生活空間インテリア・デザインレポート 話題の国内ホテル編 Vol.9
ご好評いただいている「デザイン トレンドレポート ホテル」。第9弾は大阪、福岡のホテルをご紹介いたします。ホテルのコンセプトやデザインの背景をご紹介するとともに、筆者視点でインテリアのポイントやコーディネートについてご紹介します。
|
|---|
| Photo パティーナ大阪 |
・地域の歴史や自然の要素を取り入れたインテリア
・多彩なマテリアルが奏でる豊かなラグジュアリー空間
・最先端のヘルステックなど、ウェルネス体験の提供
Point of Materials
木質・メタル・石・和紙・ファブリック・レザーなど
|
|---|
| Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
・人や時間の交差を表現した空間デザイン
・アートやグリーンに包まれた上質なひととき
・伝統香る開放的な和モダンの客室
Point of Materials
木質・石・ガラス・メタル・ファブリックなど
01.パティーナ大阪
|
|---|
住所:大阪府大阪市中央区馬場町3-91
TEL: 06-6941-8888
アクセス:谷町四丁目駅から徒歩8分、森ノ宮駅から徒歩9分
パティーナ大阪公式サイト
パティーナ大阪は難波宮跡公園に隣接、大阪城の正面に位置して、2025年5月1日に開業しました。パティーナはシンガポールに拠点を置くカペラホテルグループのブランドで、パティーナ大阪は国内第1号となります。地上20階、全221室を擁する当ホテルでは、ここでの滞在を通じて新しい視点が生まれ、それまでの価値観が変わるような「トランスフォーマティブ・ラグジュアリー」な体験を提供しています。建物の外観は、低層部に豊かな植栽を配し、高層階に向かうにつれてガラスカーテンウォールが空との境界を曖昧にする、存在感のあるデザインが特徴です。外装デザインは光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所、内装デザインはストリックランドが担当しています。
01-1. 難波宮と大阪城といった地域の魅力を映す空間
ホテル内部には、難波宮と大阪城から着想を得たデザインが採用されています。エントランスや車寄せでは、錆石や左官、版築仕上げの壁が豊かな質感を生み出し、自然のダイナミックなエネルギーを感じさせていました。
館内に足を踏み入れると、四季の移ろいを映し出す巨大なディスプレイが目に飛び込みます。また、ランダムながら調和のある植物のレイアウトが、パティーナ大阪ならではの世界観へと訪れる人を引き込み、心地良い空間を演出していました。
|
Photos パティーナ大阪 |
次に、パティーナ大阪にあるバー&ダイニングの中から4つの店舗をご紹介します。
1つ目は、「P72」です。ホテルの1階に位置するP72はエントランスとエレベーターホールをつなぐ導線上に位置し、訪れる人を温かく迎えるシグネチャーレストランです。なかでも目を引くのが、天井に施されたアートです。全長52メートルにも及ぶこの巨大な作品は、大阪の突板工場で生まれた木材の端材を活用し、難波宮の木や根から着想を得て「永遠の自然美」を表現しています。中央のカウンターテーブルは、木の角材を積み重ねたデザインで、端部を面一に揃えず、あえて凹凸感を残しています。木の断面や木理の表情を際立たせることで、空間全体に木の温もりが感じられるデザインとなっていました。P72では、テラスや店内で水耕栽培したハーブなどを取り入れ、四季を細分化した日本の七十二候(しちじゅうにこう)にインスピレーションを得た料理を提供しています。
|
Photo パティーナ大阪 |
2つ目は「にじり」です。にじりとは、日本の茶道において茶室へと続く小さな入り口の名称です。それにちなんで名付けられたこの店舗は、レセプションフロアから螺旋階段を降りた先に位置し、静かな隠れ家へと誘うようなデザインが特徴です。この階段には藍染の和紙が用いられ、時の流れや自然のリズムを表現しています。ベージュやブラウンを基調とした空間の中で、爽やかな藍色の美しさが際立っています。さらに、格子天井や障子を思わせる壁面、縦桟を強調した椅子のデザインなど、空間全体に直線的な要素が多いため、螺旋階段の緩やかな曲線美がより際立っています。空間の中央には、大阪城の石垣にも使用されている瀬戸内産の花崗岩で作られた石の彫刻が置かれ、この土地の豊かな歴史のルーツを表現しているそうです。
|
Photo パティーナ大阪 |
