株式会社ANA Cargo

航空輸送で「冷蔵品」を、パレット単位のまま安全に届ける 「DNP多機能断熱ボックス」の導入効果

株式会社ANA Cargoは、昼間便の貨物空きスペースを活用した輸送サービス「コンテナバリュー」の新たな可能性として、冷蔵品輸送への挑戦をスタートしました。 その中で直面したのが、「パレタイズされた大量の冷蔵貨物を、航空輸送でどう温度管理するか」という課題です。 DNPの多機能断熱ボックスは、この課題に対し、技術力・スピード・伴走型サポートで応えました。 本記事では、ANA Cargo様へのインタビューを通じて、導入の背景から効果、そして今後の展望までをご紹介します。

(本記事は2026年3月に取材させていただいた内容をもとに構成しています。)




株式会社ANA Cargo 国内貨物販売部 戸田 貴男様 と DNP佐藤の写真

お話を伺った国内貨物販売部 戸田 貴男 様(写真右)





サービス拡張の背景:冷蔵品輸送へのニーズの高まり

(以降ANA Cargo戸田様コメント)

昼間便の空きスペースを活用する「コンテナバリュー」
当社には、昼間便の貨物空きスペースを有効活用する「コンテナバリュー」という輸送サービスがあります。
標準パレット1枚分の貨物をそのままLD3コンテナに搭載し、輸送できるサービスです。


お客様の声から見えた、新たな輸送ニーズ
このサービスを展開する中で、お客様から『冷蔵品は取り扱えないのですか?』というお問合わせをいただく機会が増えてきました。ちょうどそのタイミングで、株式会社セコマ様から具体的なご相談をいただいたことが、新サービス検討の大きなきっかけです。


立ちはだかった「温度管理」という大きな壁
一方で課題も明確でした。パレタイズされた荷物をそのまま収容できるサイズの断熱ボックスが存在しないこと、そして大量の荷物を安定して温度管理できるのかという点です。
「本当に航空輸送で成立するのか」という不安が、最初の正直な印象でした。

株式会社ANA Cargoの「コンテナバリュー」のイメージ写真





DNPとの出会い:大型断熱ボックスという解決策

ネットの記事をきっかけに生まれた、新たな可能性
ANA Cargoが提供する「コンテナバリュー」は、ドライコンテナを用いた常温輸送サービスです。
そのため、チルド帯の輸送ニーズにどう応えるかは、以前からの課題でした。
そうした中で目にしたのが、ネット記事で紹介されていたDNPの多機能断熱ボックスです。
パレットと一体化した構造サイズ感を見た瞬間に、「これなら既存の輸送スキームを大きく変えずに、チルド対応ができるのではないか」と可能性を感じました。
この“直感的な気づき”が、DNPとの検討を始める最初のきっかけでした。


多機能断熱ボックスに注目した理由──関心から検討へ
ネット記事をきっかけに関心を持った後、私たちは多機能断熱ボックスについて詳しく調べました。
そこで強く惹かれたのが、大型サイズへの対応力輸送条件に応じたカスタマイズの柔軟性です。
単に断熱性能が高いだけでなく、「パレット積み」「現場オペレーションへの適合」までを含めて設計されている点は、自社が構想するサービスと非常に相性が良いと感じました。より具体的な検討を進めるため、DNPのお客様窓口から問合わせを行い、担当者の方と直接話をすることになりました。
ここから、両社での本格的な検討が動き出します。





連携の決め手:スピードと技術力への確信

求めたのは“現場で使える”断熱ボックス
ホームページから問合わせしたその日のうちに、営業担当の方から連絡をいただき、すぐに対面での打ち合わせとなりました。そのスピード感に、まず驚きました。

打ち合わせでは、当社が検討している輸送サービスの概要を説明し、実現に向けて次の条件をお伝えしました。
・パレタイズされた荷物をそのまま断熱ボックスに収容できること
・断熱ボックス自体もパレットに載せられること
・パレットごとLD3コンテナに搭載できること
・保冷剤の使用量はできるだけ少ないこと


即断即決と、高精度温度シミュレーション
正直、自分で条件を並べながら「かなり難しいことを言っているな」と思っていました。それにもかかわらず、DNPさんから返ってきたのは「たぶん、できますね」という即答でした。
さらに翌週には、高精度な温度シミュレーションによる温度グラフが届き、「こんなに早く、ここまで具体的に検討できるのか」と、その対応力とスピードに強い信頼を感じました。

株式会社ANA Cargo 戸田様と DNP佐藤とのインタビュー時の写真

インタビュアー:大日本印刷株式会社 佐藤 信敬(写真右)

株式会社ANA Cargoへ提示した温度シミュレーションデータ

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慎重に進めた導入プロセスと、確実な品質検証

シミュレーションと実測を何度も重ねた理由
「できるだけ早くお客様に提供したい」という思いはありましたが、温度管理に関わるため、進め方は非常に慎重でした。
まずは、既存のパレットサイズの断熱ボックスを無償でお借りし、温度試験を実施。シミュレーション結果と実測値の差異を確認した上で、断熱材の厚みなどを調整し、再度シミュレーションを実施しました。


試作・実証を経て、安心して導入へ
その後、試作品を作成し、DNPさん社内での試験、さらに実証試験を重ね、「問題ない」と言い切れる状態まで、何度も確認を行いました。
ここまで丁寧に検証を重ねていただいたおかげで、実際の導入時には不安は一切ありませんでした。

1.1m角のパレット上にパレタイズされた荷物をそのまま断熱ボックスへ入る写真

1.3m角のパレット上に載せた断熱ボックスがLD3コンテナ内に入る写真





導入後の成果:サービス価値と認知の向上

セコマ様への導入実績を起点とした営業効果
今回の取り組みについては、ニュースリリース発表後、お問合わせをいただいています。
セコマ様での導入実績があることで、営業活動においても非常に説得力のある提案ができています。

ニュースリリース・メディア露出による波及効果
また、北海道新聞への掲載やSNSでの反響を通じて、当社サービスの認知が広がっていることも実感しています。
単なる一案件にとどまらず、サービス全体の価値向上につながっていると感じています。

沖縄のトライアル様での陳列風景写真





評価:導入後も続く“伴走型サポート

想定外の結果にも、データで向き合う姿勢
導入初期の実証試験では、想定していた結果と異なるデータが出たことがありました。しかしその際も、温度ロガーのデータをもとに原因を丁寧に分析し、条件を整理した上で再度シミュレーションを実施していただきました。

現地での迅速かつ手厚い対応が生んだ信頼感
運用面に課題がある可能性についても、当社だけでなく荷主様への説明にまで同行して対応いただき、非常に心強かったです。さらに、運用修正後の再試験では北海道まで同行いただき、万全の体制で試験を行うことができました。
「購入したら終わり」ではなく、導入後も伴走してくれる姿勢に、心から感謝しています。

再試験時の現場写真





今後の展望:広がる温度管理輸送の可能性

今後も期待するDNPの役割とは
今後、新たな引き合いをいただいた際には、今回同様、温度シミュレーションによる温度グラフの提示などで引き続き支援いただけるとありがたいと考えています。

株式会社ANA Cargo戸田様とのインタビュー時の写真


また、お客様のニーズは冷蔵帯に限らず、定温帯や冷凍帯など多様化しています。
そうした要望に対しても、これまでと同じように、技術面・運用面の両方からサポートいただけるパートナーでいてほしいと期待しています。



この事例で導入した製品・サービスについて

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