BtoB企業でもファン株主は生まれるのか? 500名調査から見えた株主コミュニケーションの可能性

BtoB企業の株式を保有する個人投資家500名への独自調査をもとに、企業への理解や共感が投資行動に与える影響を分析します。BtoB企業における「ファン株主」の可能性と、効果的な株主コミュニケーションの方向性を解説します。(2026年8月公開)

調査のねらい

BtoB企業は一般消費者に直接製品やサービスを届ける機会が少ないため、「ファン化」や「コミュニティ形成」といった取り組みは難しいと考えられがちです。

しかし実際には、企業の技術力や社会的な役割、成長戦略に共感し、長期的に応援したいと考える個人投資家も存在します。
こうした背景から注目されているのが、企業への理解や共感を通じて株主との関係性を深める「ファン株主」という考え方です。

そこで本記事では、BtoB企業の株式を保有する個人投資家500名への独自調査をもとに、企業への理解や共感が投資行動にどのような影響を与えるのかを分析します。BtoB企業におけるファン株主育成の可能性について考察します。

調査概要

「企業への株式投資による個人投資家の意識・感情変化」に関する調査
【調査期間】2026年5月13日(水)~2026年5月17日(日)
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】調査回答時に現在BtoB企業の株式を保有している個人投資家と回答したモニター
【回答数】BtoB企業の株式保有者 500人
【調査機関】株式会社PRIZMA「サクリサ」

約4割が「事業を応援したい」と回答 BtoB企業にもファン株主の可能性

【調査設問】保有しているBtoB企業に対して、どのような感情を持っていますか?(複数回答可)

BtoB企業の個人投資家は、配当や株価上昇といった経済的なリターンだけを重視しているわけではありません。今回の調査からは、企業そのものへの理解や共感を重視する投資家の存在も見えてきました。

実際に、「配当・優待・値上がり益などの金銭的メリットのみを目的にしている」と回答した人が40.8%だったのに対し、「事業を応援したい」は39.8%となりました。さらに、「長く成長を見守りたい」が34.0%、「一人のファンとして愛着を持っている」が32.8%という結果も得られています。

これらの結果からは、BtoB企業においても、金銭的なリターンだけではなく、企業の事業内容や将来性への共感を動機として投資している個人株主が一定数存在することがうかがえます。
一般消費者が製品に触れる機会の少ないBtoB企業であっても、企業への理解や共感を通じて株主との関係性を深められる可能性があると言えるでしょう。

企業理解を深めるコンテンツが支持を集める。約3割が株主限定コミュニティにも期待

【調査設問】どのような株主向け施策に魅力を感じますか?(複数回答可)

BtoB企業では、一般消費者が製品やサービスに触れる機会が少ないため、自社の技術や事業内容、社会における役割が十分に理解されていないケースも少なくありません。
そのため株主コミュニケーションにおいても、企業理解を深めるための情報発信が重要になると考えられます。

実際に調査では、魅力的に感じる株主向け施策として「株主限定のコンテンツ配信」が39.4%で最も高い結果となりました。続いて「工場・施設見学会(研究所・ショールーム・オフィスなど)」が34.6%となっており、事業や技術の裏側をより深く知りたいという意向がうかがえます。

また、「株主限定コミュニティ」を魅力的な施策として挙げた人も29.2%にのぼりました。これは、企業からの一方的な情報開示だけではなく、企業や他の株主との継続的な接点や対話機会への期待が存在することを示しているのかもしれません。

BtoB企業における株主コミュニケーションでは、まず企業や事業への理解を深めてもらうことが出発点になります。その積み重ねが、共感や応援意向の醸成につながる重要なプロセスと言えるでしょう。

企業への理解や共感が深まると55.4%が中長期投資を重視。42.4%が買い増し意向を示す

【調査設問】企業への理解や共感があることで、投資行動はどのように変わりますか?(複数回答可)

企業への理解や共感を深めることは、株主との関係性向上だけでなく、投資判断にも影響を与える可能性があります。
実際に今回の調査では、「企業への理解や共感が深まった場合の変化」として、55.4%が「中長期投資をより重視するようになる」と回答しました。また、42.4%が「買い増しを検討しやすくなる」と回答しています。

さらに、「短期的な株価変動を過度に気にしなくなる」と回答した人も28.0%いました。企業への理解や共感は、投資家が企業の将来性をより長期的な視点でとらえるきっかけになるのかもしれません。

BtoB企業の場合、商品そのものへの愛着よりも、事業内容や技術力、将来性への理解が重要になります。今回の調査結果からは、そうした企業理解の積み重ねが、中長期的な投資判断につながる可能性が示唆されました。

調査結果から見えたこと

BtoB企業における「ファン株主」とは、理解と共感にもとづく応援者

今回の調査では、

・39.8%が株式を保有する企業に対して「事業を応援したい」と回答
・39.4%が「株主限定のコンテンツ配信」を魅力的な施策として選択
・55.4%が理解や共感が深まることで「中長期投資を重視するようになる」と回答
という結果が得られました。

これらの結果から見えてきたのは、BtoB企業においても企業への理解や共感が株主との関係性に影響を与える可能性があるということです。
BtoC企業のように商品やサービスへの愛着を起点としたファン化とは異なり、BtoB企業ではまず事業内容や技術力、将来の成長戦略への理解を深めてもらうことが重要になります。

つまりBtoB企業における「ファン株主」とは、単に企業を好意的に見る存在ではなく、企業の価値や将来性を理解した上で継続的に応援してくれる株主と言えるでしょう。

企業理解を促す情報発信が、応援意向や中長期投資の起点になる

今回の調査結果からは、BtoB企業において株主との関係性を深めるためには、まず事業内容や技術力、将来性への理解を深めてもらうことが重要であることが見えてきました。

株主限定コンテンツや工場・施設見学会への関心が高かったことからも分かるように、投資家は企業のことをより深く知るための機会を求めています。
これは単なる情報収集ではなく、「どのような価値を提供している企業なのか」「どのような強みを持っているのか」を理解したいというニーズの表れとも考えられます。

BtoB企業の株主コミュニケーションでは、まず企業を理解してもらうことが重要です。
そして、その理解の積み重ねによって、「応援したい」「成長を見守りたい」という意識が育まれていく。その結果として、中長期的な投資や継続的な保有につながる可能性があると、私たちは考えています。

ファン株主育成に向けた取り組みを検討しませんか

企業理解を深めてもらうことの重要性は見えてきた一方で、それを継続的なコミュニケーションとして実践することは簡単ではありません。
特にBtoB企業では、

・自社の事業や技術の魅力をどのように伝えるか
・株主との継続的なコミュニケーション機会をどう設計するか
・株主の理解や関心をどのように把握するか
といった課題を抱えるケースも少なくありません。

また、決算説明会や株主総会などの限られた接点だけでは、企業の強みや将来性を十分に伝えきれない場合もあります。
そのため、企業理解を深めるコンテンツの企画・発信や、継続的な対話機会の設計など、株主との関係性を育む取り組みが重要になります。

DNPでは、株主との継続的なコミュニケーション基盤の構築から、企業理解を深めるコンテンツ企画・制作、コミュニティ運営、効果測定までを一貫して支援する「ファン株主創出・育成ソリューション」を提供しています。

まずは、ファン株主育成の考え方やご支援内容をまとめた資料をご覧ください。

本ソリューションは「DNPファンマーケティングプラットフォーム」の提供サービスです。お問い合わせは共通窓口にて承っています。

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