VD-3で高速道路の安全と業務効率を両立!
迅速・正確なアルコールチェック実施ガイド
高速道路の安全確保は、社会インフラを支える企業にとって最重要課題のひとつです。2023年12月1日より、白ナンバー事業者に対してアルコールチェックが義務化され、コンプライアンス遵守と安全管理体制の構築は新たな「あたりまえ」となりました。本記事では、高速道路を管理・運営する企業に対して法規制への対応、不正防止策、効率的な運用方法、信頼性の高い検知器の選び方まで、安全運転管理体制強化に役立つ情報を提供いたします。
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目次
なぜ今、高速道路事業でアルコールチェックが重要なのか?
・高速道路事業者に求められる安全基準
・2023年12月施行!アルコールチェック義務化の概要
・知らなかったでは済まされない!酒気帯び運転の罰則と基準
アルコールチェックの正しい実施方法
・運転前後の計2回!チェックのタイミングと方法
・記録、保存が必須な8項目
業務効率と安全性を両立させる体制構築のポイント
・ポイント1:チェックの形骸化や不正を防止する工夫
・ポイント2:チェック時間を短縮し、業務への影響を最小化する工夫
・誤検知を防ぐ!信頼性の高いアルコール検知器の選定基準
・アルコールチェックの厳格化と効率化の両立は、DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)がおすすめ!
現場の疑問を解決!アルコールチェックQ&A
まとめ:アルコールチェックを企業の信頼性向上につなげる
なぜ今、高速道路事業でアルコールチェックが重要なのか?
高速道路事業者に求められる安全基準
高速道路を管理する企業は、日本の経済活動を支える重要な社会インフラを担う存在※として、一般的な企業以上に重い社会的責任を負っています。従業員一人ひとりの行動は、会社の信頼性やブランドイメージに直結し、特に安全運転に反する行為や事故は、その信頼を一瞬にして失墜させるリスクをはらんでいます。たとえ1件の飲酒運転事故であっても深刻なダメージに繋がります。
実際、過去には高速道路事業の社員が勤務時間中に飲酒運転を起こし、物損事故を起こしたという事例があります。このような不祥事は、高速道路の安全を預かる企業としての責任を全うできていないと社会から見なされ、結果として会社の信用を大きく損なうことになります。信用回復には多大な時間とコストを要し、事業運営にも深刻な影響を及ぼす可能性も否定できません。
アルコールチェックの徹底は、単に法令を遵守する義務だけでなく、社会インフラを担う企業として、利用者や社会からの信頼を維持し、ブランド価値を守るための重要なリスクマネジメント施策と言えます。従業員の安全運転意識を高め、飲酒運転を絶対に許さないという企業文化を醸成することが、企業の持続的な発展には不可欠です。
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2023年12月施行!アルコールチェック義務化の概要
改正道路交通法施行規則により、いわゆる「白ナンバー車両」を業務で使用する事業者にも、アルコール検知器を用いたチェックが義務化されました。対象は、安全運転管理者の選任義務がある事業所で、運転前後のチェックと記録保存が求められます。
この義務化の背景には、2021年6月に千葉県八街市で発生した白ナンバートラックによる飲酒運転事故があり、痛ましい事故を二度と起こさないという社会的な要請が強く働いています。
義務の内容は、運転前後、運転者の酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認することに加え、その結果を記録し1年間保存することです。これは、単に検知器を導入するだけでなく、日々の運用プロセスを確立し、確実に実施していくことが求められることを意味します。
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知らなかったでは済まされない!酒気帯び運転の罰則と基準
飲酒運転は、運転者本人だけでなく、車両を提供した企業や安全運転管理者にも厳しい罰則が科される重大な違反です。
- 酒気帯び運転と判断される基準は、呼気中アルコール濃度が0.15mg/リットル以上、または血液1mlあたり0.3mg以上のアルコールが検出された場合です
- この基準を超えて運転した場合、運転者本人には「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科され、免許停止や取り消しといった行政処分も伴います
- さらに悪質な「酒酔い運転」の場合には、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」と、より重い罰則が適用されます。
これらの罰則は、個人の生活やキャリアに深刻な影響を与えるものです。
