未来のあたりまえをつくる。DNP

P&Iイノベーション

Case Study #03

モビリティ関連

誰もが安心して快適に移動できる社会へ
印刷技術を応用した製品開発で挑む

DNPがめざす「より良い未来」

安全・安心かつ健康に心豊かに暮らせる社会

快適にコミュニケーションができる社会

着目した課題・ニーズ 進化を続ける自動車部品に求められる機能の高度化・多様化への対応

自動車は、その発明以来人々の主要な移動手段として、社会に欠かせない存在となってきました。そして今、「環境」「電動化」「自動運転」「ソフトウェア」といったキーワードのもと、自動車産業は100年に一度ともいわれる大きな変革期を迎えています。

その中で、自動車を構成するさまざまな素材や部品にも、これまでにない多様で高度な役割・機能が求められるようになりました。優れた意匠性や、環境負荷の低減、デジタルとの連携など、さまざまな価値の両立や併存を可能にする技術が必要とされています。

DNPは、こうした変化をモビリティ事業にとってのターニングポイントととらえ、スマート社会の実現に向け取り組みを進めています。

P&I ~印刷で生み出して発展させた「ものづくり」の強み~ 持続可能なモビリティ社会を支える「加飾フィルム成形製品」

DNPは、自動車の内装に使用する加飾フィルムを1980年代から提供しています。多様な素材に印刷する技術、より薄くより広く均一にコーディングできる精密塗工技術、別の素材を貼り合わせる後加工技術など、DNPが磨いてきた技術を組み合わせることで、金属やカーボン、ウッドといったさまざまな素材の表情や、エンボス加工などによる多彩な手触り・質感をリアルに再現。幅広い表現を活かした独自のデザインを付加価値として提案し、高品質な車内空間を演出してきました。

また、モビリティ分野では環境ニーズへの対応にも力を入れています。日本では自動車のリサイクル率がおよそ96%(2023年度実績)※1と高い水準にあり、日本自動車工業会は中長期のロードマップとして国内の新車生産に使うプラスチックのうち再生プラスチックの割合を2031年に15%以上、2036年以降は20%以上とする目標を打ち出しています※2。

こうした基準をクリアするために、DNPではPP(ポリプロピレン)をベースとした加飾フィルムの量産技術を確立しました。従来、PPはリサイクルに適した素材であるものの、インキの密着性が弱く加飾フィルムへの使用には向かないとされてきました。DNPはこの課題を印刷の技術・ノウハウを活かして解決し、意匠性と成形性を両立。サステナブルで高機能なモビリティ製品の開発・提供に取り組んでいます。

対話と協働 ~オールDNPと多様なパートナーとの対話と協働~ 「光金属工業所社」「田村プラスチック製品社」モビリティ成形部品の開発・製造力強化

自動車の多機能化、スマート化が進む中で、さまざまな情報の表示や操作に対応するHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)が車内空間に求められるなど、モビリティ分野では新しいニーズが次々と生まれています。こうした変化に対し、DNPは印刷・情報技術をベースにパートナーの強みを掛け合わせることで、製品づくりを強化しています。

2015年にグループ会社化した田村プラスチック製品社は、自動車のサイドバイザーなどプラスチックの成形技術に優れ、自動車メーカーとのコネクション拡充という点でもシナジー効果を発揮。また、2025年にグループ会社化した光金属工業所社はHMI領域の自動車成形部品を多く手がけ、光透過型加飾フィルムを活用した製品の開発・製造が大きく進展しています。

光透過型加飾フィルムには、「通常は意匠性の高いパネルだが光源がONになるとフィルムを透過して情報が表示される」という特徴があります。たとえばダッシュボードの木目調パネルに必要に応じてエアコンやオーディオの操作ボタンが表示されるなど、一つの面で加飾による空間演出とHMIの機能を両立できる部品として注目されています。DNPではパートナーとの協働を深め、こうした機能性の高いフィルムを単体ではなく、成形部品に組み込んだ完成状態で提供できる体制の構築を進めるなど、高度化する自動車業界のニーズへの対応力強化を目指しています。

P&I
イノベーション

P&I
(独自の技術・ノウハウ・スキル)

光学設計技術
精密塗工技術
コーティング技術、EB/UV硬化技術、印刷技術
後加工技術
ラミネート技術、転写技術

事業を加速するパートナー

光金属工業所社
グループ会社化(2025)
田村プラスチック製品社
グループ会社化(2015)
加飾フィルムを活用した
モビリティ成形部品の開発・製造

実現する社会 移動の空間を誰もが心地良く安心して過ごせる場所に

DNPがモビリティ分野での「P&Iイノベーション」を通じて目指すのは、直感的な操作と美しいデザインを両立するディスプレイ一体型の内装など、人と技術が調和する持続可能な次世代の「移動」のカタチです。

スマート社会の到来とともに実現が期待される自動運転への対応も重要なテーマの一つ。将来的には車内空間だけでなく、歩行者と自動車の間など車外とのコミュニケーションも必要になることから、HMI技術の外装パーツへの応用も視野に入れています。
外装への展開では、塗装の代替としてフィルム技術を活用することにも取り組んでいます。塗装よりもCO₂削減と工程短縮が期待でき、自動車を取り巻く人や環境への貢献を進めていきます。

また、視認性や操作性に優れたフィルム技術を用いて、高齢者や障がいのある方も安心して利用できるユニバーサルデザインを提供するなど、移動の自由と創造的な体験を可能にするモビリティの未来を支えていきます。

DNPは、これからもモビリティ分野のニーズに深く向き合い、多様な技術で快適性、利便性、安全性を支え、「移動」の未来を切り開いていきます。

「P&I」というDNPの強みを生かし、多くのパートナーの皆さまとともに、今までにない新しい価値を創造します。

持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らしの実現に向けて、新しい価値を創出し続けていきます。