クラシエ株式会社様
ペルソナインサイトとの対話が、
思い込みを「納得感あるストーリー」に変える
「商品開発で仮説を一人で深める難しさ」「グループインタビュー前の問いづくり」などの困りごとは多くのマーケターの課題です。
ペルソナインサイトは、国の統計データや顧客企業独自のデータから仮想生活者を作成する技術により、生活者理解や仮説構築を支援するためにDNPが開発したマーケティングツールです。
クラシエ株式会社 ホームプロダクツカンパニーはペルソナインサイトを導入し、主にヘアケア商品の開発に活用しています。社内で「ペルソナさん」と呼ばれているペルソナインサイトは、どのように商品開発をサポートしているのでしょうか。
ヘアケアマーケティング部の山﨑様・竹藤様にペルソナインサイトの活用状況と、今後の展望をお聞きしました。
(本記事は2026年5月に取材させていただいた内容をもとに構成しています)
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ご依頼、ご相談は、「ペルソナインサイトのお問合わせ」からお気軽にお問合わせください。
導入企業様プロフィール
企業情報
| 企業名 | クラシエ株式会社 |
| URL | https://www.kracie.co.jp/ |
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この記事で分かること
・ペルソナインサイトの概要・機能
・商品開発における仮説構築への活用例
・思考整理やチーム内のディスカッションへの活かし方
・グループインタビュー前の「問い」の深め方
・マーケターの思考整理・仮説構築力向上への活かし方
導入前の様子と課題
Q.ペルソナインサイト導入前のワークフローを教えてください。
仮説と検証の繰り返し。腑に落ちるまで続く自問自答の旅
山崎氏
コンセプト開発では「どのようにすればお客様に手に取っていただける商品になるか」を中心に検討します。まずは担当者が個人でストーリー(仮説)を構築し、腑に落ちるまで上司やチームメンバーとディスカッションします。その後、調査を実施し、構築したストーリーと「生活者に響くコンセプト」が合致しているか確認します。
Q.当時、どのような課題を感じていましたか?
一人で仮説を深める孤独と、本音に迫りきれないもどかしさ
竹藤氏
私自身が男性ということもあり、女性の髪の悩みや価値観を自分ごととして捉えることに難しさを感じていました。
ヘアケア商品というと髪の悩み(=課題)を解決することにとらわれがちです。もちろん、それも大切なのですが、パッケージから受ける印象などお客様の感情面が購買に大きく影響することも事実です。
このような悩みを抱えながら、一人で商品のストーリーを考えるのは、本当に孤独な時間でした。
山﨑氏
竹藤とはやや視点が異なるかもしれませんが、孤独を感じていたのは私も同じです。上司と壁打ちするといっても、上司の時間が無限にあるわけではなく、一人で検討を進めなければならない場面も多くあります。すると、どうしても視野が狭くなりがちで、検討していると「私の思い込みが強くなりすぎているのでは?」と心配になることも多々ありました。
商品改良では、グループインタビューで「お客様が買わない理由」をお聞きすることもあります。しかし、いざ質問されると相手は回答に困ったり、表面的な回答しか得られないことがありました。よく考えると「買わない」ということは、そもそも興味を持ってもらえていないわけで、それ以上の理由を説明するのは難しいものです。ただ、私たちはそのレベルまで深掘りし、購買に至らない背景を明確にしなければなりません。
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ペルソナインサイトの活用状況とメリット
Q.ペルソナインサイトを導入して、どのように変わりましたか?
いつでも付き合ってくれる壁打ち相手。顧客理解の精度向上にも寄与
山﨑氏
アイデアがまとまらず悩んでいたときに上司から勧められたのがペルソナインサイトでした。「他者との壁打ちが足りていないのでは?」と感じていたようです。そこで、答えを求めるというよりは、思考を整理したりヒントを得たりするための“壁打ち相手”として導入してもらいました。相手は生成AIなので誰かの時間を使うことなく、腑に落ちるまで壁打ちできます。自分の中で「これだ」と思えるものを見つけやすくなり、従来より仕事の質が高まったと感じています。
また、一部の商品ではグループインタビューを行わない場合もあります。その際、ペルソナインサイトにヒアリングすることにより、アイデアの精度と自信を高めることに貢献してくれています。
竹藤氏
ペルソナインサイトは生成AIを活用したツールですが、「日本の生活者を100人に凝縮した」共通ペルソナが、国の統計データなどに基づいて構築された人物像として回答してくれる点が特長だと伺っていました。また、当社の顧客データをもとにDNPさんに構築していただいたカスタムペルソナについても、当社商品のユーザー像を反映した意見や示唆を深掘りできると聞いていましたが、実際に利用してみると、その説明どおり多くの気づきを得ることができました。
私がかつて苦労していた顧客理解においても、ペルソナインサイトは強い味方になってくれます。ペルソナインサイトからヒントを得ながら対話を重ねるうちに、次第に顧客の気持ちを想像できるようになりました。
Q.ペルソナインサイトをどのように活用していますか?
