株式会社トムス・エンタテインメント様

鍵ボックスとの連携でアルコールチェックの漏れを防止し厳格化と効率化を実現!

DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)(以下、VD-3)と重要物管理機IB-3000(以下、鍵ボックス)の導入でアルコールチェックの厳格化と効率化を両立している、株式会社トムス・エンタテインメント(以下、TMS) コーポレート本部 総務部 宮寺様・野村様に、その運用方法と導入効果についてお話をうかがいました。
(2023年3月8日取材)

VD-3で厳格なアルコールチェックと効率化を実現

VD-3は、運転免許証(以下、免許証)の確認やアルコールチェックの実施から記録をサポートし、安全運転管理者およびその代理人(以下、管理者)様の負担を軽減する製品です。VD-3とオプションの鍵ボックスの組み合わせにより、車両の鍵の管理やチェックの実施漏れ対策まで行えます。

今回、TMS様は、法改正対応とチェックの厳格化に悩む中、VD-3と鍵ボックスを導入いただいたことで、アルコールチェックを厳格化するだけでなく、管理者と運転者ともに効率化する仕組みを構築することができました。

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TMS様の設置イメージ

TMS様の運用体制

今回取材を行ったTMS様は、アニメーション作品の企画・制作・販売・配給および輸出入を事業とする企業で、『ルパン三世』『それいけ!アンパンマン』『名探偵コナン』に代表される国民的アニメ作品の継続的な制作と、累計470作品・エピソード数13,000話を超えるライブラリーをグローバル・ビジネス※1へとつなげています。

※1 引用:株式会社トムス・エンタテインメント-事業内容

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TMS様の社有車は、主に制作本部がアニメーションの原画等の受け渡しに行く際に利用します。現在も紙の原画が多く、アニメーターのもとへ直接受け渡しに行く必要があるため、昼夜を問わず1日を通して運転が必要です。

同社はコーポレート本部 総務部に管理者を設け、運転管理業務(道路交通法施行規則 第9条の10にあたる業務)を行っていました。アルコールチェックが義務化されたことによって、深夜帯など管理者が勤務時間外となってしまう場合の確認方法が運用課題となりました。そこで制作本部の方が代理となり、第三者による目視での確認を行う運用へ変更しました。

対面が難しい場合の警察庁の見解

運転者の酒気帯びの有無を確認する方法は対面実施が原則ですが、直行直帰の場合をはじめ、対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよいとしています。例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上での、下記のような方策を警察用は見解として出しています。

① カメラ、モニター等によって、管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等と共に、アルコール検知器による測定結果を確認する方法 ※2
② 電話等によって、管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法 ※2

※2 引用:「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等に対する御意見及びこれに対する警察庁の考え方について(PDFを開く)

会社独自の制度「トムス免許」

DNP 大槻
「トムス免許」についてお聞かせください。

TMS 宮寺様
安全運転を徹底することで社員を守るのはもちろんのこと、作品の信用を守ることにつながるため、会社独自の「トムス免許」という制度を設けています。
「トムス免許」とは、社内で定められた講習や実習を経て安全運転に問題がないと判断された一部の社員にのみ許可が出される仕組みです。自動車教習所の職員を講師とした講習を開き、実際によく使用する道路での実習・指導を受けます。業務でも初めのうちは先輩社員に同乗してもらい、テストに合格することで、単独での運転業務ができるという制度です。

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トムス免許のイメージ

法改正へ対応するため、システム導入を検討

法定講習会で「アルコールチェック義務化」を知る

TMS 野村様
アルコールチェック義務化については、年に1回の安全運転管理者法定講習で知りました。業務に必要な車両が少ないようであれば、思い切って社有車を保有しないことも検討しましたが、車両がないと仕事がまわらない状況も多いので、きちんと法改正に対応し、法令遵守する方向へシフトしました。もともと社有車使用時の確認は行っていたのですが、アルコールチェックの実施と数値の記録を乗車の前後に行わなければならないということで、管理者と運転者の負担を減らすために、システムを探し始めました。

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TMS コーポレート本部 総務部 野村様

VD-3を導入しないと社員への徹底/運用に悩むことに

DNP 大槻
​​​​昨年より施行された法改正に対応するべく、アルコール検知器を導入される企業が多いものの、アルコール検知器を用意するだけでは管理という面で不十分な部分があります。今までほとんどの白ナンバー企業で実施されていなかったため、アルコール検知器を設置してもチェックを忘れてしまう社員がいたり、数値をきちんと確認して記録に残すという作業が負担になってしまい、結果的にチェック・記録が形骸化してしまうことが懸念されます。
そのため、管理する車両台数や社員数が多い場合は点呼業務をサポートするシステムの導入を検討される企業が増えています。

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DNP 大槻

チェック漏れと社員の負担増加がいちばんの心配事

DNP 大槻
TMS様はコンプライアンス意識が高い企業であることが感じられます。システム選びはどのような観点で検討を進められましたか?

