輸送・保管中の温度・位置・衝撃をIOTモニタリング

輸送/保管状態モニタリング・追跡端末 QTS110

医薬品や化学材料、接着剤などの輸送・保管時の状態をリアルタイムで把握できるモニタリング端末です。温度特性の厳しい製品では、輸送・保管の各工程において、設計通りの品質を維持するための継続的な温度監視が不可欠です。本製品「Qualcomm® Aware Tracker QTS110」は、温度・位置・衝撃・照度などのセンサー情報を取得する端末です。クラウドサービス「Macnica Tracks®」の利用、またはお客様側でのシステム構築(API連携)により、取得したデータはリアルタイムに可視化され、従来のデータロガーでは把握できなかった輸送中の異常も即時に確認可能です。取得データの可視化・管理によって温度逸脱などのリスクへの迅速な対応を可能にし、輸送品質の向上に貢献します。 DNPはこれまでも、Envirotainer(旧:va-Q-tec AG)製の高性能断熱ボックスの販売代理店として、医薬品・精密材料の輸送温度管理ソリューションを提供してきました。今後、断熱ボックスとリアルタイム状態監視を組み合わせ、輸送品質の高度化に寄与するソリューションを提供していきます。

 Macnica Tracksのイメージイラスト




目次




輸送・保管中の“見えないリスク”をリアルタイムで可視化

輸送中の温度逸脱は後からでは防げない

医薬品や温度特性の厳しい化学材料では、輸送中の温度管理が品質を大きく左右します。製品によっては厳格な温度条件での輸送が求められ、わずかな温度逸脱でも品質への影響や使用不可につながる可能性があります。
特に医薬品の中には非常に高額な製品も多く、輸送中の温度逸脱は大きな損失や供給リスクにつながるため、物流工程における品質管理は重要なテーマとなっています。
また、製薬企業や品質管理部門にとっては、製品が適切な環境下で輸送されていることを証明できるトレーサビリティの確保も欠かせません。輸送工程の透明性を高めることは、品質保証の観点からもますます重要になっています。


データロガーでは異常をその場で把握できない

輸送中の温度管理には、温度データロガー(温度ロガー)を用いて温度履歴を記録する方法が広く利用されています。温度データロガーは比較的簡単に導入できる一方で、測定データを確認できるのは多くの場合、輸送完了後となります。そのため、輸送中に温度逸脱が発生していた場合でも、その場で状況を把握したり、輸送条件を見直したりすることは困難です。実際には、製品が目的地に到着し、データロガーを回収してから初めて温度履歴を確認するケースも少なくありません。
また、輸送途中で温度管理に問題が疑われる場合でも、現場の状況を遠隔から確認することは難しく、物流業者に問い合わせても荷物の状態を正確に把握できないことがあります。こうした状況では、輸送工程の透明性を確保することが難しく、品質保証やトレーサビリティの観点で課題となる場合があります。


品質事故・リコールにつながる輸送リスク

輸送中の温度逸脱や環境変化は、製品品質に大きな影響を与える可能性があります。特に医薬品やバイオ医薬品、温度特性の厳しい化学材料などでは、規定温度からの逸脱が確認された場合、対象製品を使用できなくなるケースもあります。
また、品質への影響が懸念される場合には、製品の廃棄や追加検査、出荷停止などの対応が必要になることもあり、企業にとって大きな損失につながる可能性があります。状況によっては、品質事故やリコールなどの重大なリスクに発展することも考えられます。
さらに、輸送中の状況を正確に把握できない場合、問題の原因特定が難しくなることもあります。輸送工程のどの段階で温度逸脱や環境変化が発生したのかを把握できなければ、再発防止策を講じることも容易ではありません。
そのため近年では、輸送中の温度や位置情報などの状態を継続的に把握し、輸送品質の可視化とトレーサビリティの強化を図る取り組みが求められるようになっています。



QTS110 と Macnica Tracksでリアルタイム状態監視を実現

温度・位置・衝撃・照度を同時にモニタリング

QTS110は、輸送中や保管中の資産状態を遠隔から監視できるIoTモニタリング端末です。位置情報、温度・湿度、衝撃(落下)、照度などを検知する複数のセンサーを搭載しており、輸送環境の変化を継続的に取得することができます。
取得したセンサーデータは、マクニカ社が提供するクラウドサービスMacnica Tracksに自動で送信され、輸送中の温度や位置情報、衝撃発生の有無などをリアルタイムで確認できます。これにより、輸送中の温度逸脱や落下事故、開封の可能性などの異常を遠隔から把握することが可能になります。


200カ国以上の国際輸送に対応

医薬品や化学材料、精密機器などの高付加価値製品は、国内輸送だけでなく国際輸送を伴うケースも多く、輸送中の状況を正確に把握することが重要になります。特に航空輸送や国際物流では、荷物の滞留やルート変更、紛失などのリスクが発生する可能性もあるため、輸送中の位置情報や状態を継続的に確認できる仕組みが求められています。
QTS110 は、グローバルSIMを搭載したIoTトラッキング端末で、200カ国以上の国や地域で通信に対応しています。これにより、海外輸送を含むグローバルサプライチェーンにおいても、輸送中の位置情報や環境データを遠隔から確認することが可能です。


Macnica Tracksで輸送状況をリアルタイム可視化

取得したセンサーデータは、クラウドサービス「Macnica Tracks」と連携することで可視化され、輸送中の現在地や移動状況をリアルタイムで把握できます。ダッシュボードでは温度・湿度・気圧・照度・衝撃などのデータをグラフで確認でき、マップ上では輸送経路や位置情報を表示します。各地点のセンサー情報も一元的に確認できるため、輸送環境の状況を把握しながら管理することが可能です。
 ※本機能のご利用には、Macnica Tracksの利用、またはAPI連携によるシステム構築が必要です

