2017年10月2日

国立成育医療研究センターと大日本印刷 次世代臓器チップ「ミニ腸」を使った創薬支援に向けて共同研究を開始

国立研究開発法人国立成育医療研究センター
大日本印刷株式会社

国立研究開発法人国立成育医療研究センター(所在地:東京 理事長:五十嵐 隆)と大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島 義俊 以下:DNP)は、生体の腸に近い特性を示す立体臓器(以下:ミニ腸)の創薬分野への応用に向けた共同研究を開始します。DNPが印刷技術を応用して開発した薄膜多層パターニング技術を利用して、2022年の供給開始を目指し、「ミニ腸」の安定した作製プロセスの開発などを行っていきます。

【共同研究開始の背景】

国立成育医療研究センター研究所(松原洋一研究所長)再生医療センター 阿久津英憲生殖医療研究部長、梅澤明弘センター長、臓器移植センター 笠原群生センター長を中心とした研究グループは、2017年1月、ヒトのES細胞またはiPS細胞から「ミニ腸」を試験管内で創生することに、世界で初めて成功しました。この「ミニ腸」は、筋肉の収縮によって消化した食べ物を移動させる「蠕動(ぜんどう)」運動や、物質の吸収・分泌といった生体の腸に近い機能を有するため、腸の難病の研究や創薬への応用が期待されます。
国立成育医療研究センターとDNPは、2010年より幹細胞培養システムについての共同研究を開始し、「ミニ腸」の発見に至りました。「ミニ腸」の作製にはDNPの培養器材が用いられており、今回、国立成育医療研究センターとDNPは新たに共同研究契約を締結し、「ミニ腸」の実用化に向けた共同研究を開始しました。

【共同研究の概要】

ヒトES細胞やiPS細胞などは、けがや病気で失った体の臓器や組織機能を修復する再生医療のほか、新薬の有効性や安全性を確認する創薬への応用が期待されています。再生医療分野は、安全性確保等のため実用化までに長い時間が必要ですが、創薬分野では、患者の組織から作製したiPS細胞を用いて疾患の治療効果を検証するなど、さまざまな利用法が検討されており、早期の実用化が見込まれています。
創薬分野では、細胞を用いた試験が一般化していますが、細胞は生体臓器との機能面での相違が大きく、より精度の高い試験系として、「ミニ腸」のような生体臓器に近似した立体臓器を用いた試験系の実用化が期待されています。両者は当初、創薬分野での実用化を目指すべく、国立成育医療研究センターの多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)制御技術と、DNPの薄膜多層パターニング技術を活用し、「ミニ腸」を安定的に製造・供給するための、一連の製造供給プロセス及び、必要となる自動化等の研究・開発を推進します。また、製薬メーカーや臨床検査会社の協力を得て、「ミニ腸」の特徴を活かした「次世代臓器チップ」 および、それを用いた試験法の確立などに取り組み、5年後の実用化を目指します。

【DNPのライフサイエンス分野での取り組み】

DNPは印刷技術を活かして、ライフサイエンス分野の新規事業開発に注力しています。例えば、薄膜多層パターニング技術を活用し、細胞をさまざまなパターンで安定的に培養できる培養器材を2008年に国内で初めて製品化したほか、温度を下げると培養した細胞をシート状できれいに剥がすことができる温度応答性培養器材を製造しており、その品質や性能の更なる向上に取り組んでいます。また、画像処理・認識技術を活用した、細胞の画像を解析して非破壊での細胞検査技術の開発や、情報処理技術を活用した遠隔画像診断支援サービスの開発なども進めています。


※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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