加えて、企業側や安全運転管理者も無関係ではいられません。運転者が酒気帯び運転を行った場合、車両を提供した企業の代表者や、適切な管理を怠った安全運転管理者に対しても「使用者責任」が問われ、罰則が科される可能性があります。これは、単なる個人の問題ではなく、組織全体のコンプライアンス体制が問われることを意味しており、企業経営に深刻なダメージを与える可能性があることを認識しておく必要があります。
アルコールチェックの正しい実施方法
運転前後の計2回!チェックのタイミングと方法
アルコールチェックの実施において、最も基本的な原則となるのが「運転前と運転後」の計2回というタイミングです。これは、飲酒運転を確実に防止するために、運転業務の開始時と終了時にアルコールの影響がないことを確認するための重要なルールです。運転前には業務を開始する直前に、運転後には業務を終了し車両を降りた際に実施することが求められます。よくあるのが、「運転後」のチェックをうっかり忘れてしまうケースです。乗車中に飲酒しなかったことのエビデンスとして、運転後にチェックすることが重要です。
チェックの方法としては、原則として安全運転管理者が運転者と「対面」で行うことが義務付けられています。対面でのチェックでは、単にアルコール検知器の数値を確認するだけでなく、管理者が運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などを目視や対話を通じて総合的に判断し、酒気帯びの有無を確認します。この総合的な判断こそが、アルコール検知器だけではとらえきれない微妙な変化を察知し、飲酒運転を未然に防ぐ上で極めて重要になります。
記録、保存が必須な8項目
アルコールチェックを実施した後は、その結果を記録し、1年間保存することが義務付けられています。この記録は、万が一の事態が発生した際に、企業が適切な安全管理を行っていたことを証明する重要な証拠となります。記録すべき項目は、以下の8つが定められています。
- 1.確認者名:アルコールチェックを実施した安全運転管理者等の氏名
- 2.運転者名:チェックを受けた運転者の氏名
- 3.運転者の業務に係る自動車登録番号:運転者が使用した車両のナンバープレート情報
- 4.確認の日時:チェックを実施した年月日と時間
- 5.確認の方法:対面、カメラ・モニター等を用いた対面、携帯電話等を用いた対面などの具体的な方法
- 6.酒気帯びの有無:アルコール検知器による測定結果と、安全運転管理者等の目視による確認結果
- 7.指示事項:酒気帯びが認められた場合や、体調不良が確認された場合に管理者から運転者へ伝えた指示内容
- 8.その他必要な事項:上記項目以外で特筆すべき点(例:検知器の不具合、測定拒否など)
これらの項目を漏れなく正確に記録することが求められます。記録簿は紙媒体でも構いませんが、近年ではクラウド型のシステムを利用することで、記録の効率化や検索性の向上が図られています。この記録は、企業のコンプライアンス遵守を示すだけでなく、安全運転管理体制の改善に役立つ貴重なデータともなり得ます。
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業務効率と安全性を両立させる体制構築のポイント
このセクションでは、業務効率と安全性を高いレベルで両立させるための具体的な解決策を掘り下げていきます。単なる法遵守にとどまらず、従業員の皆さんが安心して業務に取り組めるような環境づくりのヒントを提供しますので、ぜひ日々の運用にお役立てください。
ポイント1:チェックの形骸化や不正を防止する工夫
アルコールチェックは、義務化されたからといって漫然と実施しているだけでは、残念ながら形骸化し、不正の温床となるリスクを孕んでいます。「どうせ見られないだろう」という意識から、チェックを実施しない、もしくは記録の改ざんといった行為に繋がりかねません。このような不正を防ぎ、チェックの実効性を高めるためには、仕組みと意識の両面からの対策が不可欠です。
技術的な対策として、アルコールチェックの結果と車両の鍵の管理システム、あるいは免許証リーダーを連動させることが推奨されます。例えば、アルコールチェックで問題がなければ車両の鍵が入手でき、問題があれば施錠されたままになる、といった連携により、物理的に飲酒運転を不可能にする仕組みを構築できます。
しかし、ツールだけに頼るのではなく、従業員一人ひとりの安全意識を高めるための組織的な取り組みも同様に重要です。定期的な研修を通じて、飲酒運転の危険性や飲酒運転による社会的・個人的な影響を繰り返し伝え、安全運転が企業の信頼を築く上でいかに重要かを理解してもらうことが求められます。組織全体の安全文化が醸成されることで、形骸化や不正が起こりにくい職場環境へと繋がります。
ポイント2:チェック時間を短縮し、業務への影響を最小化する工夫