Macnica Tracksの運用イメージのイラスト


異常発生時の即時アラート通知

温度・湿度・気圧・照度には、上限/下限のアラートとワーニングを含む 4段階の閾値設定 が可能です。
設定値を超えた場合はアラートが通知されるため、異常の兆候を早期に把握できます。輸送後にデータを確認する従来のデータロガーとは異なり、輸送中に状況を把握できる点が大きな特長です。

Macnica Tracksの運用時に、アラートが上がった際のダッシュボード画面の写真。


QTS110の製品仕様

QTS110の製品仕様を記します。

Qualcomm® Aware Tracker QTS110の製品仕様

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導入メリット

リアルタイム把握で輸送品質と配送状況を可視化

輸送中の温度や衝撃、位置情報をリアルタイムで把握できるため、異常発生時にその場で対応することが可能になります。例えば、温度逸脱の兆候を検知した段階で、保冷材やドライアイスの追加などの対応を行うことで、品質への影響を最小限に抑えることができます。
また、現在地や輸送状況をリアルタイムで確認できるため、配送状況の正確な把握にもつながります。物流システム上は到着済みとなっていても実際には未着であるといったケースでも、実態に即した状況確認が可能です。
従来のデータロガーのように輸送後に異常を確認する運用では対応できなかったリスクにも、その場で対処できる点が特長です。輸送環境の可視化により、品質リスクの低減だけでなく、輸送工程の改善や再発防止にもつながります。
 ※本ソリューションは、Macnica Tracksの利用、またはAPI連携環境の構築によりご利用いただけます。


リアルタイム一元管理で温度データ運用と監査対応を効率化

測定した温度データはクラウド上に自動保存され、リアルタイムで可視化されるため、従来のデータロガーのような回収・読み取り・手動記録の手間が不要になります。輸送件数や管理対象が増えても業務負荷が増えにくく、温度管理業務を効率化できます。
また、複数拠点や輸送ルートのデータをクラウド上で一元管理でき、各拠点の状況を同一ダッシュボードでリアルタイムに把握可能です。拠点ごとに分散しがちな管理業務を標準化し、温度管理の精度向上と運用の最適化につながります。
さらに、輸送履歴や温度記録を一元的に蓄積できるため、監査や品質確認の際にも必要なデータを迅速に確認・共有できます。データ収集や資料作成の負担を軽減し、監査対応や品質管理業務の効率化にも貢献します。



温度管理ソリューションとしての活用

高性能断熱ボックスとの併用による温度管理

医薬品や再生医療関連製品、化学材料など、厳格な温度管理が求められる製品の輸送では、外部環境の影響を抑える高性能断熱ボックスの活用が重要になります。断熱性能の高い保冷容器を使用することで、輸送中の温度変化を抑え、安定した温度環境を維持しやすくなります。
一方で、実際の輸送環境では、季節や輸送ルート、保管時間などによって温度条件が大きく変化することもあり、断熱ボックスだけでは輸送状況を正確に把握することが難しい場合があります。そこで、モニタリング端末による温度監視を組み合わせることで、輸送中の温度や位置情報をリアルタイムで把握し、コールドチェーンの状態を継続的に確認することが可能になります。
高性能断熱ボックスによる保冷性能と、IoTを活用した温度監視を併用することで、輸送中の温度管理をより確実なものにすることができます。医薬品輸送や高付加価値製品の物流において、輸送品質の可視化と信頼性向上を支える温度管理ソリューションとして活用できます。

医薬品輸送向け高性能断熱ボックスの製品写真

画像クリックで、医薬品輸送向け高性能断熱ボックスシリーズを見る




導入事例

医薬品・再生医療の国際輸送

医薬品のイメージイラスト

医薬品や再生医療関連製品の国際輸送では、厳格な温度管理とコールドチェーンの維持が求められます。航空輸送や複数拠点を経由する物流では、外気温の変化や輸送工程の増加により温度逸脱のリスクが高まるため、安定した保冷性能と輸送状況の把握が重要になります。本ソリューションでは、高性能断熱ボックスによる保冷輸送とモニタリング端末による温度監視を組み合わせることで、輸送中の温度環境を確認しながら国際輸送の品質管理を行うことが可能です。医薬品や再生医療製品のコールドチェーン輸送において、輸送品質の可視化と信頼性向上に活用されています。


リチウムイオン電池輸送の安全管理

リチウムイオン電池のイメージイラスト

リチウムイオン電池の輸送では、発熱や衝撃などによる安全リスクを防ぐため、輸送環境の適切な管理が重要になります。特に国際輸送や長距離輸送では、輸送中の温度変化や荷扱い状況を把握することが、安全管理の観点からも求められています。
モニタリング端末を活用することで、輸送中の温度や衝撃、位置情報などのデータを取得でき、輸送環境の状況を確認しながら安全管理を行うことが可能になります。リチウムイオン電池やバッテリー製品の物流において、輸送環境の可視化と安全性向上を支える管理手段として活用されています。


温度管理が必要な化学材料

化学材料のイメージイラスト

接着剤や機能性樹脂などの化学材料は、温度変化によって粘度や反応性が変化するため、輸送時の温度管理が品質維持に直結します。特に夏季や長距離輸送では、想定以上の温度上昇により性能劣化や品質トラブルにつながるケースも少なくありません。
モニタリング端末を活用すれば、輸送中の温度や位置情報をリアルタイムで確認でき、温度逸脱の早期把握が可能になります。温度管理が求められる接着剤や化学材料の物流において、輸送品質の可視化とリスク低減に役立つソリューションとして活用が期待されています。



よくあるご質問




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