2020年10月9日

ロボットグリッパー向けの伸縮自在な接触センサーユニットを開発

傷みやすい果物や野菜などのピッキング作業の自動ロボット化を実現

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、AIやセンサー等を活かしてモノをつかむ「ロボットグリッパー」に対し、樹脂等の柔軟な部分にも直接装着できる、DNP独自の伸縮自在な配線構造を持つ「接触センサーユニット」を開発しました。このユニットにより、これまで人が行ってきた果物や野菜などのピッキング作業を、柔軟性のあるロボットグリッパーで自動化できるようになり、省人化を実現します。

DNPは本製品を、2020年10月20~23日にオンラインで開催される展示会「CEATEC 2020 ONLINE」の産業技術総合研究所ブース内で展示します。

【伸縮自在な配線の「接触センサーユニット」開発の背景】

近年、労働力不足に対応するため、モノをつかんで移動させるピッキング作業を行うロボットグリッパーが、製造業をはじめとするさまざまな分野で導入されています。特に、傷みが生じやすい果物や野菜などを扱う食品分野などでは、柔軟性のあるロボットグリッパーが用いられています。このロボットグリッパーには、モノを握って持ち上げる「把持(はじ)力」を検出する接触センサーを装着する必要があります。これまでは、この接触センサーをつなぐ配線ケーブルがピッキング作業の邪魔になり、誤ってケーブルをつかむことで断線することがありました。また作業の邪魔にならないよう、ロボットグリッパーに直接ケーブルを装着した場合、伸縮性のないケーブルが断線するといった課題もありました。

こうした課題を解決するためDNPは、独自の「伸縮性ハイブリッド電子実装技術」を活用することにより、柔軟性のあるソフトなロボットグリッパーに直接装着しても断線が発生しない、伸縮自在な配線の「接触センサーユニット」を開発しました。

【DNPの「伸縮性ハイブリッド電子実装技術」について】

電子回路基板として、かつては固い板状の基板が主流でしたが、現在はフィルム状のフレキシブルな基板が広く用いられています。このフィルム状の基板は曲げたり丸めたりすることはできますが、伸び縮みの変形はできないため、収縮性のある物に直接装着することはできませんでした。

これに対してDNPは、縦・横の方向や曲面の形状で収縮する物の動きに対し、自由に追従できる電子回路基板の開発を進めています。このDNP独自の「伸縮性ハイブリッド電子実装技術」は、柔軟な基材を曲げ伸ばししても抵抗値が変わらない電極配線を可能とするものです。また、剛直な部品を電子回路基板上に実装しても伸縮時に断線しにくい工夫を盛り込んでいます。今回開発した伸縮自在な配線の「接触センサーユニット」にも、この技術を活かしています。

【伸縮自在な配線の「接触センサーユニット」の特長】

今回開発した製品は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究テーマ「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤」の取り組みとして、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)および立命館大学と連携し、ソフトロボティクス分野における有効性の実証研究として開発したものです。

この「接触センサーユニット」は、伸縮配線と感圧ゴムを組み合わせた構造としました。一般的な接触センサーの方式には静電容量式と感圧式がありますが、静電容量式は伸縮時の配線の容量変化を考慮して補正する必要があり、駆動回路が複雑化する可能性が高いため、今回の実証研究では、配線の容量変化を考慮、補正する必要のない感圧式を採用しました。全体の厚みは約2mmで、配線材料は銅を採用しており、130%までの伸縮動作を、食品ピッキングに必要とされる100万回程度繰り返しても、電気的・機械的特性が損なわれないことを確認しています。

【今後の取り組み】

DNP独自の「伸縮性ハイブリッド電子実装技術」は、接触センサーだけではなく製品化されているあらゆるセンサー部品に応用できます。また、一般的な電子部品製造プロセスを用いているため、産業界で実績のある量産性に優れた方法で製造が可能です。

今後DNPは、NEDOおよび産総研、立命館大学との連携を通じて、把持力の検出だけではなく、ロボットのフィードバック制御や駆動においてもさらなる精度向上を図り、きめ細やかなロボット制御を実現し、労働生産性の低い産業への導入を目指します。

*本研究の一部は、内閣府が進める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤」(管理法人:NEDO)によって実施されました。
*産総研 との連携:NEDOの研究テーマ内の研究サブテーマⅡ「超低消費電力IoTデバイス・革新的センサ技術」の研究プロジェクト名「ヒューマンインタラクションセンサデバイスシステム技術の開発」(研究開発責任者:東京大学)
*立命館大学との連携:NEDOの研究テーマ内の研究サブテーマⅢ「Society 5.0実現のための社会実装技術」の研究プロジェクト名「CPS 構築のためのセンサリッチ柔軟エンドエフェクタシステム開発と実用化」

※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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