アルコールチェックの義務化において、多くの企業が懸念するのが「業務効率の低下」です。特に、始業前の忙しい時間帯にアルコールチェックを行うことで、ドライバーの出発が遅れたり、管理者の負担が増えたりするケースが想定されます。しかし、工夫次第で安全性と業務効率を両立させることは十分に可能です。
1.導入するアルコール検知器の性能に着目
高性能な検知器の中には、測定時間が非常に短い(わずか数秒で結果が出る)ものも存在します。こうした機器を選ぶことで、ドライバー一人あたりの測定時間を大幅に短縮し、全体の待ち時間を削減できます。また、測定結果がデジタルで自動記録されるタイプの検知器であれば、手書きによる記録の手間を省き、管理者の業務負担も軽減できるでしょう。
2.アルコールチェックを日々の業務フローの中にいかにスムーズに組み込むかを検討
例えば、朝礼や点呼の際に同時にチェックを行うことで、新たな工程を追加するのではなく、既存のルーティンの中で完結させられます。さらに、手書きの記録簿ではなく、クラウド型のアルコールチェック管理システムを導入することも効果的です。これにより、測定データが自動で記録・保存されるだけでなく、遠隔地からのチェック結果も一元的に管理できるため、記録・報告の手間を大幅に削減し、管理者の負担を最小限に抑えられます。
これらの工夫を組み合わせることで、アルコールチェックを安全確保のための必要なプロセスとして定着させつつ、ドライバーや管理者の負担を軽減し、業務への影響を最小限に抑えることが可能となります。
誤検知を防ぐ!信頼性の高いアルコール検知器の選定基準
アルコール検知器による「誤検知」は、ドライバーの業務に支障をきたし、不必要なトラブルを引き起こす可能性があります。「朝食後の歯磨きやマウスウォッシュ、または特定の食品の摂取後にアルコールが検出された」といった事例は少なくありません。このような誤検出を防ぎ、常に正確な測定結果を得るためには、信頼性の高いアルコール検知器を選定することが極めて重要です。
アルコール検知器には主に2つのセンサータイプがあります。一つは「電気化学式(燃料電池式)センサー」で、これはアルコールのみに特異的に反応するため、食事やマウスウォッシュなどに含まれるアルコール以外の成分には反応しにくいという特徴があります。もう一つは「半導体ガスセンサー」で、こちらは安価で普及していますが、アルコール以外のガスにも反応する可能性があるため、誤検出のリスクが比較的高くなります。業務での使用を前提とするならば、より信頼性の高い電気化学式センサーを搭載した検知器を選ぶのが賢明です。
検知器の選定においては、機器の性能だけでなく、定期的なメンテナンスや校正サービスが提供されているかも確認すべき重要なポイントです。検知器は精密機器であり、使用頻度や経年劣化によって測定精度が低下する可能性があります。メーカーや販売店が提供する定期的な校正サービスを利用することで、常に正確な測定精度を保てます。また、アルコール検知器協議会(J-BAC)など、業界団体の認定を受けている製品を選ぶことも、信頼性の目安となります。初期投資は必要となりますが、信頼性の高い機器を選ぶことは、誤検知による業務への支障や、万が一の事故発生時のリスクを回避するための重要な投資であると考えるべきでしょう。
アルコールチェックの厳格化と効率化の両立は、DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)がおすすめ!
不正防止、業務効率、誤検知対策を同時に実現する手段として、DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)(以下、VD-3)の導入を検討する企業が増えています。
VD-3とは、運転者がアルコール/免許証チェックをしないと車両の鍵を取り出せない仕組みを構築できる、アルコールチェックシステムです。チェック漏れを防止し、厳格なチェックを徹底します。
- チェックの形骸化や不正対策
紙ベースの運用では、記録漏れや虚偽報告のリスクがありますが、VD-3は検知結果と鍵の管理を連動させることで、チェック漏れや不正を防止します。検知結果が基準値を下回らない限り、車両の鍵を収納した鍵ボックスが物理的にロックされるため、ヒューマンエラーや意図的なすり抜けを根本的に排除できます。 - チェック時間を短縮して効率化
検知から記録までを一元管理することで、チェック時間を大幅に短縮。業務開始前のストレスを軽減します。 - 精度の高いアルコール検知器
誤検知は業務に支障をきたすため、信頼性の高い検知器の選定が重要です。VD-3と連携可能なアルコール検知器は、すべて精度の高い電気化学式/燃料電池式です。
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現場の疑問を解決!アルコールチェックQ&A
アルコールチェックの義務化は進んでいますが、現場では多くの疑問や不安が生じがちです。このセクションでは、日々の業務におけるアルコールチェック運用時のトラブルシューティングや判断のヒントを提供します。
- アルコールが検出されたらどうすればいい?
