GDP対応・バリデーション済み 医薬品輸送の新しいスタンダード
医薬品輸送向け高性能断熱ボックスシリーズ(旧:「va-Q-tec(バキュテック)」ボックス製品シリーズ)
温度管理が常識となった医薬品輸送の現場では、輸送途中の温度逸脱がそのまま品質リスクにつながります。治験薬・バイオ医薬品・希少疾患治療薬など、どのような輸送条件下でも設計通りの品質を維持することが求められます。 DNPは、Envirotainer社(旧:va-Q-tec AG社)製 高性能断熱ボックスシリーズの日本国内販売代理店として、+22℃・+5℃・−21℃・−70℃といった幅広い温度帯をカバーする製品を提供しています。すべてのモデルがGDPおよびISTA7Dに準拠したバリデーション済みで、医薬品輸送に求められる温度保持性能と信頼性を両立します。
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目次
医薬品輸送に求められる品質とは
厳格な温度管理 ― わずかな温度逸脱が品質を左右する
医薬品輸送では、温度管理の精度が品質保証の根幹を支えています。ワクチンやバイオ医薬品、治験薬などの多くは、冷蔵(2℃~8℃)や冷凍(−25 ℃~−15 ℃)、超低温(-70℃以下)、室温管理(15 ℃~25 ℃)などの限られた温度帯を厳密に維持する必要があります。一度でも温度が基準範囲を外れる「温度逸脱」が発生すると、薬効成分の変性や品質劣化につながり、出荷製品の廃棄や再検証といった大きな損失を招きかねません。
このため、国内外の輸送環境では、夏季の高温・冬季の低温・長時間の保管待機といった多様な条件にさらされる上、電源が確保できない状況もあるため、容器内温度を安定して保持できる構造が不可欠です。近年では、こうした厳格な温度管理を維持するために、コールドチェーン物流全体の品質向上が求められています。
GDP(Good Distribution Practice)対応 ― 国際基準での品質確保
医医薬品輸送の現場では、製品の品質を確実に保持するために、GDP(Good Distribution Practice:医薬品の適正流通基準)への対応が欠かせません。
GDPとは、製造後の輸送・保管・取り扱いなど、流通のあらゆる工程において「品質が維持されていること」を保証する国際的なガイドラインで、欧州を中心に厳格な運用が進み、日本国内でも医薬品卸・物流事業者・製薬企業の間でGDP対応輸送が急速に広がっています。この基準では、単に温度を一定に保つだけでなく、保冷容器の性能再現性やトレーサビリティも求められます。輸送条件の検証(バリデーション)や温度記録の管理など、流通全体の品質保証体制が重要です。
va-Q-tecの高性能断熱ボックスは、欧州GDPガイドラインに準拠し、性能データに基づいて設計・検証されています。データで裏付けられた断熱性能により、グローバルな医薬品輸送においても一貫した品質維持を実現します。
グローバル物流への対応 ― 長距離輸送・気候変化に耐える設計
グローバル化が進む現在、医薬品やバイオ製剤は国内だけでなく、海外との長距離輸送が日常的に行われおり、輸送中の外気温が−20℃から+40℃以上に変化する環境下では、温度逸脱のリスクが常に存在します。
こうした過酷な条件下で品質を守るには、高い断熱性と長時間の温度保持性能が不可欠です。
DNPが提供する高性能断熱ボックスシリーズ(旧:「va-Q-tec(バキュテック)」ボックス製品シリーズ)は、真空断熱パネルと相変化蓄熱材(PCM)を組み合わせた構造により、最大144時間以上の温度安定性を実現。外気温の影響を受けにくく、航空・海上輸送を問わず、グローバルな医薬品輸送における温度逸脱リスクを最小化します。
製品の特長
特長1:最大144時間の温度維持を実現する圧倒的な断熱(保冷)性能
「高性能断熱ボックスシリーズ(旧:va-Q-tec ボックス製品シリーズ)」は、最長144時間にわたり安定した温度を保持できる高気密構造が特長です。
断熱ボックスに高性能な真空断熱材を使っても、気密性が低ければ外気が侵入し、十分な保冷性能は発揮できません。本シリーズでは、ヒュームドシリカを芯材とした真空断熱材(VIP)を採用。
これにより、従来のグラスウール芯材では難しかった高精度な直方体構造を実現し、ボックス全体の気密性を大幅に向上させました。
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さらに、内部の6面を保冷剤(PCM)がしっかりと囲む二重構造により、外気の影響を最小限に抑制。
この構造により、医薬品輸送に求められる長時間の温度安定性を確保しています。
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特長2:GDP・ISTA7D準拠のバリデーション済み
高性能断熱ボックスシリーズ(旧:「va-Q-tec(バキュテック)」ボックス製品シリーズ)は、全てのラインナップが欧州GDP規制・ISTA 7D(国際安全輸送協会)に準拠した条件でバリデーション済みであり、それぞれのQR(Qualification report)をご用意しております。
