体験をもとに活発な協働学習が行える学習システムを開発

擬似的に絵の中に入り込める美術デジタル教材の実証研究を5月に実施

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、ICTを活用し、自ら体験することで主体性を高めると同時に、体験に基づく活発な協働学習が行え、コミュニケーション力・思考力の向上を促す体験型協働学習システムを開発しました。

本システムの実用化に向けた実証研究を、香川大学教育学部 安東恭一郎教授と共同で5月11日~15日に豊島区内の小学校で実施します。

【開発の背景】

近年の学校教育では、知識の習得だけでなく、課題解決に必要な社会とのつながりを意識した思考力や判断力、表現力の育成が重視されており、児童・生徒同士が教え合い、学び合う協働学習の充実が求められています。

美術教育においては、文化財や美術作品の鑑賞、美術館や博物館の訪問、専門家の話を聞く機会など、生徒が主体的に取り組める体験型の学習が重要視されています。しかし、新たな学習法に関する教員の知識の不足や時間的な制約などによって、これらの学習が十分に行われていませんでした。

この課題に対して「ルーヴル - DNPミュージアムラボ」など、DNPが取り組んできたICTを活用した美術鑑賞システムの開発・運用実績を活かして、美術デジタル教科書研究会(代表:国立大学法人 香川大学教育学部 安東恭一郎教授)と共同で体験型協働学習システムを開発し、実証研究を開始します。この実証研究は、これまでの紙メディア中心の鑑賞を超えた、五感で作品や学習対象の臨場体験を行い、作品理解など学びを深めつつ、児童・生徒同士の協働学習を推進する必要性を仮説としています。

【美術教育の体験型協働学習システムについて】

・  従来の美術教育は紙メディア中心の視覚情報での鑑賞が主体でしたが、画像処理やセンシング機器などを組み合わせて使うことにより、視覚や頭で考えて理解すること以上に作品を体感することが可能になります。この体験の面白さや、先生・友人と感覚を共有することによって児童・生徒の“気づき”が広がり、活発な協働学習につながっていきます。

・  スクリーンに投影した絵の前で生徒が歩く動きを位置センサーが検出し、歩く動作に合わせてスクリーンに表示する絵が変化します。絵の中に入り込むようなインタラクティブな疑似体験を通じて、美術作品鑑賞の新たな視点の獲得を促し、鑑賞能力の向上をサポートします。

・  美術館や博物館での作品鑑賞の事前学習を実施して、実際の鑑賞時の学習の質を高めます。

・  プロジェクターとスクリーン、児童・生徒の動きを捉えるセンサー機器を設置するだけで、教室内でも簡単に利用できます。

【実証研究の概要】

実施対象 : 豊島区立池袋本町小学校6年生 図画工作科

期間    : 2015年5月11日~15日

実証内容 : ICTを活用した体験型協働学習(美術)を実施後、国立西洋美術館を訪問して授業で学習した美術作品を実際に鑑賞する。

【今後の展開について】

DNPは2015年6月より、この協働学習システムを使用した実証研究を香川県や新潟県など全国の小・中学校で実施して効果検証を行うとともに、2016年度以降に自治体での本格的な導入を目指します。また、DNPが取り組んでいる京都の世界遺産17社寺・城の高精細映像アーカイブコンテンツ、水族館や工場見学などのコンテンツを用いた体験型教材のシリーズ展開を行っていきます。本事業により、2020年度までの累計で10億円の売上を見込んでいます。

なお、当システムを5月20日(水)~22日(金)に東京ビッグサイトで開催される「第6回教育ITソリューションEXPO」のDNPブースに出展します。DNPはこの展示会を通して、人と社会を知的に豊かにする、デジタルとアナログを融合させた新たな学習スタイルを提案します。

【DNPの教育関連事業について】

DNPは「食とヘルスケア」「暮らしとモビリティ」「環境とエネルギー」「知とコミュニケーション」を成長領域と位置づけ、「未来のあたりまえ」となる製品やサービス、仕組みを創り出す取り組みを推進しており、教育事業への本格参入もこの一環と位置づけています。

DNPは、強みであるデジタルとアナログを融合した新たな学習スタイルの提案をすることで、教育市場のこうしたニーズに応えるとともに、教育の情報化やICTを活用した教育を推進していく教育現場をサポートするサービスを提供します。

 

*「ルーヴル - DNPミュージアムラボ」
DNPとルーヴル美術館による、美術作品の新しい鑑賞方法を提案する共同プロジェクトです。2006年のプロジェクト開始以来、およそ100の体験型鑑賞補助システムを開発、一部はパリ・ルーヴル美術館の常設展示室にも導入されています。デジタル技術を活かした鑑賞教育のための教材開発も本プロジェクトの重要な取り組みテーマで、学校の美術の授業や美術館の教育普及活動などへの提供を通じて、美術に親しむ機会の拡大に貢献しています。

 

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