北極星を見つけ出すアート思考 <オリジンから描く、心を動かすサステナビリティ・ストーリー構築術> ワークショップ実施レポート
企業の価値創造を支援するDNPが、アート思考を活用したサステナビリティ・ストーリー構築のワークショップを開催しました。独自の「オリジンベースド・アートシンキング®」を提唱する株式会社Bulldozer(ブルドーザー)との共催による、組織の未来像を描く体験について詳しくご紹介します。
ワークショップ実施の背景
DNPは、企業のサステナビリティ経営を支援するサービスを展開しています。今回開催された『アート思考ワークショップ』は、「自社らしいストーリーをどう描き、社内外にどう浸透させるか」という根本的な課題に対し、アート思考という新しいアプローチで解決をめざす取り組みです。
近年、企業には「どのように価値を創造しているのか」、そのプロセスを具体的な物語としてステークホルダーに伝えることが求められています。しかし、多くの企業では個々の要素の深掘りはできていても、それらを統合し、一貫性のある未来の価値創造ストーリーとして整理・発信することに課題を抱えています。特に、社内(事業部門など)の巻き込みや、ストーリーの効果的な発信が重要なポイントとなっています。
このワークショップでは、アーティストが作品を生み出す際の独創的な思考プロセスをビジネスに応用する「アート思考」に着目。自社らしいストーリーを描き、社内外に浸透させるための手法を提供しました。参加者たちはこの手法を活用し、未来を見据えた心を動かすサステナビリティ・ストーリーの創出に挑戦しました。その様子をレポートします。
※本ワークショップは、DNPが提供する「アート思考ワークショップ」サービスの一部を体験いただくために実施されたものです。このサービスでは、実際にアート思考の手法を体験しながら、自社のサステナビリティ・ストーリーを描く機会を提供しています。サービスの詳細は、こちらをご覧ください。
ワークショップ実施概要
- タイトル : 北極星を見つけ出すアート思考「オリジンから描く、心を動かすサステナビリティ・ストーリー構築術」
- 実施日時 : 2025年9月9日(火)16:00 - 17:30
- 参加者 : 企業のサステナビリティ推進部門、IR/広報部門、人財部門のご担当者
- ファシリテーター : 尾和 恵美加 氏(Bulldozer)
- モデレーター : 富田 雅代(DNP)
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イベントの目的と内容
「アート思考ワークショップ」は、参加者一人ひとりが自分ごととしてとらえた「北極星(めざすべき価値)」を見つけ出し、自社ならではのサステナビリティ・ストーリーを創り上げることを体験できるよう設計されています。今回のイベントはこのサービスの体験版として、ワークショップを短時間に凝縮して実施しました。
イベントは以下の流れで進め、企業のサステナビリティを担当されている方々にご参加いただき、ワークショップを実務に導入したときの効果を体感していただきました。
1.チェックイン
「サステナビリティは自分にとってどんなことか?」という問いに対して、答えをグループ内でシェア。
ワークショップ参加前のご自身の意識を確認するところからスタートしました。
2. オリジンベースド・アートシンキング®で深く掘る、未来を構想する思考法
次に、オリジンベースド・アートシンキング®の考え方にもとづく思考法の3ステップについて知っていただく時間を設けました。参加者それぞれ、ご自身が所属する企業(自社)を想定しながら学びました。
ステップ1:「自分ごと化」
自社の存在意義や独自性(=オリジン)を出発点に、自分たちにしか創れない未来を“自分ごと”としてとらえるマインドセットを醸成します。競合にはない、自社ならではの強みや価値を再認識することで、未来への主体的な関わりが生まれます。
ステップ2:「思考を飛ばす」
ステップ1で明確にしたオリジンを起点に、常識の枠を超えて自由に発想を広げます。
ここでは、「時空間の振り子」のアプローチを活用します。過去の歴史や文脈にも目を向け時空間を振り子のように行き来しながら未来を構想し、自社ならではの未来像を描いていきます。
ステップ3:「バックキャスト」
ステップ2で描いた理想の未来像から逆算し、未来から現在を見つめることで方向性が共有され、創造的なアイデアを実行可能な形へと導きます。
3.ワーク
2で解説した思考法を用いて、各自が自社を想定してワークを実施しました。
このワークでは、自社の戦略をサステナビリティの視点で言い換えることで、参加者自身がその必要性や意味を“自分ごと”としてとらえられるようになることをめざします。
・自社の中期方針やパーパスなどの存在意義を確認し、サステナビリティの視点で自分の言葉に言い換える
・言い換えた内容を、日常・非日常の具体的な行動や施策に落とし込む
これらをワークシートに記入し、グループで共有・対話を行いました。
このプロセスを通じて、自社の戦略とサステナビリティのつながりを深く理解し、自社ならではの未来への関わり方を構想しました。
4.チェックアウト
グループワークで発見したブレークスルーポイントを発表。
参加者同士が率直に語り合い、お互いの想いや価値観を共有することで、サステナビリティを「自分ごと化」するプロセスを体験していただきました。
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参加者の声
イベント終了後、参加者から以下のような感想をいただきました。
- 「参加者との対話を通じて心がワクワクし、まさに心を動かす体験でした!」
- 「アート思考のオリジンやバックキャスティングという考え方からヒントを得ました!」
- 「自部署でサステナビリティへの想いを一つにするワークショップは良いと思いました!」
今回の「アート思考ワークショップ」での共有体験を通じて、自社らしさを発見し、自部門として言語化し、それを社内外へのコミュニケーションに意識を向ける機会を提供することができました。
ワークショップにご参加いただき、アート思考にチャレンジしてくださった参加者の皆さまに御礼申し上げます。
アート思考ワークショップについて
今回のワークショップで用いた手法は、DNPのサステナビリティ経営支援サービスの一環として、今後も幅広く展開し、企業価値の向上をサポートしていきます。
「アート思考」は、企業の“オリジン”に立ち返り、社員一人ひとりの内発的な動機を引き出し、「自分ごと化」を促すアプローチです。形式的な対応にとどまらず、心を動かすストーリーを紡ぐことで、組織全体のエンゲージメントを高め、持続的な価値創造につなげます。
サステナビリティ推進には、進むべき方向=「北極星」を見定めることが不可欠です。「アート思考ワークショップ」を活用すれば、確かな指針を見出し、組織全体を巻き込む力を生み出すことができます。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問合わせください。
- ※記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