新規の断熱ボックスを使用する場合、殆どのお客様が自社で使用条件出しを行った上で輸送試験を行いますが、高性能断熱ボックスシリーズでは保冷剤の使用量や凍結設置の条件出しなどが不要のため、実運用開始までの時間を大幅に短縮することが可能です。
以下では、一例として、va-Q-proof(ProofPak)Premiumの夏季と冬季を想定した温度試験結果をご紹介します。
- ※GDP(Good Distribution Practice)とは : 医薬品の品質保証を目的にした指針。
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※ISTA 7D(国際安全輸送協会)とは : 包装貨物の評価試験規格において、
ISOやASTM同様に世界各国で幅広く採用されている国際規格のひとつ。 -
※QR(Qualification report)とは : validation reportに相当する検証データの載ったレポート。
夏季または冬季の想定環境温度条件下で、指定の温度をどれくらいの時間保持できるか検証した試験結果。
特長3:作業手順書(SOP)通りで再現性を確保
断熱ボックスを使用する際には、仕向け地ごとの環境条件(外気温)に合わせて、保冷剤量を選定する必要がございます。特に医薬品輸送用途では、管理温度が厳密なため、複数の温度帯の保冷剤を併用するケースが一般的で、輸送条件を決めるために何十回も温度試験が必要になります。
一方、高性能断熱ボックスシリーズ(旧:「va-Q-tec(バキュテック)」ボックス製品シリーズ)は、圧倒的な断熱性能を有するため、仕向け地や季節に関係なく、保冷剤の使用量や凍結条件が単一の条件となっており、SOP(Standard Operating Procedures)と呼ばれる標準作業手順書にまとまっているため、シンプルな運用が可能です。
以下に、ローディングとプレコンディショニングのSOPの一部をご紹介します。
特長4:-70℃ から 25℃まで豊富なラインナップ
高性能断熱ボックスシリーズ(旧:「va-Q-tec(バキュテック)」ボックス製品シリーズ)は、豊富なラインナップをご用意しております。
各製品ともに、定温帯の+22G(15℃~25℃)、冷蔵帯の+5G(2℃~8℃)、冷凍帯の-22G(-25℃~-15℃)、極低温帯(-70℃以下)と、さまざまな外寸・内寸のラインナップをご用意しております。
サイズや重量、保冷時間目安などの製品ラインナップの詳細は、以下ページからご確認できます。
利用シーン(用途)
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医薬品やスペシャリティ医薬品の輸出・国内輸送
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半導体関連材料・装置部品の輸出・国内輸送
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ご提案からご発注までの流れ
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お問合わせ
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ヒアリング
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お見積・ご提案
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サンプル販売&輸送試験
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ご発注
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お役立ち資料ダウンロード
ダウンロード資料にて、高性能断熱ボックスシリーズ(旧:「va-Q-tec(バキュテック)」ボックス製品シリーズ)の保冷目安時間やサイズ・重量などを紹介しております。
・遮熱と断熱の違い
・断熱性能と気密性
・製品ラインナップ
・SOPサンプル(作業手順書)
・QRサンプル(Qualification report)
・採用事例
等の詳細情報がご確認いただけます。
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高性能断熱ボックスシリーズに関するSOP(標準作業手順書)やQR(Qualification report)の提供 や、お見積も可能ですので、ぜひ気軽にお問合わせください。
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ダウンロード資料にて、高性能断熱ボックスシリーズの保冷目安時間やサイズ・重量、導入事例などを紹介しております。 当製品に興味のある方はダウンロードください。