ストーリー構築やアイデアのブラッシュアップに活用。明確な言語化が回答のカギ
山﨑氏
ペルソナインサイトを主に活用しているのはグループインタビューの準備(検証)です。特に得たいのが相手の感情面の情報で、どのような質問をすれば有効な回答を得られるか逆算して検討しています。ペルソナインサイトなら事前に消費者の回答を予測できるだけでなく、質問の切り口や訴求の仕方を変えて複数の質問を試すこともできます。
他の活用方法として、あえてターゲット層以外の意見を聞いてみることもあります。グループインタビューは一定のコストや時間がかかるため、基本的には対象商品のターゲット層にしかお声がけしません。しかし、新商品や新コンセプトの商品を開発する場合には、既存のターゲット層からどの程度対象を広げられるか把握しなければなりません。共通ペルソナは年齢層で絞ることができるため、あえてターゲット層を外して需要がどの程度ありそうか感触をつかむためのツールとしても活用しています。
竹藤氏
ペルソナインサイトと対話を重ねながら事前に仮説をしっかり構築したうえでグループインタビューに臨めるようになり、以前よりも深い回答を引き出せるようになりました。特に、感情面まで踏み込んだ仮説を考えられるようになったのは、ペルソナインサイトの存在が大きいですね。
人は自らの行動の理由を必ずしも言語化できるわけではありません。「なんとなく」というような回答でも、その奥には明確な理由があったりします。このようなデリケートな質問を、気になったときに何度でもペルソナインサイトにできるため、ストーリーを作る際に役立っています。
山﨑氏
人には聞きづらいような踏み込んだ内容でも、気兼ねなく検証できる点を重宝しています。核心に近づくためには、普段なら相手に直接は聞きづらいような問いに向き合う必要がありますが、ペルソナインサイトとの対話であれば、そうした内容も率直に掘り下げることができます。ためらいなく質問できることで、思い込みに留まらず、納得感のあるストーリーへ深めやすいと感じています。
私たちはペルソナインサイトのことを「ペルソナさん」と呼んでいますが、報告などで「ペルソナさんは◯◯◯と言っていました」と共有することも増えました。ペルソナインサイトは人ではありませんが、インタビュー対象者に近い存在として、「有効な回答をしてくれる相手」の一人として認識されています。
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Q.ペルソナインサイトの回答と、人へのインタビューの回答をどのように分けて捉えていますか?
グループインタビューを「確認の場」に近づける解像度
山﨑氏
ペルソナインサイトの回答はストーリー構築のヒントとして活用し、そのストーリーのもっともらしさをグループインタビューで確認するというように区別しています。特に商品コンセプトなどロジカルかつ言語表現が大部分を占める領域では、ペルソナインサイトの回答の精度が高く、ストーリーの質も自然と高くなります。以前はグループインタビューの場でヒントになる回答を集めていましたが、現在はペルソナインサイトと組み立てた仮説やストーリーを確かめる場へと近づいています。
竹藤氏
コンセプト検討では大いに活躍しているペルソナインサイトですが、デザイン検討では課題が残ります。コンセプトのように言語化しやすい領域ではストーリーの精度向上に役立っていますが、デザインになると、実際のグループインタビューでは回答者ごとの感性の違いもあり、想定通りにならない場面もあります。
ペルソナインサイトの位置づけとマーケターとしての成長
Q.ペルソナインサイトは、業務遂行だけでなくマーケターとしての成長にもつながっていると感じていますか?
壁打ちで自分と向き合い、気づけば高まっていたスキル
竹藤氏
グループインタビューのストーリー構築や顧客理解において、以前よりスキルが高まっていると感じています。そういう意味ではペルソナインサイトはマーケティングや商品開発という業務そのもののサポート役としてはもちろん、マーケターのスキルアップという意味でも活用できると感じています。
山﨑氏
もちろん、何も考えずにただペルソナインサイトを使えばよいわけではありません。まずは自らストーリーを構築し、ペルソナインサイトからフィードバックをもらい、腑に落ちるまで壁打ちを繰り返す。この行為の繰り返しが、マーケターとしてのスキルアップにつながると考えます。ペルソナインサイトは、どんなときでも嫌な顔をすることなく付き合ってくれます。
【導入効果まとめ】
・一人で仮説を考える孤独感の軽減
・グループインタビュー前の「問いづくり」の高度化
・感情面まで踏み込んだストーリー構築
・マーケター自身の顧客理解・仮説構築力の向上
・想定ターゲット外からの反応確認
今後への期待
Q.今後、ペルソナインサイトに期待することは何ですか?
一括質問機能や共感の強さを測る機能に期待
竹藤氏
現状、ペルソナインサイトでは一人のペルソナに対して質問する形式になっています。一括で多くのペルソナに質問できるとありがたいですね。また、あるペルソナと壁打ちした内容が、どの程度多くの人に共感されるのか把握できる機能もほしいですね。私たちはできるだけ多くのお客様にお届けする商品を扱っているため、深く掘り下げつつ、広く訴求できる必要があります。
今後はビジュアルの生成(回答)も期待しています。これはデザイン検討に関連する内容ですが、例えば言葉で「黒」と言われても、濃淡などさまざまなバリエーションがあります。現状は言葉での回答であるため、ビジュアル化するには人の手が必要です。一般的な生成AIを活用することもありますが、私たちが期待する精度は実現できていません。
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Q.お二人にとって、ペルソナインサイトはどのような存在ですか?
頼りにされるようになったペルソナ。人間の良きビジネスパートナーに
山﨑氏
ペルソナさんは思考を深めるためのパートナーであり、腑に落ちるまで壁打ちに付き合ってくれる相棒です。特にカスタムペルソナは私たちの商品を理解しているため、「分かってくれている」という安心感につながっています。
竹藤氏
マーケティングは、はじめは広く徐々に絞っていきますが、“広く”の段階で特に頼りになります。また、孤独を感じさせない点も心強いです。一般的な生成AIは単一の人格・視点ですが、共通ペルソナなら100人のモデルが存在します。まるで、100人の心強い味方が心の支えになっている部分もあります。今後も、良きパートナーとして一緒に仕事をしていきたいですね。
―クラシエ株式会社ヘアケアマーケティング部の山﨑様・竹藤様、貴重なお話をありがとうございました。
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