- 0.15mg/L以上のアルコールが検出された場合、その運転者は酒気帯び運転となり、運転させることは法令違反となります。
検知器で基準値以上のアルコールが検出された場合、まず運転者に対して即時に運転の中止を命じることが最優先です。安全運転管理者は、運転者の顔色や言動なども確認し、検知結果と合わせて総合的に判断します。その後、代替の運転者の手配や運行計画の変更を行い、業務への影響を最小限に抑えます。体調に異変がある場合は、医療機関の受診を促すなどの配慮も必要です。対応内容は詳細に記録し、上長への報告を忘れずに。この一連の流れを社内で共有しておくことで、緊急時の混乱を防げます。
- 「少ししか飲んでいない」は本当に危険?
- 非常に危険です。アルコールの分解速度には個人差があり、「少量だから」「時間が経ったから」という自己判断は事故の原因になります。特に、睡眠をとってもアルコールが体内に残っている「翌日酒気帯び運転」は、本人が自覚していないケースが多く、非常に危険です。前日の深酒が翌朝の業務に影響を及ぼし、アルコールチェックで検出される事例も少なくありません。飲酒の予定がある場合は、翌日の運転業務を避けるか、公共交通機関の利用を検討しましょう。安全な社会の実現には、一人ひとりの責任ある行動が不可欠です。
(例)
アルコールの体内での分解速度は、体重、体質、体調、性別などによって個人差が大きく、一概には言えません。例えば、体重約60kgの人がビール500ml(アルコール量約20g)を摂取した場合、体内でアルコールが完全に分解されるまでには平均で約4時間かかるとされています。しかしこれはあくまで目安であり、体調が悪い時や疲れが溜まっている時は、さらに時間がかかることも珍しくありません。
- 検知器が故障した場合はどう対応する?
- 異常な数値やエラー表示が出た場合は、まず落ち着いて再測定を試みましょう。それでも改善しない場合は、予備の検知器を使用するのが確実です。予備機も使えない場合は、記録簿に詳細を記載し、安全運転管理者へ報告して指示を仰ぎます。必要に応じて運行を中止するか、他の運転者に交代させる対応が求められます。このような事態に備え、日頃から検知器の定期的な動作確認を行うとともに、メーカーが推奨するメンテナンスや校正を怠らないことが重要です。適切な事前準備と緊急時の対応フローを確立しておくことで、業務への影響を最小限に抑え、法令遵守と安全管理を両立させることができます。
まとめ:アルコールチェックを企業の信頼性向上につなげる
2023年12月1日から義務化されたアルコールチェックは、多くの事業者様にとって新たな業務負担、あるいはコスト増ととらえられがちです。しかし、このアルコールチェック義務化への対応は、単なる法令遵守の範囲にとどまるものではなく、企業の信頼性を高め、持続的な成長を実現するための重要な投資と考えることができます。
高速道路を管理する企業として、飲酒運転は一歩間違えれば重大事故に繋がり、社会インフラの信頼を大きく揺るがしかねない問題です。厳格なアルコールチェック体制を構築することは、従業員の安全を守ることはもちろん、飲酒運転というリスクを未然に防ぎ、社会からの信頼を獲得するための不可欠な要素です。
この記事でご紹介したように、アルコールチェックは多角的に検討することで、業務効率と安全性の両立が可能です。企業の信頼性と安全文化をさらに強固なものとしていくことで、社会に貢献し、未来へ向けて成長を続ける力強い企業としての展望を築いていきましょう。
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法改正の概要や、アルコールチェック厳格化可能なシステムについてご説明した提案書です。