【セミナーレポート】DNP P&Iセミナー 
「食卓と生活者のホンネ」から、これからの食卓を可視化する
〜食MAP®×ペルソナインサイトによる商品開発支援〜

2025年10月22日、大日本印刷株式会社(DNP)は、「食卓と生活者のホンネ」をテーマに、独自のマーケティングソリューションである「食MAP」と「ペルソナインサイト」を活用した商品開発支援セミナーを開催しました。
本セミナーでは、長年蓄積された食卓データと最先端のAI技術を組み合わせ、生活者の変化を読み解き、商品開発の精度とスピードを高めるための具体的な手法を事例とともに紹介しました。
※本ページの内容はセミナー開催時点の情報です。

◆セミナー概要

DNP P&Iセミナー
「食卓と生活者のホンネ」から、これからの食卓を可視化する
〜食MAP×ペルソナインサイトによる商品開発支援〜
開催日時:2025年10月22日(水) 15:00~17:00
開催場所:DNP市谷加賀町第3ビルB1 加賀町ホール


DNP P&Iセミナーの登壇風景—スクリーンにタイトルスライド、参加者を前に講演する様子

プロローグ:商品開発を取り巻く環境変化

少子高齢化・人口減少・ライフスタイルの多様化などにより、国内市場は成熟期を迎えています。こうした中で、生活者の“ホンネ”を的確にとらえた商品開発の重要性が高まっています。

株式会社ライフスケープマーケティング 代表取締役社長 上田健司は、「SNSなどによる情報爆発の時代において、個人の感性や経験に頼った商品開発は限界を迎えている」と指摘。その上で、データとAIを活用した新しい開発アプローチの必要性を強調しました。

DNPグループでは、生活者理解を多面的に可視化する「食MAP」と、AIによる仮想生活者との対話を通じてアイデアを磨く「ペルソナインサイト」の2つのアセットを活用し、商品開発の新たな可能性を提示しました。

セミナー会場全景—前方の大型スクリーンと多数の参加者が講演を聴講する様子

1. 食MAP分析から見える「これからの食卓」

登壇者:株式会社ライフスケープマーケティング カスタマーサクセス部 部長 浅見洋輔
浅見は、27年間にわたり食卓を継続観察してきた「食MAP」のデータから、食卓の変化と今後の兆しを解説しました。

第一部の講演風景—登壇者が食MAPのデータを説明するプレゼンテーション画面と講演の様子

■ 食卓の20年間の変化

・内食傾向の定着とバラバラ化
コロナ禍を経て夕食の内食率は74%と高水準を維持。一方で「家族で同時に食事を取らない」バラバラ食卓が定着。
・調理の手間抜き化
手作り料理の比率は減少。基礎調味料による味付けは2000年比で13ポイント低下し、めんつゆ・ポン酢などの汎用調味料が増加。
・「ポスト調味料」としてのチーズの台頭
チーズは料理の“濃い足し”として使用が増加し、調味料的な存在へ。
・メニューの通年化(シーズンレス化)
季節要因による献立の変動が減少。年間を通じて同様のメニューが定着する傾向。

■ 今後10年の食卓予測

食MAPの長年の蓄積データをもとにコホート分析(時代効果、年齢効果、世代効果の3軸で変化を分析する手法)を用いた10年後の予測を紹介しました。

・手作り離れと汎用調味料の浸透
・チーズ調理利用の拡大(10年で約120%増加予測)
・「ロカボ」から「腸活」へ、健康意識の二極化

講演資料抜粋


食MAPの長期トレンドを示す折れ線グラフ(内食率・手作り・味付け・メニュー定着の推移)

コホート分析による将来の家族構成変化の予測イラスト

コホート分析の説明スライド(時代効果・年齢効果・世代効果)

2. ペルソナインサイトによるアイデア創出とブラッシュアップ

登壇者:大日本印刷株式会社 Lifeデザイン事業部 峯岸源太郎

峯岸は、「商品開発において重要なのは“アイデア出し”よりも“ブラッシュアップの質とスピード”」と強調。AIペルソナと自由に対話できるツール「ペルソナインサイト」を紹介しました。

第二部の講演風景—AIペルソナ対話ツール『ペルソナインサイト』の説明と会場の様子

■ ペルソナインサイトの特長

・AIペルソナとの自然な対話で生活者の本音を可視化
・統計データを学習した共通ペルソナと、ターゲット別カスタムペルソナを提供
・定性調査の工数を約90%削減し、迅速なアイデア検証を可能に

■ 食MAPとの連携事例

食MAPで得たファクト(例:汎用調味料の利用増加)をもとに仮説を立案し、AIペルソナにアイデアを投げかけることで、短時間で多角的なフィードバックを獲得。このプロセスを高速に回すことで、ヒットの可能性を高めることができます。

講演資料抜粋


『ペルソナインサイトとは?』—AIで生活者の本音を可視化するマーケティングツールの概要

AIペルソナによるフィードバック事例をまとめたスライド(複数コメントと画面イメージ)

おわりに:食MAP×ペルソナインサイトによる商品開発支援サービス

登壇者:大日本印刷株式会社 Lifeデザイン事業部 林友件

林は、DNPグループが提供する商品開発支援サービスの全体像を紹介しました。

■ 主な提供サービス

・食MAP分析
市場機会の発見を支援(2026年1月「食卓25年トレンドと2035年食卓予測」リリース予定)

・AI共創プログラム
AIを活用したワークショップで効率的なコンセプト創出を支援

・言葉と記憶のデザインワークショップ
コンセプトを印象に残るデザインに落とし込む支援

・ヒューマンリサーチ
アイトラッカー・表情分析による無意識データの可視化

・ペルソナインサイト
開発初期段階からコンセプト検証・ブラッシュアップまで幅広く活用可能

DNPは、これらのサービスを組み合わせ、生活者理解にもとづく戦略的な商品開発支援を提供しています。

DNPグループの『商品開発支援』の構成図(調査→コンセプト創出→検証の3段階)

今後の食卓を見据えた、生活者中心の商品開発へ

生活者の価値観や食卓の変化をデータで可視化し、AIによって“言葉にならない本音”を掘り下げる。DNPは、「食MAP」と「ペルソナインサイト」を通じて、企業の商品開発をより精緻かつスピーディーに支援します。

  • 食MAPは株式会社ライフスケープマーケティングの登録商標です。

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