2016年3月31日

DNP独自の蒸着技術による産業用途向け透明ハイバリアフィルムを開発

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、独自の化学蒸着(以下:CVD)技術を応用し、フレキシブルな有機太陽電池や有機ELディスプレーなどの産業用途向けに、バリア性の高い透明ハイバリアフィルムを開発しました。

当フィルムは、1日の1m2あたりの水蒸気透過率が0.0004g(10-4レベル)と、以前開発したハイバリアフィルムの0.005g(10-3レベル)と比較して10分の1以下の高い水蒸気バリア性に加え、透明性や光の透過率も向上しています。

*化学蒸着(CVD=Chemical Vapor Deposition) : 薄膜形成技術の一つ。真空下で膜の原料となるガスを化学反応させて、フィルム上に薄膜を形成する。CVDで製造した薄膜は、フィルムの伸縮や曲げなどによる劣化が少ない。DNPは世界で初めて包装材料用に当技術を採用した。

 

【開発の背景】

DNPは、1998年より透明性の高いバリアフィルム「DNP透明蒸着フィルム(IB:InnovativeBarrierフィルム)」の量産を開始し、これまでに食品包装や輸液バッグなどの幅広い用途に展開してきました。

一方、フレキシブルな有機太陽電池や有機ELディスプレーなどの産業用途でも、ガラスの代わりに透明ハイバリアフィルムを使用したいとの要望がありますが、特別な製造装置や技術が必要であり、生産可能なフィルムの幅が狭いことなど生産性が低いことから価格が高いといった課題がありました。今回DNPは、IBフィルム等で培った量産技術を活かして生産性を高めるとともに、水蒸気や酸素のバリア性能と、透明性や光の透過率を高めた産業用途向け透明ハイバリアフィルムを開発しました。

【本フィルムの概要】

・ 水蒸気の透過率が従来品の10分の1以下と高いバリア性を備えています。フレキシブルな有機太陽電池や有機ELディスプレーなど、ガラスの使用が難しくバリア性が必要な製品への利用に適しています。

・ 透明性が高く、無色に近いため、ディスプレーなどの光学用途にも最適です。

・ 既存の透明バリアフィルムの製造設備と量産技術を応用することで、生産性を向上させました。

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【今後の展開】

DNPはいま、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」を事業の成長領域と位置づけ、新しい価値の創出に取り組むなかで、「DNP透明蒸着フィルム(IBフィルム)」の産業用途での展開に注力し、2020年に150億円/年の売上を目指します。

なおDNPは当製品を、4月6日(水)~8日(金)に東京ビッグサイトで開催される「第7回高機能フィルム展」のDNPブースに出展します。

 

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