3つ目にご紹介するのは、バスク料理を提供する「IÑAKI」です。天井から吊るされた無数の花アートは、大阪城公園の春夏秋冬をインスタレーションで表現しており、自然の美しさや四季の移ろいを感じさせます。赤みのある大理石で構成されたソファ席の背面や、幾何学模様の凹凸感のあるキャビネット、槌目仕上げ(金属にハンマーで模様を打ち付けて凹凸を施す手法)のドアハンドルなど、細部にまでデザインのこだわりが感じられます。バスク地方の豊かな食文化を表現するかのように、空間で使用されている素材も多岐にわたり、一つひとつの素材が放つポジティブなエネルギーが、楽しげな食事のひと時を演出しているように感じました。
|
Photos パティーナ大阪 |
|
最後にご紹介するのは、「SONATA BAR & LOUNGE」です。ホテルのレセプションからシームレスに続くこのバーは、音楽からインスピレーションを得て、境界のない自由な流れをデザインコンセプトとしています。傾斜した銅製の天井は大阪城の屋根から着想を得ており、大阪城との視覚的なつながりを感じさせます。また、隠れ家のようなソファエリアには、日本の著名なスピーカーメーカーが製造した歴史的なオーディオ機器コレクションが壁掛けアートとして取り入れられ、最も古いものは1965年に製造されたものです。
|
Photos パティーナ大阪 |
|
01-2.歴史と自然を内包したラグジュアリーな客室
ここからは客室に関してご紹介します。
デラックスルームは、ベッドの前に大きなガラスの開口部があり、日中は温かな日差しが差し込みます。その窓際を囲むようにブラウンカラーの木質素材が施され、まるで温もりのある木製のボックスに包まれているような安心感があります。
デラックスルーム(50㎡)
|
Photo パティーナ大阪 |
|
Photo パティーナ大阪 |
その窓際には、縁側のようなシーティングエリアが設けられ、床には畳が敷かれています。ゆったりと外の景色を眺めながらくつろぐことができる場所です。また、機能性も配慮され、畳に座ったままテーブルを使用できるよう、高さが調整されています。このスペースにはエキストラベッドを設置することもできるそうです。
|
Photo パティーナ大阪 |
デラックススイート(103㎡)
|
Photos パティーナ大阪 |
|
空間に使われているカラーやマテリアルを丁寧に見ていくと、木質をベースに、レザー、ガラス、ファブリック、和紙など多様な素材が組み合わされ、空間の深みを帯びた構成であることが分かります。カラーはブラウンやテラコッタを基調としつつ、ファブリックやバーカウンターに取り入れられたグリーンがアクセントとなり、空間に心地良いリズムを与えています。
大阪城の石垣を表現したヘッドボードは和紙でつくられており、硬質でダイナミックな石垣の印象を、あえて繊細な紙素材で表現することで、空間全体に豊かな表情と深みをもたらしています。
また、ドアや壁面、家具には直線を強調したデザインが施され、日本の木造建築が育んできた「間」や骨組みの美しさをさりげなく感じさせます。パティーナブランドならではのウェルビーイングを感じられる、上質なラグジュアリー空間でした。
パティーナスイートのリビングは、石垣を思わせるダイナミックな柱や、格子で構成された木質素材の折り上げ天井に包み込まれ、この土地に根付いた歴史や自然のエネルギーを感じられる設えとなっています。また、ターンテーブルや精密なサウンドシステムも備えられており、音を通じてパティーナ大阪ならではの体験を堪能できます。さらに、畳に床座で過ごせるメディテーションスペースも設けられ、心身ともに深くリラックスできる時間をもたらしていました。
パティーナスイート(233㎡)
|
Photos パティーナ大阪 |
|
01-3. 唯一無二のホリスティックなウェルネス体験を提供
続いて、パティーナ大阪が提供するさまざまなサービスから、最も特徴的なウェルネスに関する取り組みをご紹介します。
クライオセラピーや、高気圧酸素&水素セラピー、LEDフルボディートリートメントなど、最先端のセラピーを受けられる設備が整っており、ひとつの場所でこれだけのサービスが受けられる国内ホテルはパティーナ大阪だけだそうです。
|
Photos パティーナ大阪 |
|
そのほか、最新のテクノジムマシンを導入したトレーニングジムやプールなど、大阪城を望みながらリフレッシュできる環境が整えられています。
また、パティーナ・メンバーシップに入会すると、専用ラウンジ・プール・ジムを無制限で利用できるほか、多様な特典を受けることができます。四半期ごとのコンサルテーションとボディスキャンによって個々のウェルネス向上をサポートするサービスや、ヘルステック関連のサービスも優先的に利用可能です。これらを通じて、身体や心といった「いのち」に関わるすべての概念を包括的に整えるホリスティックなウェルネス体験を提供し、パティーナ大阪のコンセプトである「トランスフォーマティブ・ラグジュアリー」を体現しています。
