建物を外から見たときに、テラスとリビングのつながりをダイナミックにとらえることができ、この場所で暮らす価値を感じることができるでしょう。

ベランダスペースを広めにとり、スペインのアウトドア家具ブランドであるKettalの家具を設えました。外の景色を眺め、心地良い外気を感じながら豊かな時間をつくりだします。

家具はスペイン出身デザイナーPatricia UrquiolaがデザインしたBelt Sofa、Armchair Klara、Dining Table Rowsのほか、Jaime HayonがデザインしたRéaction Poétiqueなどを選びました。ポジティブな感情を引き出す楽し気なインテリアデザインは、新しいナチュラルスタイルの空間を創り出し、アクティブなファミリーライフを想起させます。

Tasty

2025年のTastyは「Blissful Living(至福のプライベートタイム)」をスタイルのテーマにしました。ここに暮らす人だけが体感できる極上のプライベート空間で、ホテルライクなラグジュアリースタイルをイメージしました。Tastyのペルソナについては、 こちら (新柄ラインナップ2025)をご覧ください。(國東)

建具:WS-5263E、WS-9103E / 床:EBFW-1265
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アッパーなホテルライクな空間をイメージし、ホームジムやホームシアターにバスルームが隣接しています。両開きの扉を開くと広いバスルームが広がり、優雅なバスタイムが想像できます。

有機的な曲線の階段を設け、プライベート空間へ誘うドラマチックな演出をしてみました。ホワイトのレザーの手すりで、曲線部は光の当たり具合によって豊かな質感を生む出すでしょう。カーブを効かせた折り上げ天井も、空間全体をより華やかな印象にしています。

スタイリッシュなフィットネスマシーンやアイテムを窓際に設け、住まい手のライフスタイルを想像できるような空間を描きました。インテリア空間に馴染むフィットネス機器の提案は欧州で特に加速しています。

大画面で映画やスポーツ観戦を快適に楽しめるソファとして、FlexformのCAMELOTを選びました。ふかふかの座面に対し、背面にバーが設えられているのが特徴のデザインです。ラウンジチェアには同じくFlexformから柴田文江氏デザインのERIをコーディネートしています。

空間全体をベージュやブラウンでまとめたローコントラストな空間ですが、アクセントとしてクッションにイエローカラーを取り入れました。派手になりすぎず、さりげなく空間を彩りながら、引き締める要素にもなっています。

Advanced

2025年のAdvancedは「Newtro Ambience(自分の”好き”を詰め込んだニュートロスタイル)」をスタイルのテーマにしました。古いものと新しいものを巧みに融合させ、自分のライフスタイルにあった暮らしに編集した、エディトリアルライフをつむぐ空間です。Advancedのペルソナについては、 こちら (新柄ラインナップ2025)をご覧ください。(國東)

LD建具:WS-9203E、WS-9003E / 収納面材: WS-9203E、WS-9003E / 床:EBFW-1263、EBFW-1264
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この空間の一番ポイントになっているのは、2つのマテリアルで構成された建具と収納扉です。ジオメトリックパターンで大胆に構成された面材は、個性的な家具にも負けない存在感があります。

印象の強い建具を映えさせながら、よりエディトリアルライフを表現するために、床も2トーンで構成しました。それにより個性的なインテリアともマッチしやすくなっていると思います。

世界をけん引する韓国カルチャーとしてトレンドワードになっているのがニューとレトロを組み合わせた造語のニュートロです。K-POPのミュージックビデオに登場しそうなデザインの照明やミラーを取り入れてみました。

家具はCassinaの復刻版デザインから選びました。この空間では必ずしも新品ではなく、セカンドハンド品を取り入れている可能性もあるでしょう。誰かが大事にしてきたもの、時の流れを感じられる懐かしさのあるものと、現代的あるいは未来感を感じるデザインの融合が感じられます。

個性的なキッチンの配置で、円筒型のカウンターを設けてみました。ダイニングテーブルはデスク機能も兼ね備え、キッチンダイニングスペースは用途に応じて自由に使用できるシーンをイメージしています。

DNP 5 Styles を構成するサフマーレWS・EB-Fについて

2025年はサフマーレWSの新柄11点、EB-Fの新柄5点をリリース。
下記より新柄のサンプル・カタログ請求が可能です。
サンプル・カタログ請求

2025年7月時点の情報です。

プロフィール

大学・大学院で心理学・認知科学・色彩心理学などを学ぶ。学生時代は内装の色彩が人間の心理に与える影響や、肌がきれいに見える壁紙の色彩などについて研究。日本色彩学会 2011年学会大会にて発表奨励賞を受賞。2012年DNPグループに入社し、壁紙の企画デザインを担当。2016年より現在の部署にて、ミラノサローネなどの海外展示会や北欧のライフスタイルをリサーチし、トレンド情報を発信するセミナーやWebでのレポート記事を執筆している。関連資格:インテリアコーディネーター、プロモーショナルマーケター

  • 2025年7月時点の情報です。

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