2017年1月18日

軽く、透明性に優れた自動車向け曲面樹脂ガラスを開発

耐候性、耐摩耗性に優れ、自動車のサンルーフなどに最適

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、耐候性、耐摩耗性に優れた「DNP超耐候ハードコート転写フィルム」の加工性を改良し、自動車のサンルーフなどに対応できる曲面樹脂ガラスを開発しました。

【開発の背景】

DNPは、事業の成長領域の一つに「住まいとモビリティ」を掲げ、自動車関連事業の拡大に取り組んでいます。例えば、自動車の内装用の加飾フィルムや車載ディスプレー用の視野角制御フィルム等を提供しているほか、ドア用のサイドバイザーで高い国内シェアを持つDNP田村プラスチック株式会社を2015年8月に子会社化するなど、自動車関連部材の新製品開発を強化しています。

近年、環境や安全に対する生活者の意識が高まるなか、世界的に自動車のCO2排出量規制などが強化される傾向にあり、各自動車メーカーはその対応に追われています。排出ガスの低減や燃費の向上には車体の軽量化が有効であり、ポリカーボネートなどのプラスチック製の樹脂ガラスは、耐衝撃性や断熱性に優れるほか、珪酸による一般のガラスと比べて重さが約半分と軽いため、軽量化が求められる自動車に使いたいというニーズが高まっています。

このニーズに対してDNPは、独自の技術を活用し、樹脂ガラス用の「DNP超耐候ハードコート転写フィルム」を開発しました。このフィルムはポリカーボネートなどの樹脂の表面に転写することで、太陽光や風雨などに対する耐候性と傷などへの耐摩耗性を向上させるもので、DNPはこの製品を転写した樹脂ガラスを2016年2月に発売し、産業用途向けに上市しています。今回は、自動車等で求められる曲面形状に対応するために、本フィルムのハードコート層を更に改良し、従来品の課題であった曲面への追従性を向上させ、自動車のサンルーフなどに使用可能な曲面樹脂ガラスを開発しました。これにより、曲面の最大直径160mmの円弧(半径80mm)までの曲げ加工が可能となりました。(当社独自の方法に基づく)

【曲面樹脂ガラスの特長】

  • ポリカーボネートなどの樹脂の押出しと同時に本フィルムを転写し、その後に曲げ加工を行います。そのため、成形した後にスプレー塗装などでハードコート層を形成する従来の方法と比較して、加工コストを抑えるとともに製造工程の短縮が可能となります。
  • 重量は一般の珪酸ガラスの約半分と軽量です。
  • 一般のガラスと同等の透明性を保持しています。
  • 最大、直径160mmの円弧(半径80mm)までの曲げ加工が可能で、自動車のサンルーフなどの曲面形状で利用できます。
  • 耐衝撃性が高く、一般のガラスと比べて割れにくいため、安全面で優れています。

 

曲面樹脂ガラス製品

比較写真(耐候性試験)

比較写真(耐摩耗性試験)

【今後の展開について】

DNPは本フィルムを使用した曲面樹脂ガラス製品を、自動車やバス、鉄道車両などのモビリティ用途で販売し、2020年度に年間50億円の売上を目指します。

DNPは、事業の成長領域のひとつ「住まいとモビリティ」で、住宅やオフィス、学校や商業施設のほか、自動車や電車などを含めたさまざまな空間での快適性の確保や、いつでもどこでも安全に利用できる情報サービスのセキュリティ性の確保などに努めています。

本曲面樹脂ガラス製品を、1月18日(水)~20日(金)に東京ビッグサイトで開催される「オートモーティブワールド」のDNPブースに出展します。

 
※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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