|
Photos パティーナ大阪 |
|
02.ONE FUKUOKA HOTEL
|
|---|
住所:福岡県福岡市中央区天神1丁目11番1号 ONE FUKUOKA BLDG. 18-19F
TEL: 092-752-1110
アクセス:福岡市地下鉄「天神」駅直結
ONE FUKUOKA HOTEL公式サイト
ONE FUKUOKA HOTEL は、福岡市の天神エリアに位置し、2025年4月24日に開業しました。当ホテルは、同日に開業した複合ビル ONE FUKUOKA BLDG. の最上層階にあたる18階、19階に位置しています。“創造交差点”というワンビルの開発コンセプトのもと、「天神の空に、くつろぐ。」をテーマに、全8タイプ41室を有する都市型のラグジュアリーホテルです。内装デザインは中村拓志&NAP建築設計事務所が手掛けています。ワールドラグジュアリーホテルアワード2025より、Best Luxury Art Boutique Hotelの最優秀賞など3部門で受賞しています。
02-1. 人と時間、歴史と景色が交差する空間
天神の明治通り沿い面したエントランスには、THE CAFE by ONE FUKUOKA HOTELがあり、アートと格子組みの内装が調和したホテル直営のカフェとなっています。カフェのファサードと、カフェの右に位置するホテルエントランスの壁面は、複雑な木格子で空間を包み込んでいます。格子が三層に重なり、繊細さと奥行きを感じる設えです。このグリッドパターンは ONE FUKUOKA BLDG. でも多用されており、「創造交差点」というコンセプトを象徴する意匠となっています。
|
Photos ONE FUKUOKA HOTEL |
19階のフロアに到着すると、暖炉を中心に360度ラウンジチェアが配置され、ホテルのコンセプト「天神の空に、くつろぐ」を体現する象徴的なスペースが広がっています。見上げると、滑らかな楕円形を描く折り上げ天井にも、木格子の意匠が施されています。カッパー色の暖炉フードは周囲の木目と調和し、空間にあたたかみを添えています。
このように暖炉を囲んで人々が語らうスタイルは、北欧のサウナラウンジで度々見られるものです。火のゆらぎを眺めたり、外の景色を楽しんだりしながら、見ず知らずの人々同士のコミュニケーションを自然と促す情景を思い起こさせました。
|
Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
暖炉エリアの隣には、福岡の街並みを臨みながらゆったりとくつろげるスペースも用意されています。すっきりとした流れのある木質素材が空間を包み込み、天井に設置されたシーリングファンがアクセントとなり、まるで豪華客船の中にいるかのような雰囲気を演出しています。
ホテル館内には、舘鼻則孝氏の「雷」をモチーフにした約80点のアート作品が展示されています。このスペースでは、製品化されなかった太鼓にアートを施し、それらを7つ連ねた作品を見ることができます。
|
Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
レセプションからシームレスにつながるのが、ルーフトップのカフェ&バー「THE ROOF」です。博多湾を臨みながら、優雅なひとときを過ごすことができます。テラスに設けられた水盤は、菅原道真の逸話に登場する「水鏡」をイメージしたものです。テラス席とバーカウンターをできるだけ隣接させて配置することで、賑わいの重心を水盤側へ寄せるよう意図されているそうです。
|
Photos ONE FUKUOKA HOTEL |
|
「THE ROOF」に隣接するのは、モーニング、ランチ、ディナーを提供する「THE KITCHEN」。オープンキッチンとなっており、活気あふれる調理の様子が空間全体に賑やかな雰囲気をもたらしています。THE KITCHENでは九州産を含む「地元食材」を使う地中海料理を提供しています。
|
Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
02-2. アート、本、緑に包まれる、上質なリトリート空間
|
|---|
| Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