TMS 宮寺様
チェックの手抜きは考えられない、けれど運転者の負担を増やしたくないという葛藤があり、システム選びに苦労しました。チェックをする立場のコーポレート本部とチェックをされる制作本部の両人の業務負担が大きくなってしまうと、意図せずともチェック漏れが発生してしまったり、記録の作成に時間がかかってしまったり、チェック自体に抵抗感を持ってしまい最終的にチェックを実施しなくなってしまうという形骸化の恐れがありました。
導入するシステムはチェック漏れが発生しない、けれども管理者と運転者の両者の負担にならないという、「チェックの厳格化と効率化の両立」の観点で探しました。

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TMS コーポレート本部 総務部 宮寺様

深夜帯のアルコールチェックに対する不安

DNP 大槻
展開されている事業上、不規則な乗車パターンに対応する必要があると思いますが、具体的な懸念点と運用方法を教えてください。

TMS 野村様
日中はコーポレート本部の担当者が在席しているため対面もしくはオンライン通話で相互確認しながらアルコールチェックを実施できますが、深夜帯の場合は勤務時間外で不在のため、制作本部内で相互確認する必要があります。その場合、管理者がいないからといって確認をせずに乗車してしまったり、記録の不備が発生するというリスクが高いです。一日を通して乗車する機会が多いTMSでは、どの時間帯・誰が対応してもチェック漏れが発生しない仕組みが必要でした。

道路交通法施行規則による、記録が必要な項目 ※3

①確認者名/②運転者名/③運転者の業務に係る自動車登録番号又は識別できる記号、番号等/④確認の日時/⑤確認の方法/⑥アルコール検知器の使用の有無※4/⑦酒気帯びの有無/⑧指示事項/⑨その他必要な事項

※3 引用:道路交通法施行規則等の一部を改正する内閣府令(内閣府)(PDFを開く)

※4 引用:道路交通法施行規則の一部改正(警察庁)(PDFを開く)

VD-3導入の決め手は「チェックが完了しないと車両の鍵を取り出せない仕組み」

DNP 大槻
VD-3と鍵ボックスご導入の、決め手を教えてください。

TMS 宮寺様
VD-3と鍵ボックスの組み合わせは、免許証をかざす・アルコール検知器に息を吹き込む・質問項目に回答するというシンプルな流れで一連の確認を行うことができ、すべてのチェックを実施かつ結果に問題ない人のみ、鍵の取り出しができます。
これにより、一連のフローで免許証やアルコールチェックを行うことができ、さらにチェック漏れ・チェックに問題があった人は鍵を取り出せない(=乗車できない仕組み)な点が魅力的で導入を決めました。

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VD-3の運用フロー

VD-3を導入したことで構築できた、厳格なアルコールチェックフローと仕組み

TMS 宮寺様
コーポレート本部の担当者がいる時間帯は対面での確認をし、担当者がテレワークなど不在の場合はオンライン通話で相互確認しながらアルコールチェックを実施しています。不安が多い深夜帯は、対面確認は制作本部内で実施しますが、システムによって一連のチェックが行えるため、チェックに慣れていない人でも標準化されたチェック内容を実施できます。さらに、チェックを行わないと鍵の取り出しも行えないため、自然とチェック自体を習慣化することができます。会社に戻ってきて鍵を返す際も、VD-3による確認を行う必要があるため、忘れがちな帰社時のアルコールチェックも徹底することができます。

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TMS 宮寺様
VD-3と鍵ボックスの導入と、日中は①安全運転管理者の立ち合い、もしくは②リモート対応、そして深夜帯は③制作本部メンバーで確認という社内ルールの構築によって、1日を通してどのタイミングでチェックを行っても安心な仕組みが構築できました。

管理者と運転者の両者にとって負担がない

TMS 宮寺様
VD-3の導入と、チェック体制の構築により、チェック時に社員とのコミュニケーションに注力できるようになりました。
厳格なチェックを徹底するなか、社員にプレッシャーを与えるような雰囲気で実施したくないという思いがあり、数値的な確認/コミュニケーションをシステム/人で分担することで、メリハリのあるチェックを実施しています。

「トムス免許」の制度との組み合わせで、さらに厳格な安全運転への仕組みづくり

TMS 野村様
VD-3では、事前に免許証の登録を行うため、登録済のドライバーしかチェックをスタートできないようになっています。
TMSでは、「トムス免許」を取得した社員のみVD-3でのドライバー登録を行うようなルールとなっています。
VD-3では管理者権限によって勝手にドライバー登録を行えないよう設定できるため、「トムス免許」未取得の方が勝手に登録し、チェックを実施して鍵を取り出し乗車するということはできません。
「トムス免許」取得という厳しい関門をクリアした方が、日々VD-3で厳格なチェックを実施するという、安全運転を徹底した運用を実現しています。

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今後の展望

TMS 宮寺様
世間にご迷惑をかけることがないよう、現状に甘んじることなく今後も安全運転の徹底・社会貢献をしていきたいです。

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TMS コーポレート本部 総務部 野村様(左) 宮寺様(右)

株式会社トムス・エンタテインメント様データ

  • 従業員数:238名(2022年3月末現在/単体)
  • 事業内容:アニメーション作品の企画・制作・販売・配給および輸出入
  • 取材にご協力いただいたご担当者様:
    コーポレート本部 総務部長 宮寺 様
    コーポレート本部 総務部 施設管理課長 野村 様
  • 導入製品:DNP安全運転管理サポートシステム(VD-3)1セット
  • 車両数:18台/ドライバー数:60~70名
  • VD-3オプション:鍵ボックス、アルコール検知器(ハンディータイプ)
  • VD-3導入時期:2022年8月


※内容について、予告なく変更することがあります。

この事例で導入した製品・サービスについて

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