ミラノデザインウィーク2026 速報ハイライト
イタリアで4月21日から26日にかけて開催された「ミラノデザインウィーク(一部、出展により会期は異なります)」。世界最大規模と言われている国際家具見本市の「ミラノサローネ」と、ミラノ市内のショールームや特設会場で開催される展示のフォーリサローネを総称し、毎年4月に1週間わたって行われるデザインイベントです。
DNPでは、社員が実際に現地を訪れ、200件を超えるブランドの視察・取材を行いました。そのレポートは、例年通り今夏にかけて、各家具ブランドの新作情報やインスタレーションの様子をVol.1〜Vol.4のコラムとしてご紹介予定です。本コラムでは、それに先立ち、筆者が特に印象的だったインスタレーションを速報としてご紹介します。
またDNPでは今年のミラノデザインウィークの様子をはじめ、6月にデンマーク・コペンハーゲン で開催される「3daysofdesign」の速報を含めたレポートをご紹介するオンラインセミナーを開催予定です。是非、皆様のご参加をお待ちしています。
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「DNP P&Iセミナー Global Interior Trend 2026」
お申込み:https://www.dnp.co.jp/biz/eventseminar/seminar/20178045_4965.html
開催日時: 6月26日(金)16:00-17:30
配信方法: Teamsタウンホールにてリアルタイム配信(配信終了後、アーカイブ配信のご案内も致します)
参加費用: 5,500円(税込)
このセミナーでは、より現地の臨場感を感じていただけるよう、多数の写真はもちろん、動画でも現地の様子をご紹介します。また、各ブランドのテーマやコンセプトの分析、それらを表現したインテリアコーディネートのトレンド分析、さらにそのコーディネートを構成するカラー・マテリアル・フィニッシュ(以下、CMF)にも言及し、マクロな視点からミクロな視点へ落とし込みながら、グローバルトレンドをご紹介します。CMFに関しては、現地で展示されていた1,000点を超える家具の素材分析を行い、客観的な数値をもとに潮流を紐解きます。なお、本セミナーでご紹介したスライドデータは、後日ダウンロードいただけます。皆様のご参加をお待ちしております。
ミラノサローネ 2026について
ミラノデザインウィークの中核を担うのが、フィエラミラノで開催される国際家具見本市の「ミラノサローネ」です。今年は167カ国から316,342人が来場し、前年比4.5%増と発表されています。海外からの来場者は中国が最も多く、次いでドイツ、スペインとなっています。
2026年のミラノサローネ は “A Matter of Salone”というテーマのもと、デザインの起源となるマテリアルにフォーカスし、素材から得られる感覚や、素材同士の組み合わせ、さらに人間の手によるデザインというプロセスに着目していました。
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Photos by DNP |
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| Photo by DNP |
今回のサローネでも多数の企画展が実施されていましたが、中でも注目を集めていたのが「Salone Raritas」です。Annalisa Rossoによる監修、Formafantasmaによる空間設計のもと、28のギャラリーが参加しました。会場では、素材が単なる材料ではなく、記憶を呼び起こしたり、何かを想起させたりする意味を持つ存在であることを体感できる、アート性の高いアイテムが展示されていました。
また、今年は「EuroCucina」開催年にあたり、キッチンの新作提案をはじめ、AIを取り入れた最新のキッチン家電や設備機器の提案も見ることができました。キッチンブランドでは、住宅空間におけるキッチンを起点として、ダイニングやリビング、さらにベッドルームやワードローブまで、空間全体に関与する提案が増えています。キッチンに関しては、機能性とデザインを融合させた実用性を追求する提案が多く見られる一方で、実用性よりもお気に入りのデザイン家具のように空間の中で“魅せるキッチン”に特化した提案があったのも印象的でした。
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Photos by DNP |
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フォーリサローネ2026について
ミラノ市内でも数多くの展示が行われ、それらのイベント群は「フォーリサローネ」と呼ばれています。今年は約1300の企業やブランドが家具展示やインスタレーションを実施し、50万人を超える来訪者があったと発表されています。ここ数年は、入場に事前予約制を導入するブランドが増えており、来場者数を管理して行列を緩和しながら、来場者に対するデジタルマーケティングを強化している背景がうかがえます。今年は昨年以上に、日時指定で予約を管理しているブランドが多く、昨年と比べると行列は緩和されたように感じました。一方で、展示への入場だけでなく、街中に出現するポップアップで配布される無料のノベルティやサンプルを求め、多くの人による長い列ができていました。
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Photos by DNP |
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イタリア家具ブランドに関するハイライト
今年も数多くの家具ブランドがミラノ市内のショールームにて展示を行いました。
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| Photo by DNP |
Poliformはスカラ座に新しいショールームをオープンし、2025年までに発表された製品を中心に、ミラノの都市に息づく建築とPoliformの世界観を融合させた空間を表現していました。新作については、パラッツォ・クレリチにおいて圧巻のインスタレーションとしてお披露目されました。
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Molteni&Cは昨年同様、Palazzo Molteniにて新作を披露し、今回初めてデザイナーとして起用されたアルゼンチン人デザイナー、Cristian Mohadedによる新作アームチェアなどが発表されました。アウトドア家具についてはガーデン・セナートでインスタレーションを開催し、ユニークな植栽の設えが印象的な、五感を刺激する空間となっていました。
