新リース会計基準を契機に見直すITデバイスの契約・資産管理
2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度から、新リース会計基準が適用されます。新基準への対応では、契約名称だけでなく契約内容を確認し、会計基準上のリースを含む契約を把握することが求められます。
こうした契約内容の確認を進めるなかで、ITデバイスについても、契約情報と実際の利用状況をあわせて確認する機会が生じます。経理部門が保有する契約・支払情報と、情報システム部門が管理するデバイスの利用者・所在・更新情報が、別々のExcelや台帳で管理されていないでしょうか。
本コラムでは新リース会計基準を契機に、IT資産管理を見直す考え方を紹介します。
目次
新リース会計基準で何が変わる?
新リース会計基準では、借手のリースについて、原則として「使用権資産」と「リース負債」を貸借対照表に計上する考え方が採用されます。そのため、これまでオペレーティングリースとして処理していたものも含め、自社の契約内容を改めて確認することが重要になります。
新リース会計基準への対応とITデバイス管理は同じものではありませんが、制度対応にあたって契約内容を確認することは、ITデバイスに関する資産情報の管理状況を見直す一つのきっかけになります。
※短期リースや少額リースなどには簡便的な取扱いがあります。実際の適用や会計処理については、監査法人、会計専門家、経理部門等にご確認ください。
参考情報(新リース会計基準について)
対象となるITデバイスの資産情報を把握できていますか?
IT資産情報の管理状況を見直す際は、まず自社にどのようなIT資産があるかを確認することが重要です。そのうえで購入品、リース品、レンタル品など、調達方法の異なるIT資産について、契約情報と利用状況を紐付けて把握できているかを確認します。デバイス情報、利用者、所在、契約情報などを継続的に把握することで、台帳更新や棚卸などの管理につなげやすくなります。
まずは、次の情報を確認してみてください。
デバイス情報:対象となるデバイスと台数、管理番号、利用者、所在、機種、OSバージョン、シリアル
契約情報:契約内容、調達方法、契約期間、更新・解約条件支払条件、返却時期
利用情報:デバイス交換や利用者変更が反映されているか、契約情報と実際の利用状況が一致しているか
これらの情報が複数の部門や台帳に分かれている場合、必要な情報をすぐに確認できるでしょうか。
Excelや部門別台帳に情報が分散していませんか?
IT資産管理に必要な情報は、経理・財務、総務・購買、情報システムなど、複数の部門で管理されていることがあります。
例えば、次のように複数部門に情報が分かれているケースがあります。
経理・財務:支払・会計に関する情報
総務・購買:契約・調達に関する情報
情報システム:デバイス、利用者、所在、更新・回収に関する情報
これらが部門ごとのExcelや別々の台帳で管理されていると、次のような負荷が生じやすくなります。
・契約と対象デバイスの調査に時間がかかる
・利用者変更やデバイス交換が、一部の台帳にしか反映されない
・更新・解約・返却の対象をすぐに確認できない
・IT監査・棚卸のたびに、実態の調査に大きな負担が発生する
・担当者ごとに管理方法が異なり、確認作業が属人化する
管理するIT資産が増えても、現在の管理方法を継続できるでしょうか。
一度整理して終わりではない、継続的な更新と棚卸
IT資産情報は、一度整理すれば終わりではありません。ITデバイスの運用では、入退社や異動、ITデバイス交換、契約条件の変更、拠点間の移動、返却・再利用など、日々さまざまな変更が発生します。
これらを継続的に反映し、IT資産情報と実際の利用状況を一致させるには、日常的な情報更新と定期的な棚卸が必要です。特に、PC・スマートフォン以外のITデバイスや、予備機・休眠端末なども含め、管理対象と実際の所在・状態を確認できる仕組みが重要です。
必要なのは、一時的な台帳整備ではなく、最新の情報を常に管理・運用できる体制です。
契約・資産・利用情報を一元的に把握できる環境へ
情報が複数の部門や台帳に分散している場合、管理ツールなどを活用してIT資産情報・契約情報・利用情報を関連付け、あわせて登録・更新のルールや担当部門を整理することで、必要な情報を確認しやすくなり、台帳更新や棚卸の効率化につなげられます。
重要なのは、単に情報を一つのツールに集約することではありません。誰が、いつ、どの情報を更新するのかを明確にし、契約変更やデバイス交換、利用者変更などが発生した際に、関連する情報へ反映される運用ルールを整えることが重要です。
台帳更新や棚卸を無理なく継続できる仕組みを整えられているでしょうか。
新リース会計基準を、ITデバイス管理を見直すきっかけに
新リース会計基準への対応をきっかけに、制度対応に必要な契約確認だけでなく、ITデバイスの契約・資産情報をどのように管理し続けるかという視点でも、現在の運用を見直してみてはいかがでしょうか。
分散した情報の整理や棚卸方法、日々の更新ルールまで含め、継続的にIT資産の状態を把握できる管理体制を整えることが重要です。
ITデバイス運用全体の最適化を支援する「DNPマルチデバイスマネジメントサービス」
DNPマルチデバイスマネジメントサービスは、PC、スマートフォン、タブレット、POS端末、業務用端末など、多様なITデバイスについて、計画・調達から導入、運用、改善、回収・再利用までをライフサイクル全体で支援します。
デバイスの販売に加え、リース・レンタルを活用した調達にも対応。管理ツールと運用サービスを組み合わせ、契約・資産・利用者情報の可視化や、継続的な管理・運用を支援します。
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(2026年11月時点の情報です)
