『竹取物語』の絵画資料を比較して、新たな問いが生まれる
東京学芸大学附属世田谷中学校(東京都) 中学1年生国語科
DNPでは、「DNPコンテンツインタラクティブシステムみどころキューブ®」を学校授業に導入し、探究的な学びに活用していこうという取り組みを推進しています。
本記事でご紹介する事例では、みどころキューブ上に集められたさまざまな年代の資料中で取り上げられる『竹取物語』の絵画資料と、教科書の挿絵(国立国会図書館蔵 絵巻『竹取物語』)を比較して気づいたことを書き出すグループワークを実施。物語の同じ場面で比較すると、年代によって絵画の表現に違いがあることや、それらが本文とも関係することなどに気づき、さらに自分で仮説を立てたり、問いを立てたりするような様子が見られました。
なお、本授業は東京学芸大学国語科・宮本淳子准教授らの研究グループと共同で実施し、みどころキューブの制作にあたっては、東京学芸大学附属図書館にご協力いただきました。キューブに資料を集めるにあたっては、国内外の所蔵機関により公開されたデジタルアーカイブを使用しました。
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法人のお客様(自治体、企業などの団体)を対象とさせていただいております。
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作成日:2026年1月19日
授業の概要
| 実施日 | 2025年1月10日(金)、15日(水) |
|---|---|
| 対象 | 東京学芸大学附属世田谷中学校第1学年(4クラス・142名) |
| 教科 | 国語科 |
| 単元 | 竹取物語 |
| 指導者 | 阿部 由美 先生 |
| 授業時間数 | 50分×2コマ |
| 概要 | みどころキューブ上に集められたさまざまな年代の資料中で取り上げられる『竹取物語』の絵画資料と、教科書の挿絵(国立国会図書館蔵 絵巻『竹取物語』)を比較して気づいたことを書き出すグループワークを実施。「A人物」「B背景」「C道具や衣装」「Dその他」の観点から比較して気づいた点をワークシートに記入する。 |
| 使用教材 | 教科書、『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川書店)、ワークシート、ICT端末(iPad)、DNPコンテンツインタラクティブシステムみどころキューブ |
授業の準備
- 教材等
・ 教科書
・ 角川書店編『竹取物語(全)ビギナー ズ・クラシックス』(角川書店,2001)ワークシート
・ 振り返りアンケート
- 機器等
・ GIGA端末(1人1台または1班1台)
・ Wi-Fi環境
・ みどころキューブ
・ プロジェクタ・共有ディスプレイ
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底面を五人の貴公子のイラスト、たて軸を書誌年代とし、側面テーマは巻子本、版本、など資料形態を設定した。 |
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資料観察・比較した結果を「A人物」「B背景」「C道具や衣装」「Dその他」のそれぞれの観点で記録するためのワークシート。 |
授業の流れ
| 1時間目 | 導入 グループワーク |
・ 課題の提示 ・ みどころキューブの操作説明 ・ 3~4名1グループでデジタル資料を比較しワークシートに記入 |
|---|---|---|
| 2時間目 | グループワーク | ・ 3~4名1グループでデジタル資料を比較しワークシートに記入 ・ 振り返りアンケートの記入 |
授業の様子
本授業は、教科書での『竹取物語』の学習を一通り終え、生徒たちの本文理解が進んだ上で行われました。はじめは絵画資料の見方に戸惑っていた生徒も、デジタル資料を比較観察しながらグループで話し合ううちに、絵の描かれ方の違いに気づいていく様子が見られました。
また、資料観察を通して、自分なりの仮説を立てたり、探索的思考を深めたりする生徒の様子も見られました。
- 先生から授業の目的と課題を提示
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- みどころキューブの操作方法について先生から説明
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- グループワーク
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タブレット端末で資料を拡大表示して見比べる様子。 |
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みどころキューブから該当する資料を探し出す様子。 |
得られた効果
授業後生徒を対象に実施したアンケート結果では、以下のようなコメントがありました。
- 物語よりも、絵から得られる知識があるということが知れて、絵を見ることにワクワクしました。
- 僕は最初はあまり興味がなかったけれど、絵を見ていくにつれ変わっていき、面白いと思ってくるようになってきました。
- 発見した事柄が増えることですごく達成感を感じることができた。自分だけの発見だけではなく、他人の発見も聞くことでより理解が深まったので、次回またそのような機会があればその時も班行動がいいかなと思った。
また、みどころキューブについての感想を聞くと、
「新たな発見があった」かどうかという質問に対して、約92%の生徒が「非常にそう思う」「そう思う」と回答しました。
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*表示するパーセンテージは「非常にそう思う」「そう思う」の合計割合を示す |
先生の声
阿部 由美 先生
絵画の情報量の多さに改めて気づく実践となりました。絵画同士の時代による差異もさることながら、文庫の資料と絵画とを照らし合わせて絵と現代語訳の内容との違いに気づいた生徒もいました。欲を言えば、現代語訳ではなく原文と絵画の往還ができることが理想で、その辺りに授業者の今後の課題があります。中には絵画資料を見て気になったことを独自に調べ始める生徒もいて、こちらの意図以上の学習効果を得ることができました。
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