安全なM2Mを実現する機器組み込み用モジュールの提供を開始

大日本印刷株式会社（本社:東京　社長:北島義俊　資本金:1,144億円　以下:DNP）は、データの改ざんや漏洩を防止し、安全なM2M（Machineto Machine : 機器間通信）サービスを実現する機器組み込み用モジュール「M2Mセキュアモジュール」の提供を開始します。

【開発の背景】

近年、ネットワークでつながった機器どうしが、センサーで取得したデータなどをやり取りするM2M技術を利用して、利便性の高いサービスが増加しています。例えば、自動車の位置情報を利用した配車サービスや、工場や農業で使用する機器の稼動情報を利用した保守管理サービスなどが提供されています。今後は、決済分野や医療・ヘルスケア分野などでのM2Mの利用拡大が見込まれており、個人情報を多く扱うようになると、ネットワーク経由で、悪意のある第三者からデータの不正取得や改ざんなどの攻撃を受けるリスクが高まることが予想されます。これらの攻撃に対してDNPは、ICカード事業で培った情報セキュリティの技術やノウハウを活かし、安全なM2Mを実現するソリューションとして、機器に組み込むことで安全にクラウドサービスへ接続できるモジュール「M2Mセキュアモジュール」の提供を開始します。

【M2Mセキュアモジュールの概要】

M2Mセキュアモジュールは、以下のような機能を機器に組み込むための製品で、外部からの不正アクセスなどに耐性のあるセキュアチップを搭載しています。

• セキュアブート機能により、立ち上げ（リセット）時に、機器の不正改造の有無を確認する
• 機器のセンサーが取得したデータから必要なデータを抽出して、セキュアチップを用いて暗号化する
• クラウド接続用アプリケーションを用いて、クラウドサービスに接続して暗号化したデータを送信する

提供するモジュールは、セキュアチップと通信部品などをプリント基板（ボード）に搭載したボード型になります。機器のOS、扱うデータの種類やサイズ、接続先のクラウドサービスの仕様などにあわせて、セキュアチップの性能、メモリ容量などを決定し、カスタムのハードウェア仕様で提供します。また、セキュアチップには、自社開発したセキュアブートアプリケーションなどを搭載します。機器とのインターフェースは、I2C、SPI、GPIO、UARTなどに対応します。

【各種クラウドサービスでの動作確認について】

DNPは、各種M2Mクラウドサービスを提供している伊藤忠テクノソリューションズ株式会社（CTC）、インヴェンティット株式会社、クオリカ株式会社、株式会社日立ハイテクノロジーズ（以上50音順）の協力のもと、M2Mセキュアモジュールの試作品と各社のクラウドサービスとのデータ通信において以下の動作が正しく行われることを確認しました。

• セキュアブート機能により、立ち上げ（リセット）時に、機器の不正改造の有無を確認する
• セキュアチップを用いて、機器の温度センサーとカメラが取得したデータを暗号化し、クラウドサービスに送信する
• 暗号化されたデータをクラウドサービス上で復号する
• クラウドサービスからのリセットの指示により、M2Mセキュアモジュールを遠隔でリセットする

【今後の展開】

DNPは、スマートメーター、自動車、FA機器、複合機、ATM、自販機などのメーカーへM2Mセキュアモジュールを販売します。今後は、ウェアラブルデバイスなどの小型機器への組み込みに適したワンチップ型モジュールを製品化するほか、ボード型モジュールを搭載したゲートウェイ端末の製品化も予定しています。また、M2Mセキュアモジュールのセキュアチップに個人情報や鍵情報を安全に書き込んでアクティベート（有効化）などを行うための、リモート発行サービスも提供します。さらに、M2Mクラウドや温度監視システムなどのクラウドアプリケーションも組み合わせて提供していきます。

DNPは、M2M関連ビジネスで、2017年度に10億円の売上を見込んでいます。

2014年9月10日～9月12日に東京ビッグサイトで開催される展示会「自動認識総合展」のインフィニオンテクノロジーズ ジャパン株式会社のブース（E-1）でM2Mセキュアモジュールを展示します。

※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。