2021年5月26日

多様なモビリティをシームレスにつなぎ地域の周遊を促進する交通結節点「DNPモビリティポート」を開発

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、複数の交通手段・サービスが交わる場所に、交通情報や地域情報を配信するデジタルサイネージを設置して、デマンドバスや小型モビリティ等の多様なモビリティ(移動手段)をシームレスに利用できる交通結節点「DNPモビリティポート」を開発しました。高齢者や観光客を含む様々な利用者の利便性を向上するとともに、モビリティを効率的に組み合わせることで温室効果ガス(GHG)排出量削減にも有効な、人中心のまちづくりに貢献します。

【背景】

少子高齢化や地方の過疎化の進展に伴い、地域の公共交通機関の維持・存続が困難となるなど、さまざまな課題が顕在化しています。更に都市部の交通渋滞や環境問題などの課題もあります。一方、規制緩和により、多くのモビリティサービスの提供が始まっていますが、それぞれが連携していないため、生活者にとって使い勝手が良いものになっていません。DNPはこうした社会の課題解決に向けて、「DNPモビリティポート」を開発しました。

【DNPモビリティポートの特長】

「DNPモビリティポート」では、デジタルサイネージでさまざまな地域情報や公共交通の運行情報、デマンドタクシー・デマンドバスの呼び出し、小型モビリティ・シェアサイクルの貸し出し状況などの情報を閲覧できます。これらの情報はスマートフォンでの閲覧も可能です。さまざまなモビリティサービスの連携を進め、交通の利便性および地域での人々の回遊性を高めます。

DNPモビリティポートのイメージ

また、次の3つのコンセプトで、人中心の新しい社会におけるモビリティの在り方を具現化していきます。

  1. 「行きたくなる」 : 公共交通やデマンドタクシー、小型モビリティ等が手軽に利用できる。
  2. 「居たくなる」 : 屋外に適したスペースデザインにより居心地が良く、新しい発見がある。
  3. 「周遊したくなる」 : 地域情報発信や各種サービス連携など、街を周遊したくなる仕掛けがある。

DNPモビリティポートによる交通・サービス・モビリティの連携イメージ

【DNPモビリティポートの導入事例】

「DNPモビリティポート」は、以下のようなさまざまな実証実験で導入されています。実験を通じて、機能やユーザビリティ(使いやすさ)などを高め、本格的なサービスの展開につなげていきます。

■静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクト(2020年11月~12月)

静岡市のJR草薙駅・JA清水厚生病院の2箇所に、通信型タッチパネル式屋外サイネージを設置し、「DNPモビリティポート」の活用に向けた実証実験を実施しました。このシステムを、AIを活用したオンデマンド交通サービスの乗降ポイントとして活用するとともに、地図を活用した車両位置情報の可視化や、タッチパネルによるわかりやすい予約機能の提供などによって、スマートフォンの扱いに慣れない住民でもAIオンデマンド交通サービスを気軽に利用できることを実証しました

■菰野町観光協会の3密回避に向けた最先端技術活用実証事業(2020年12月~2021年3月)

三重県菰野町の観光スポット6カ所にデジタルサイネージを設置し、小型モビリティ(eバイクや電動キックボード)の発着点として活用しました。AIカメラによる混雑情報の確認、小型モビリティの貸出状況の可視化といった機能を実装し、“三密”対策として観光客の行動の変容を促す実証を行いました。現在も「菰(こも)ビリティ」のサービス名で、地域住民や観光客の足として、小型モビリティのシェアリング事業が実施されています。

■地域とつながる小さな拠点づくり社会実験Shibuya Mobility and Information LoungE(SMILE)(2021年6月下旬より実施予定)
・2021年5月31日訂正:緊急事態宣言の延長により7月以降実施予定
・2021年7月13日訂正:緊急事態宣言の発令により9月上旬より実施予定

東京都渋谷区の東急百貨店本店前に、デジタルサイネージを設置します。木材の研究開発を行うNIKKEN WOOD LABの「つな木」と連動した空間づくりを行い、LUUP(電動キックボード)のポートとして活用します。東急バスやnearMe(相乗りタクシー)、LUUPの情報配信だけでなく、DNPの地域情報配信プラットフォーム等を活用して“奥渋エリア”の魅力を発信することにより、“小さな拠点”から周辺地域への回遊を促す行動変容の実証を行います。

・2021年7月13日注釈追記:SMILEは、株式会社日建設計総合研究所・一般社団法人渋谷未来デザイン・東急株式会社・東急不動産株式会社が共同で開発する「小さな拠点」の社会実験です。

【今後の展開】

DNPは自治体や公共交通事業者、商業施設などとコラボレーション(共創)しながら、「DNPモビリティポート」の機能をさらに強化していきます。2020年から2021年にかけて複数の実証事業に参画し、2022年度からの本格展開を目指します。また、地方自治体や内閣府が推進しているスーパーシティ構想にて、先進的なサービスとのデータ連携を想定しており、さらなる地域活性への貢献を目指します。

なおDNPは、本サービスを2021年5月26日~7月30日に開催される「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2021 オンライン」と、2021年6月4日~7日にオンライン開催される日本ユニシスグループの総合イベント「BITS2021」に出展します。


※記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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