2021年10月19日

思わぬ本と出会える電子書籍の「連想検索システム 知の泉」を開発

MBJの電子書店「どこでも読書」の実証実験でジャンルを超えた意外な本との出会いを提供

大日本印刷株式会社(DNP) のグループ会社で、電子書籍の取次・販売を行う株式会社モバイルブック・ジェーピー(MBJ)は、小説やビジネス書など、文字を中心とした電子書籍を主な対象とし、本と本のつながりを広げる「連想検索システム 知の泉」を開発しました。MBJが運営する「どこでも読書」に同システムを導入し、2021年10月19日に実証実験をスタートします。

「連想検索システム 知の泉」の概要

各種出版物について、新刊発売時は販促活動が活発で読者に訴求する機会が多いものの、一定期間後はアピール機会が減少し、休眠作品も増えていく傾向にあります。こうした状況に対してMBJは、市場拡大中の電子書籍に関して、休眠作品を読者に訴求する機会を増やし、収益を拡大することを目的に、新たな検索手法によるレコメンドモデルの研究を進めてきました。

その取り組みのなかで今回開発した「連想検索」機能は、システム上で設定した書籍ごとの「特徴点」(文章中の複数の単語)と、検索元(検索語や本の内容)との一致状況をもとに、検索元に近い本を探し出す技術です。利用者が思いついた自由な文章も、検索語として利用できます。この「連想検索」で利用者の検索の幅が広がることによって、目的の本に到達する時間と手間を圧縮できるほか、ジャンルを超えた意外な本、思わぬ本との出会いのチャンスを提供します。また、今まで訴求機会が少なかった既刊の“ロングテール作品”の活性化にもつなげます。

従来の書籍検索システムは、作品名・著者名・出版社名・ジャンル名・紹介文を主な検索対象とし、欲しい本の確認などに利用されていました。また、キーワード検索機能は、書籍のキーワード等の書誌データへの事前登録が必要であり、手間がかかるためすべての書籍で活用するのは難しい状況でした。今回開発したシステムでは、書籍の「本文(内容)」からキーワードを拾っているため、データ登録の手間がかからず、精度の高い検索を可能にします。

「どこでも読書」での実験概要

電子書店「どこでも読書」における実証実験では、「連想検索システム 知の泉」の以下の機能を実装します。なお、リフロー型の「文字中心の電子書籍」が検索対象となります。

①連想検索 

・入力した検索ワードに基づき、「特徴点」が近い順に、候補となる本を表示します。

・従来のフリーワード検索とは異なり、利用者が思いついた長い文章からの検索も可能です。

②関連ワードの表示

・検索結果として表示された複数の本の「特徴点」を一覧表示し、絞り込み検索ができます。

・「主要ジャンル」での絞り込みも可能です。

③関連本の表示

作品詳細ページで候補として表示した1冊の本とテーマが近いおすすめ本を4冊表示します。

④気になるワードから検索

ニュースなどで気になったワードで検索することで、おすすめ本を表示します。 

⑤閲覧履歴からのおすすめ

利用者の閲覧履歴から、おすすめ本を選択して表示します。

【電子書籍販売サイト「どこでも読書」および「連想検索システム 知の泉」のURL】

◯「どこでも読書」トップページ : https://dokodoku.jp/

◯「連想検索」(利用方法など) : https://dokodoku.jp/pc/page/assoc_find.asp

今後の展開

検索技術が日々進化・発展するなかで、MBJは当実証実験を通じて、検索精度の向上、UI(User Interface)/UX(User Experience)の強化、最新のシステム実装技術を追求していきます。また、実証実験の成果を踏まえ、MBJのプラットフォームサービスの一環として、他の電子書店等での活用も推進していきます。

※この「連想検索システム 知の泉」は、国立情報学研究所との共同研究の成果を活用したものです。

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