半導体向けナノインプリントリソグラフィ用テンプレートの量産を開始

半導体微細化の低コスト次世代リソグラフィ技術によるテンプレートの生産体制を構築

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、20ナノメートル(nm:10-9メートル)レベルの半導体製造に対応したナノインプリントリソグラフィ(NIL)用の“型(テンプレート)”の生産体制を構築し、本年2015年中に量産を開始します。

NILは、製造装置の構造が比較的単純で、複雑な光学系装置が不要なため、大幅なコストダウンが可能となる革新的な次世代リソグラフィ技術として注目されてきました。今回量産を開始するのは、マスターテンプレートと、それを原版として作製する複製型(レプリカテンプレート)です。

【開発の背景】

DNPは、1961年に半導体用回路原版であるフォトマスクの事業を開始して以来、一貫して微細加工技術の開発に取り組み、現在世界シェア15%を有するフォトマスクの大手メーカーです。

近年、半導体回路の微細化ニーズに対応するため半導体メーカー各社は、回路パターンを複数のフォトマスクに分割して露光するマルチパターニングなどの新技術を取り入れて、従来の縮小投影露光による光リソグラフィ技術の継続を図っています。しかしこれらの新技術は、製造プロセスの複雑化や、フォトマスクなどの部材の増加によるコスト増が課題となっています。これに対してNILは、大幅なコストダウンが可能ですが、シリコンウエハー上に直接テンプレートで型押しして半導体回路パターンを等倍で転写する製造方法で、半導体量産時にはテンプレートが消耗するため、定期的に交換する必要があります。シリコンウエハーに回路パターンを型押しするレプリカテンプレートを、半導体回路と等倍のマスターテンプレートから作製しますが、これまでは20nmレベルのマスターテンプレートの製造や、レプリカテンプレートの安定的な作製が困難でした。

DNPは2003年よりNIL用テンプレートの開発に取り組んでノウハウを蓄積し、さらに50年以上におよぶフォトマスク事業で培った技術や、金型を密着させて微細な形状を転写する印刷由来技術などの強みも駆使して、今回、他社に先駆けて20nmレベルのNILテンプレートの生産体制を構築しました。

【DNPのナノインプリント用テンプレートの量産の特長】

  • 半導体メーカーの微細化、低コスト化の要求に応えた、次世代リソグラフィ技術による20nmレベルのテンプレートを安定的に提供します。
  • マスターテンプレートの製造に必要な高解像度描画装置を導入するとともに、その装置や製造プロセスの材料や条件の見直しを行い、20nmレベルのパターンを形成する技術を確立しました。
  • レプリカテンプレートの量産は、接触を伴う加工のため、異物の発生やこれに伴うパターン欠陥が課題でしたが、徹底した工場のクリーン度の管理、加工環境への異物の持ち込みの排除を実施し、また新しい基板洗浄技術の採用によってこの課題を克服し、プロセス技術を確立しました。
  • 半導体メーカーは、製造プロセスの簡略化により、大きなコストダウンが実現できます。

【今後の展開について】

DNP製テンプレートを業界のディファクトスタンダードにしていくよう努めるとともに、従来の光リソグラフィ用フォトマスクと、次世代リソグラフィ技術であるNILテンプレートとのハイブリッドな供給体制によって、トータルなリソグラフィソリューションを提供して半導体業界に大きく貢献しています。

DNPは、半導体メーカーや電子機器メーカーに今回量産を開始するナノインプリント用テンプレートを提供し、2015年度と2016年度の累計で50億円の売上を目指します。また、2017年までに15nm以下のテンプレート製造の実現に向けて、開発を進めていきます。

●今回リリース方法による半導体製造工程

●従来方法による製造工程(縮小投影露光による光リソグラフィ技術)

 

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