19階のレセプションフロアから18階の客室に降りていく吹き抜けは、ホテルの中でも象徴的な大階段のアトリウムスペースになっています。舘鼻則孝氏のアート作品と、球体のシャンデリアが空間にリズミカルな表情を与えていました。
アトリウムの下には、宿泊客のみが利用できるライブラリーラウンジがあります。福岡にゆかりのある書籍が選書され、セルフサービスのドリンクやライトスナックを無料で楽しむことができます。ダークなトーンで構成された空間は、シェーカースタイルを思わせる収納扉のデザインや、大理石と木質素材が織りなす成熟したインテリアによって、宿泊客だけが体感できる特別な場所となっています。
|
Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
|
そして、このラウンジスペースの前に広がるのが、吹き抜けの GARDEN TERRACE です。賑やかな天神の高層ビル群にいることを忘れてしまうような、安らぎに満ちた空間となっています。ゆるやかな曲線を描く小道を散策しながら、さまざまな植物を鑑賞できます。夜には、湯上がりに夕涼みをしたり、暖炉の火を眺めながらくつろげるスポットとしても利用できます。
吹き抜けを挟み、片側は客室廊下に面したガラスのカーテンウォール、反対側は石模様のタイルで構成されています。左右をランダムな高さで結ぶ梁により、左右非対称で動きのあるテラス空間が生まれています。植物も多様な種類を配置することで、それぞれボリューム感が異なり、自然のリズムを感じられる、のびやかなガーデンテラスとなっていました。
|
Photos ONE FUKUOKA HOTEL |
|
もうひとつ、当ホテルの特徴的なサービスをご紹介します。18階には、福岡の街並みを一望できる大浴場とドライサウナが完備されています。外気浴スペースも併設されていて、ととのう心地よさを感じられる場所となっています。
そのほか、24時間利用できるフィットネスルーム、コインランドリーも備えており、快適で便利な滞在をサポートしています。
|
Photos ONE FUKUOKA HOTEL |
|
02-3. 福岡の歴史を映す、和モダンの開放的な客室デザイン
|
|---|
| Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
18階の客室廊下には、客室入り口に蔀戸(しとみど)をモチーフにした庇が設けられています。蔀戸とは、日本家屋に見られる外部建具で、上部をはね上げて開閉するものであり、平安時代の建物を象徴する設えの一つです。このデザインは、書斎記に記されている、菅原道真に教えを乞うためにさまざまな人が集まったという逸話に着想を得ています。客室内の蔀戸の位置には、前室にあたる書斎が設けられており、読書や執筆、あるいは訪れた人との会話を楽しむ場所となっています。ガラス越しに Garden Terrace の植物を楽しむことも可能です。通常、プライバシーの観点から客室の廊下側にガラス戸の開口部が設けることは珍しいですが、当ホテルでは、菅原道真ゆかりの歴史の気配を感じられるポイントデザインとして演出されています。
続いて、客室内をご紹介します。上質な和モダンの客室が全41室設けられ、どの客室も快適にくつろげる広さを備えた開放的な空間になっています。
SIGNATURE KINGの客室は、中に入るとまず書斎があります。木素材による竿縁天井、引き戸からは日本家屋の趣を感じます。そして、ガラリ戸の引き戸を隔ててベッドルームに繋がり、空間をゆるやかに仕切っています。ベッドルームのヘッドボードには、しめ縄や鳥居などに設えられる紙垂(しで)をモチーフにしたアートが施されています。
SIGNATURE KING (36㎡+テラス7㎡)
|
Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
|
Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
水回りの空間は、天井を傾斜させることで半屋外のような広がりを演出しています。また「天に禊ぐ」というコンセプトのバスルームは、窓を開けることで半露天の浴室となり、外気を感じながら優雅なバスタイムを楽しむことも可能です。このような演出により、客室内と外の景色の連続性を生み出し、まるで露天のような雰囲気を作り出しています。
(バスルームの窓が開閉するのはスイートルームのみの設えです。)
|
Photo ONE FUKUOKA HOTEL |
また水回りとベッドルームの間には開閉可能な引き込み戸が設けられており、戸を開けるとベッドルームやアンテルームとつながり、大きなワンルームとしての空間の広さを感じることができます。同時に、用途に応じて空間の使い方を変えられる可変性も備えている、とも言えるでしょう。
