大日本印刷 小中高校向け教育クラウドプラットフォーム「リアテンダント」を本格展開

「GIGAスクール構想」対応でEdTech会社、教材・教科書会社、ICTベンダーと基盤連携

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、文部科学省の「GIGAスクール構想」や経済産業省の「EdTech導入実証事業」など、児童・生徒の学習の多様化に向けた施策に対応して、教育クラウドプラットフォーム「DNP学習クラウド リアテンダント®」を2020年度より本格展開します。

リアテンダントは、学習データ(スタディ・ログ)を蓄積し、AIを用いたデータ解析の結果に基づいて、さまざまな教材やサービスを提供するサービスです。今回DNPは、学校現場の要請を受ける形でリアテンダントが蓄積してきた子どもの学びのビッグデータを活用し、個々の児童・生徒に合わせた多様な教材・教育サービスを提供する取組みを開始します。教員がこれまで活用してきた教材や、新たな学び方を提案するEdTech教材を提供する企業、塾、大手教育ICTベンダー各社とのオープンなパートナーシップを推進し、「ICTを活用した学習」「個別最適化された学び」の実現を支援する教育クラウドプラットフォームとして、リアテンダントの機能強化を進めていきます。

推進の背景とリアテンダントの特長

2020年1月に成立した文部科学省のGIGAスクール構想では、2023年度までに、全国の小中学校で、児童・生徒1人1台のタブレット端末や校内通信ネットワークなどのICT環境を整備するため、2,318億円の補正予算*1が示されました。これは2009年度補正予算で、「スクール・ニューディール」として学校ICT環境整備に割り当てられた2,087億円とほぼ同等の規模です。GIGAスクール構想では、Society5.0時代を担う児童・生徒の学習の多様化への対応と、教員の働き方改革を進めるため、全国一律のICT環境整備が急務であるとの考えが示されました。

こうした教育関連の環境変化に対して、DNPは「DNP学習クラウド リアテンダント」を展開しています。リアテンダントは、学習データ(スタディ・ログ)を、AIを用いてデータ解析を行い、その結果に基づいて、“アダプティブ”(個々の児童・生徒に合わせて)に教材とサービスを提供する基盤サービスです。文部科学省や経済産業省が実施した複数の実証研究で採用されたほか、先行導入した奈良市においては学力向上の効果が見られました。

ハイブリッド基盤活用 -AIドリルとの連携実証-

  • DNPは、リアテンダントのEdTech教材連携の1つとして、紙の評価テストのスタディ・ログをもとに、AIドリルを活用した個別最適化学習モデルの実証を開始しました。
  • 紙の定期テストの結果をリアテンダントでデータ化、スタディ・ログとして蓄積します。
  • スタディ・ログを基に児童・生徒一人ひとりの設問ごとの正誤状況をリアテンダントでAI分析(IRT*2Item Response Theory:項目応答理論などを活用)を行い、優先的に復習させる問題を抽出、EdTech教材であるドリルにつなぐ「指導と評価の一体化」を実現しました。
  • 奈良市立中学校における、定期テストの結果に基づき提供されたAIドリルを活用した授業の様子

    リアテンダント導入実績と評価

    DNPは、2017年よりリアテンダントを提供してきました。タブレット端末および紙の両方から多様なスタディ・ログを収集・蓄積できる「ハイブリッド基盤」であることが評価され、文部科学省の「次世代学校支援モデル構築事業」や経済産業省「未来の教室実証事業」などの複数の実証研究で採用されています。タブレット端末が十分に整備されていない自治体においても、紙のテストの採点時間を最大60%短縮するとともに、スタディ・ログを蓄積・活用できるソリューションとして評価され、導入されています。

    またDNPは、これらの自治体や学校と共同で、蓄積された詳細なスタディ・ログを指導に活かしていく、効果的な活用事例を4年にわたって研究してきました。例えば、奈良県奈良市は、小学4年~6年の月2回の算数の単元テストの結果(1年間約140万件)を教員が個別の指導に活用できる形で提示し、児童一人ひとりに合わせた教材をリアテンダントで提供しています。提供される教材の活用方法やスタディ・ログをいかに把握し指導につなげたかによって、学力の向上の効果の違いがみられたことが有識者の研究でも明らかになっています。大阪市*3など他の自治体でも、「タブレット端末で行った小テストと紙の定期テストのスタディ・ログを比較して個別の指導を変えた」「クラス間の理解度の違いと変容を把握し、教員間のコミュニケーションに活用した」、「スタディ・ログを授業の改善や保護者への説明に活用するようになった」などの具体的な活用事例がでてきており、こうした現場の声に応える形で、スタディ・ログをより活用しやすいよう、リアテンダントの仕様拡張を進めています。

    GIGAスクール構想を背景に、1人1台のタブレット端末の導入が進み、今後ますますスタディ・ログの効果的な活用が望まれる中、リアテンダントは、2020年度に、政令指定都市を含む300~350自治体*4への導入が見込まれています。


    DNPグループの教育ビジネスの取組み

    DNPグループは、人材の多様性を高め、新たな価値創出につなげる教育の提供を目指して、幼保から小中高校、大学、リカレント教育まで、生涯の様々な学びを支援する教育ビジネスに取組んでいます。子ども、教員、保護者が望む学習情報を、最適な時に、最適な形で提供する小中高校向け学習プラットフォーム「リアテンダント」をはじめ、大学の電子教科書配信・オリジナル教材開発支援や電子図書館、BPO(業務受託)を提供するなど、DNPグループが一体となって取り組んでいます。


    *1 今年度は小学5年生~中学1年生を対象にタブレット1台当たり4.5万円の補助。校内通信ネットワーク整備については自治体へ1/2の補助。
    *2 1950年代に背景理論が具体化し、1976年以降アメリカを中心に定着した個別正答確率モデル。被検者能力と項目困難度を同時に数値化することで、応答レベルとその自然性を測ることができます。
    *3 大阪市は、文部科学省「次世代学校支援モデル構築事業」 総務省「スマートスクール・プラットフォーム実証事業」において、中学校2校でリアテンダントを活用。
    *4 自治体センターサーバー版、クラウドサービス版、校内導入版(リアテンダントシリーズ「AnswerBoxCreator」)を含む累計。