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| Photo by DNP |
Flexformも昨年同様、インテリアはモスコヴァのショールームにてお披露目され、アウトドア家具はキオストロ・サンタンジェロ修道院の回廊にて展示が行われました。
これらのブランドの新作情報については、今後のコラムで詳しくご紹介します。
ファッションブランドに関するハイライト
ミラノといえばファッションの街としても有名です。今年も多くのファッションブランドが出展していました。
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Louis Vuittonは、今年もパラッツォ・セルベローニにてインスタレーションを開催し、1920年代のアールデコにフォーカスした展示を展開しました。この時代に活躍したフランス人デザイナー、Pierre Legrainにオマージュを捧げています。
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| Photo by DNP |
Diorは、フランス人デザイナーNoé Duchaufour-Lawranceとのコラボレーションで新作「Corolle(コロル)」ランプを発表しました。Diorのスカート「Corolle」のラインをエレガントに解釈し、照明デザインに落とし込んでいます。展示会場で存在感を放っていた籠細工は、京都の職人によって手作業で製作されたものだそうです。
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Gucciは「Gucci Memoria」をテーマに、ブランドが歩んできた歴史の中で象徴的な出来事をタペストリーとして描き、サン・シンプリチャーノ修道院の回廊にて展示を行いました。
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ミラノデザインウィークに初出展となったH&Mは、パラッツォ・アチェルビにて、アメリカ・カリフォルニア出身のデザイナー、Kelly Wearstlerとのコラボレーションを発表しました。誰もが手に届く“民主化されたデザイン”をブランド理念に掲げるH&Mは、その思想をもって家具領域への本格的な参入を示しています。フレスコ画が美しいミラノの歴史的建造物と、現代的なカリフォルニアデザインの対比が感じられる空間でした。
モビリティブランドに関するハイライト
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LEXUSは今年もトルトーナ地区のSuperstudio Piùに出展しました。「SPACE」をテーマとしたインスタレーションでは、6輪・3列シートの「LS Concept」を展示。また、インスタレーション「Discover Together」では、4組のクリエイターによる「Discover Your Space(今までにない自分だけのプライベート空間)」が披露されました。モビリティを単なる移動手段としてではなく、その空間での体験として捉え、茶室に見立てた空間や、繭に包まれたような空間の中で横たわる人の呼吸に呼応する照明演出など、ユニークな提案が見られました。
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MINIはPaul Smithとの協業で、テーマ「A Garden of Curiosity」を表現しました。赤い扉を開くと美しいパラッツォ・ボロメオ・ダッダの庭園が広がり、好奇心をくすぐるインスタレーションを展開。Paul Smithのカラーパレットを自由に組み合わせて楽しめる体験も提供されました。また、MINI Cooperをベースに“Less is More”をテーマとした「THE MINI STRIP」も展示され、余分な要素をそぎ落とした透明性を強調したミニマルなデザインが印象的でした。
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AUDIはZaha Hadid Architectsとのコラボレーションで、インスタレーション「Origin」をポートレートホテルの中庭で披露しました。マットな質感の有機的な建築物は、一日を通して光と影の変化を感じられる構成となっており、内部ではミラノの喧騒から解き放たれた静かな空間が生み出していました。
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Škodaはパラッツォ・デル・セナートにて、スペイン人デザイナー Ricardo Orts(Ulises Studio)とのコラボレーションによるインスタレーションを公開しました。ミラノの青空との対比が美しいカラフルなモチーフは、モデリングクレイをテーマに造形の遊び心を表現しており、カモフラージュされたコンパクトEV「Epiq」が展示されました。このインスタレーションはFuorisalone Award 2026を受賞しています。
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HYUNDAIは「Unfold Stories – From Paper to Steel」をテーマにIONIQ 3を展示し、同社のデザインプロセスを体験型インスタレーションとして表現しました。一枚の紙が車体デザインへと変化していく過程を造形で提示。折り紙で紙飛行機を折って飛ばすなど、参加者が実際に体験できるコーナーも設けられていました。
そのほかの出展情報については、今後のコラムでご紹介予定です。 是非、Trend & Media Report Index をブックマークしていただき、新着コラムをご覧いただけますと幸いです。
INDEX:https://www.dnp.co.jp/biz/theme/livingspace-trend/
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- Chihori Kunito(大日本印刷 モビリティ&リビング事業部)
ミラノサローネなどの海外展示会や北欧のライフスタイルをリサーチし、トレンド情報を発信するセミナーやWebでのレポート記事を執筆している。またDNP 5Stylesの企画やコーディネート提案にも携わる。
関連資格:インテリアコーディネーター、プロモーショナルマーケター
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- 2026年4月時点の情報です。

