『ルーヴル - DNPミュージアムラボ』の美術鑑賞システムをルーヴル美術館に導入

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門常設展示室で運用を開始

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)とルーヴル美術館の共同プロジェクト「ルーヴル‐DNP ミュージアムラボ」が開発した3種の美術鑑賞システムが、ルーヴル美術館パリ本館の古代ギリシア・エトルリア・ローマ部門美術の展示室に導入され、本年9月24日に運用を開始します。当プロジェクトの成果としてルーヴル美術館に導入された鑑賞システムは、2011年の工芸品部門、2012年の古代エジプト美術部門、2013年の絵画部門への設置に続いて4回目、現在合計8種のシステムが稼動しています。

【鑑賞システム導入の背景】

DNPとルーヴル美術館は、2006年10月より、新しい美術鑑賞のあり方を探る共同プロジェクト「ルーヴル‐ DNP ミュージアムラボ」を推進しています。ルーヴル美術館が抱える美術鑑賞に関する課題の解決を出発点として、DNPの情報技術・映像技術を活用した鑑賞システムを開発し、それらを利用しながらルーヴル美術館の所蔵作品をじっくり鑑賞する展覧会をDNP五反田ビル(東京)の専用スペースで開催してきました。これまでに実施した10回の展覧会を通じ、約9万人の来館者から、ITを駆使した今までにない美術鑑賞の手法について高い評価を得ています。

今回ルーヴル美術館に導入される鑑賞システムは、古代ギリシアの文明と美術をテーマとしたDNP五反田ビルの第10回展で開発した8種のシステムのうちの3種です。古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門への当システムの導入は、ルーヴル美術館が進めるガラスのピラミッドに始まる館内の見学環境の改善を目指した全館プロジェクト「グラン・ルーヴル計画」の一翼を担う、「古代ギリシア美術の展示室改修計画」に沿うものです。古代ギリシア美術の展示には年間600万人という、ギリシア美術コレクションとしては世界最多の来館者が訪れるため、「ギリシア美術に親しんでもらう」「異なる文化背景を持つ多様な来館者に対応できるようユーザビリティを向上させる」「展示空間と一体感のある情報を提供する」などの課題の解決が求められました。

【3つの鑑賞システムの概要】

1.「古代ギリシア世界」

古代ギリシアは1000年を超える歴史を持ち、現代のギリシアをはるかに超える広範な地域に広がり、その影響を受けた芸術が大きく発展、革新してきました。このシステムは、古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門常設展示室観覧の見学コースの導入部に設置され、古代ギリシア美術展示室の見学全体に道筋をつけることを目的として、作品理解の最初の手がかりとなる地理的、歴史的な背景情報を約4分間の映像番組で概観できます。

●ルーヴル本館での導入場所 : ドゥノン翼半地階3番展示室

2.「ギリシアの神々と英雄」

この鑑賞システムでは、アフロディーテやアポロンなど、おなじみの古代ギリシアの神々を、それぞれを象徴する視覚的な特徴(アトリビュート)から識別する方法を学ぶことができます。ルーヴル美術館の中で最も混雑するエリアの一つ、≪ミロのヴィーナスの間≫に設置されることから、文字に依存しない視覚的なデザインと、直感的に操作可能なインターフェイスに工夫することで、利用時間が短縮できる、多様な文化背景を持つ観覧者も迷わないシステムを実現しました。

●ルーヴル本館での導入場所 : シュリー翼1階14番展示室

3.「アンタイオスのクラテル、ギリシア陶器の傑作」

作品の鑑賞と作品に関連する情報提供の両立をテーマに、ルーヴル美術館として初めて展示ケースと解説機器を一体化させた鑑賞システムで、古代ギリシア陶器の傑作《アンタイオスのクラテル》の鑑賞補助ツールとして開発しました。目の前に展示されている作品の3D画像をタッチパネルディスプレイで自由に動かしながら情報を参照できるので、作品を「見る」「知る」という2つの行為を自然に促します。また、作品の重要な「部分」を高精細画像で観察することができ、肉眼で今一度作品を確認したくなるような興味喚起に工夫を凝らすなど、作品へと視線を誘導する動機付けを狙いました。設置場所である「カンパーナ・ギャラリー」は、ルーヴル美術館の中で最も歴史的な展示室の一つといわれています。

●ルーヴル本館での導入場所 : シュリー翼2階 43番展示室

【ルーヴル美術館への鑑賞システム導入の実績と計画】

●第1次 : 2011年6月

工芸品部門常設展示室に、第7回展の開発成果から、セーヴル磁器の鑑賞システム2種を導入

(リシュリュー翼2階 93番・95番展示室)

*2014年6月、ルーヴル美術館工芸品部門の「ルイ14世からルイ16世治世のフランス式生活様式の展示室」のリニューアルオープンにともない、シュリー翼2階60番展示室に1種のみ移設され、運用が続いています。

●第2次 : 2012年6月

古代エジプト美術部門常設展示室に、第8回展の開発成果から、古代エジプト美術の見方が学べる鑑賞システム2種を導入

(シュリー翼2階 21番・23番展示室)

●第3次: 2013年7月

絵画部門常設展示室に、第9回展の開発成果から、ルーヴル美術館スペイン絵画コレクションを解説する鑑賞システム2種を導入

(ドゥノン翼2階 25番・26番展示室)

●第4次(今回導入): 2014年9月

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門常設展示室に、第10回展の開発成果から、古代ギリシア美術への理解を促す鑑賞システム3種類を導入

(ドゥノン翼1階 ミロのヴィーナスの間を含む3ヶ所)

     

[左]第2次:古代エジプト美術鑑賞のためのシステム [右]第3次:スペイン絵画コレクションのためのシステム

またDNPは、これら鑑賞システムをルーヴル美術館関連の展覧会やイベント、他の美術館や博物館にも展開するなど、ルーヴル‐ DNP ミュージアムラボの成果の利用促進を図っていきます。

 
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