コーナーに位置する TENJIN CORNER TERRACE SUITE の特徴は、43㎡もの広さを誇るテラスです。テーブルやチェア、デイベッドが備えられ、福岡の景色を肌で感じながらゆったりと過ごせる空間となっています。テラスのフェンスがクリア素材のため、客室から福岡の上空と景色がシームレスにつながり、ホテルのコンセプトである「天空とのつながり」を実感できます。
また、ベッドルームとリビングを隔てる引き戸を開放すれば、ベッドに横たわりながら福岡の絶景を楽しむことも可能です。
TENJIN CORNER TERRACE SUITE(62㎡+テラス43㎡)
|
Photos ONE FUKUOKA HOTEL |
|
ホテル最上階に位置する THE ONE FUKUOKA SUITE は、64㎡の広さを有し、ダイニングと一体になったカウンターキッチンを備えています。カウンター上部にはゴールデンベルのランプが設えられ、空間に華やかさを添えています。また、ハイスツールもコーディネートされており、キッチンで料理をしながら会話を楽しむシーンを想起させます。
リビングスペースの天井にはシーリングファンが取り付けられています。さらに、天井の廻り縁にライン状のアクセントを加えることで、天井高をより高く感じさせており、細やかな意匠へのこだわりを感じるポイントとなっていました。
THE ONE FUKUOKA SUITE(64㎡)
|
Photos ONE FUKUOKA HOTEL |
|
03. まとめ&編集後記
ご紹介した2つのホテルは、それぞれ大阪・福岡の土地の歴史を感じられる趣を残しながら、現代のライフスタイルや嗜好に合わせたモダンなスタイルを基調としつつ、型にはまらない新しいデザインにも積極的に挑戦していました。どちらもブラウンカラーを基調とした木質素材で構成されていますが、一昔前のオーセンティックなスタイルとは一線を画し、直線的な要素と曲線的な要素の絶妙な組み合わせ、有彩色を適度に取り入れたカラーコーディネート、そして周囲の景色を取り込む没入感のある開放的な空間デザインが特徴的でした。特に、内と外がシームレスにつながる大きなガラスの開口部と、その窓際の演出が際立っていたと感じます。
また、パンデミックを経てサステナビリティやウェルビーイングへの関心が高まり、従来はアクティブな印象の強かった「旅」においても、身体だけでなく心の健康も促す「リトリートツーリズム」や「ウェルネスツーリズム」といった新しい旅行スタイルが注目されています。今回ご紹介した2つのホテルでも、滞在を通じて心身ともにリフレッシュできるサービスが展開されていたことが特徴の一つでした。
|
|---|
- 取材、撮影 & テキスト
Chihori Kunito (大日本印刷株式会社 モビリティ&リビング事業部)
大学・大学院で心理学・認知科学・色彩心理学などを学ぶ。学生時代は内装の色彩が人間の心理に与える影響や、肌がきれいに見える壁紙の色彩などについて研究。日本色彩学会 2011年学会大会にて発表奨励賞を受賞。2012年DNPグループに入社し、壁紙の企画デザインを担当。2016年より現在の部署にて、ミラノサローネなどの海外展示会や北欧のライフスタイルをリサーチし、トレンド情報を発信するセミナーやWebでのレポート記事を執筆している。関連資格:インテリアコーディネーター、プロモーショナルマーケター
DNPではホテルの客室扉にお使いいただけるELLIO、客室扉にお使いいただけるWSサフマーレなど幅広い製品・サービスをご提供しています。
ELLIOやWSサフマーレに関する詳細はこちらよりご覧いただけます。
- *2025年12月時点の情報です。
このコラムで紹介した製品・サービス
関連製品・サービス
-
多彩な“質感”を表現できる焼付印刷アルミパネル
DNP 内・外装焼付印刷アルミパネル アートテック®
外装・内装などさまざまなシーンでオリジナルで豊かな表情を演出する、オーダーメイドの高付加価値アルミパネルです。優れた耐候性、耐食性、加工性を有するだけでなく、木・石・金属などお客様のご要望に合わせたさまざまな意匠表現が可能です。
-
主用途:ドア面材・壁面パネル
WSフネン-L (WSサフマーレボード)
多くの実績を獲得しているWSサフマーレのロングヒット柄やスタンダード柄から24品番を厳選し、引戸や不燃要求のある高齢者施設などにご利用頂けるよう、4尺幅対応の3mm厚不燃化粧板と2.5mm厚MDF化粧板を取り揃え...

