DNPの実践事例から考える、「見える化」で終わらせないデータ活用

その改善、「なんとなく良くなった気がする」で終わっていませんか?

感覚頼みで悩む担当者が、データを見える化することで根拠を持って改善を語れるようになる変化を表したイラスト

前回、購買本部の事例から「日々の集計業務を見直すことがデータ活用の第一歩になる」とお伝えしました。
データ活用のイメージがより広がる内容ですので、気になる方は、ぜひ第一弾のコラムもあわせてご覧ください。
第一弾コラムはこちら > Excel中心の業務をどう見直したか。DNPの実例に学ぶデータ活用の考え方

見える化の前にあった、現場の悩み

ダッシュボードをつくり、グラフで数字も見えるようになった。しかし、データを「見えるようにしただけ」で止まってしまう現場は少なくないのが実情です。
「見える化」はゴールのように語られがちですが、見えること自体に価値があるわけではありません。
本当の価値は、その数字を根拠に「次の一手」を打てるようになること。つまり、"感覚"で進めていた改善を、"根拠"を持って進められるようになることです。

とりわけ、次のような状態に心当たりはないでしょうか。

  • 感覚頼みで語れない : 改善の効果を客観的な数字で示せず、成果が正しく評価されにくい
  • 数字を見るハードル : 堅苦しいグラフや専門的な指標に身構えてしまい、「見づらい」「難しそう」と敬遠されがち
  • 過去の確認止まり : 数字を眺めるだけで、「どこを変えれば目標に届くか」という次の一手につながらない

このコラムでは、DNPのある製造現場が「見える化」から一歩踏み出し、根拠ある改善へと変わっていった過程をご紹介します。

DNPにおけるデータ活用の一例──品質管理部門のケース

製造現場で、作業服姿の担当者が製造機を見ながら、二人の同僚に説明している様子を描いたイラスト

DNPの品質管理部門では、かつて製造機械の生産性の成果を”社員の感覚”で語っていました。しかし、品質検査業務の改善活動を進めるなかで、単なるフィーリングではなく、データにもとづいて成果を確認したいという思いがありました。
そこでまずは、Excelでグラフを作成することから始めました。

見える化の"先"で起きたこと

データはあるのに、それを根拠に語れない—— Excelでグラフを作成し始めたものの、最初はまだ見える化以前の状態でした。
具体的には、次のような状況に陥りがちでした。
 •  Excelでの集計/入力に手間がかかる
 •  集計用/入力用と複数シートのリンク付けがうまくいかず、メンテナンスが大変
 •  結果として「確認するだけで手一杯」になってしまう
改善活動をしていても、その効果を数字で語れない、もどかしい状況でした。

課題を解決するためになにをしたか

そこで取り組んだのは、単に数字を表示することではありませんでした。
「誰もが、その数字をもとに次の改善を考えられること」をめざし、見せ方を工夫したのです。
 •  現場から「フィルター変更の操作が煩わしい」という声を受け、担当者がボタン1つで自分の担当データをすぐ呼び出して確認できるようにした
 •  「目標まであとなにをどれだけ改善すれば届くか」をその場で試算できるようにした
 •  情報を詰め込みすぎず、1つの画面で複数のグラフを切り替えられるようにした
ポイントは、これらが”見るため”ではなく”動くため”の工夫だったこと。数字を眺めて終わらせず、根拠を持って次の一手を打てる状態をつくったのです。

実際の現場で利用しているダッシュボードをもとに作成したデモダッシュボード画面

※実画面をもとに作成したデモダッシュボード画面

「見える」から「動ける」へ──現場に起きた変化

こうした工夫によって、まず変わったのは現場の”語り方”でした。「なんとなく良くなった気がする」ではなく、「ここがこう良くなった。だから次はこうする」と、根拠を持って改善を語れるようになったのです。
具体的には、次のような変化が生まれました。

  • 心理的ハードルの解消 : ツールに不慣れな人でも、自分の担当範囲を無理なく確認できるように
  • 未来を描く道具へ : 「あとなにを、どれだけ改善すれば届くか」を根拠に、次の一手を考えられるように
  • 全社への広がり : 「他部門もExcelで数字を確認していた。汎用化すれば、みんなの業務負荷も減るはず」と改修を重ね、部署を超えて利用が拡大。

過去を振り返るだけだったデータは、次の打ち手を考えるための道具へ。そして1人の工夫は、いつしか組織全体で共有される”データで語る文化”へと育っていきました。

データ活用で現場に生まれた3つの変化を示す図解。「心理的ハードルの解消」「未来を描く道具へ」「全社への広がり」を経て、"データで語る文化"へ変わったことを表現

こうした課題、DNPも同じ壁を越えてきました

感覚頼みの判断、数字を見る心理的ハードル、部門ごとの分断——。ここで挙げた課題は、DNP自身が現場で直面し、乗り越えてきたものです。
その過程で活用した手段の1つが、データを見やすく整理・可視化できるBIツール「Qlik」でした。
今回の担当者は初めてBIツールに触れるところからスタートしましたが、複数部署の利用者の意見をもとに、使いやすさを重視して設計・改修を重ねています。それでも利用者の声を反映しながら改修を重ねられたのは、全員が同じ最新データを見られるBIツールならではの強みです。

なお今回は「感覚から根拠へ」という変化を中心にお伝えしたため詳しくは触れませんが、集計や報告の時間が大きく減るなど、効率化の面でも確かな効果がありました。

具体的な数字や進め方が気になる方は、ぜひ該当事例のセミナーアーカイブをご覧ください。

ただ、この現場にとって最大の変化は、時間短縮ではありません。
”感覚頼み”から”根拠ある改善”へと仕事の進め方そのものが変わったことだったのです。

まとめ:見える化は、ゴールではない

ダッシュボード作成からステップを経て、山頂に立つ旗へと矢印が伸びる図解。見える化は手段(通過点)にすぎず、根拠ある改善こそがゴールであることを表現

あらためてお伝えしたいのは、データを見える化すること自体が、ゴールではないということです。グラフやダッシュボードは、あくまで手段にすぎません。
大切なのは、その先にあります。

  • 数字を根拠に「どこを、どう変えれば良くなるか」を判断できること
  • そして、実際に改善へと動けるようになること

「感覚」から「根拠」へ。その一歩を踏み出せれば、データは”眺めるもの”から”改善を導くもの”へと変わります。そしてそれは、どんな現場からでも始められます。

現場を動かすデータ活用を、DNPと始めませんか?

「データ活用を任されたけれど、なにから始めればいいかわからない」「ツールはあるのに、見て終わりになってしまう」——そんな段階からでも、まったく問題ありません。
DX推進を1人で抱え込む必要はありません。DNPは、自らも同じ壁を越えてきた”実践者”として、「見える化のその先」までご一緒します。
まずは気軽に、今の状況をお聞かせください。

※2026年7月掲載

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