Mayii関連プロジェクト

助け合いのインフラ「&HAND(アンドハンド)」実証実験

困っている人と助けたい気持ちがある人をつなぐ「DNPソーシャルアクションサービス May ii(メイアイ)」。May iiの起源となった活動である「&HAND(アンドハンド)」の実証実験について、サービスデザイン・ラボⓇ(以下SDL)メンバーの活動内容を中心にご紹介します。 (2017年11月時点の情報です)

関連する18分野を見る

はじめに

DNPは、2018年度に実施した各地域での実証実験結果を元に、ユーザーエクスペリエンスやコンセプトをリデザインし、2019年7月25日より「DNPソーシャルアクションサービス May ii(メイアイ)」として再スタートさせました。

こちらの記事は、Mayiiの起源となった活動であり、当時の想いを伝えるものです。最新の活動状況はMay ii(メイアイ)サービスサイトをご覧ください。

背景

&HANDは、SDL松尾が社外の異業種チームによるアイデアソンに参加し、下記2つのコンテストでグランプリを取ったアイデアが元になっています。
・Android Experiments OBJECT
 Android OSやGoogleの技術を用いて新たなアイデアからデバイスを開発するプロジェクト。
・LINE BOT AWARDS
 LINEのMessaging APIを使い、LINE上で動作するchatbotのアワード。

&HAND実現のため、ビジョンに共感したDNP有志メンバーでチームを結成。サービスモデル・ビジネスモデルの設計、経営層への上申を経て、東京地下鉄株式会社(以下:東京メトロ)、LINE株式会社(以下:LINE)、「アンドハンド※」プロジェクトチームと連携しながら実証実験を進めていくことになりました。

※アイデアソンを発端に結成した社外横断プロジェクトチームを「アンドハンド」、提供するサービス名を「&HAND」としています。

SDL松尾・鈴木が、サービスデザインによる新規事業開発やバリアフリー領域でのリサーチの知見を活かしながら、ニーズの探索、行動変容・体験価値の検証、サービス・ビジネスモデルの設計に取り組んでいます。

取組み

「&HAND」はコミュニケーションアプリ「LINE」などを活用して、身体・精神的な不安や困難を抱えた人と手助けをしたい人とをマッチングし、具体的な行動を後押ししていくサービスです。

文部科学省の調査では、見知らぬ人や友人・知人が困っているときに手助けをしたいと思っている人は8~9割に上ります。しかし実際に行動に移すとなると「声をかけた相手がどう思うか気になる」「初めての人には声をかけづらい」などのハードルが生じています。(参考:文部科学省「ボランティア活動を推進する社会的気運醸成に関する調査研究報告書」)
最近では、助けて欲しい人が近くにいるのにスマートフォンに夢中になって気づかないという問題も出てきました。

&HANDがサポートするのは電車やバスでの移動に不安や困難を抱えている人たちです。
例えば
・立っているのがつらい妊婦や高齢者
・人や障害物にぶつかって方向感覚を見失った視覚障害者
・緊急時に音声アナウンスが聞こえず状況を把握するのが困難な聴覚障害者
・ちょっとした段差や階段で経路の変更を余儀なくされる車椅子利用者
・はじめての土地で道に迷いやすい訪日外国人
などです。

LINEなどのライトなコミュニケーションを通じて、「助けて欲しい側の意思表示」と「助ける側の心理的ハードルの軽減」をすることで、フラットな助け合いを加速するインフラを構築したいと考えています。
サービス業の人手不足、障がい者の社会進出、訪日外国人の増加などによる会環境の変化に伴い、スロープやエレベーター、案内板などのハードの整備だけでなく、ソフトの観点で助け合いの仕組みを構築・意識変容を促すことで、「やさしさから やさしさを生む社会」をめざしています。

&HANDの構想を実現するため、まずは以下でご紹介する2つの取組みを進めていきます。

1. 妊婦さんの困りごと解決(実証実験による行動変容、体験価値の検証)

日頃スマホを見ていて妊婦の存在に気づかない乗客に対してスマートフォンに「妊婦が近くにいる」ことを通知することで、立っているのがつらい妊婦さんと、席をゆずりたいと考える乗客をスムーズにマッチングする。そんなサービスの実証実験を行います。

実証実験にあたって、妊婦さんの抱える問題を明らかにするため、席譲りのジャーニーマップを作成しました。

このジャーニーマップを元に実証実験の内容を検討しました。

今回の実証実験で検証したいことの一つが、サポーターの行動変容です。
妊婦さんを助けたいと思うサポーターはいるのか。
実際に困っている妊婦さんが近くにいることが分かったら行動に移せるのか。
実際に行動をしたのはどのような人だったのか。など、
実際に実証実験に参加してもらい、インタビューを通じて、妊婦さんやサポーターの体験価値の検証を実施します。

実験の詳細はニュースリリースをご参照ください。

「#LINEで席ゆずり実験」 &HANDを使った実証実験のイメージ

2. 視覚障がい者の困りごと解決(ニーズの探索)

&HANDは障がい者の方にも使いやすいサービスをめざしています。&HANDによってフラットな助け合いがあたりまえになることで、障がい者がより気軽に外出できる自立しやすい社会の実現に貢献できるのではないかと考えています。

&HANDを使って障がい者の方にどのような形でサービスを提供するのが望ましいのか。視覚障がい者がどのような課題を感じ、どのようなサポートを求めているのか。また、現在対応している駅係員は現状どのようなサポートを行っているのか。どのような困りごとだったら、サポーターも助け合えるのか。など
「視覚障がい者の駅構内の移動を中心に“移動やお出かけ”における悩みやニーズ」をリサーチします。

リサーチの実施には東京メトロに加え、障がい者に関するリサーチやユニバーサルデザインのコンサルティングを手がける株式会社ミライロにも協力いただきます。

(敬称略)

*「&HAND(アンドハンド)」は一般社団法人PLAYERSの商標または登録商標です。

まとめ

DNPは本活動をきっかけに、手助けする対象を妊婦さんから、高齢者、訪日外国人、障がいのある人へと広げ、大阪駅や新宿駅、商業施設内、天神エリアなど対象エリアも模索しながら実証実験を行いました。そうした活動で得た課題を元にコンセプトをリデザインし、2019年7月25日より、社会のインフラとして「助けたい気持ちを後押し」する「DNPソーシャルアクションサービスMay ii(メイアイ)」として再スタートしました。

現在は、学んでつながる助けあいアプリを無料で提供しており、地域共生社会やユニバーサルデザインを推進する自治体と連携して活動を進めたり、MaasやSDGsを推進する企業との連携もはじまっています。

2020年10月には「2020年度グッドデザイン賞」を、2020年12月には「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労表彰」の内閣府特命担当大臣表彰奨励賞を受賞し、ますます今後の展開に注目が集まっています。

<詳しくはニュースリリースをご覧ください。>

関連ページ

DNPではサービスデザイン・ラボという組織を編成し、人起点で商品やサービスの新たな体験価値を創造し、
それを継続的に提供するための組織や仕組みも含めてデザインする方法論「サービスデザイン」を推進しています。

※サービスデザイン・ラボは、DNP 大日本印刷の登録商標です。

その他の事例

関連する18分野を見る