2015年4月8日

ナノレベルの極細銀ワイヤーを使用した透明導電フィルムを開発

タッチパネル用を皮切りに、新たな光学複合部材の用途開拓へ

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、光学フィルムの製造で培ったコーティング技術により、ナノ(nm:10-9メートル)レベルの極細の銀ワイヤー(銀ナノワイヤー)を使用した高性能かつ低価格の透明導電フィルムを開発しました。2015年4月からサンプルを出荷し、同年夏にタッチパネル及び電極向けの量産を開始します。今後は、DNPの他の光学フィルムなどとの組み合わせによる各種センサー用途での事業化を目指していきます。

なお当製品は、4月8日(水)~10日(金)に東京ビッグサイトで開催される「第6回高機能フィルム展」のDNPブースに出展します。この展示会では、DNPが成長領域と位置づける「食とヘルスケア」「暮らしとモビリティ」「環境とエネルギー」「知とコミュニケーション」において、DNPの強みを持った「未来のあたりまえ」となる製品・サービスや仕組みを創り出すために、販売機会の拡大と次期研究開発テーマの発見を目指しています。

【開発の背景】

近年、スマートフォンやタブレット端末などタッチパネルが用いられる機器の市場は拡大を続け、より高性能で導入しやすい価格帯の透明導電フィルムが求められています。

今回DNPは、銀ナノワイヤーインキを開発・製造する米国ベンチャー企業のInnovaDynamics Inc.と共同開発を行い、透明導電フィルムの開発に成功しました。さらに、ウエットコーティングによる量産性の確立と低コスト化の実現を行うことで、ノートパソコンサイズへの適用も可能な透明導電フィルムとして展開していきます。また、当製品は屈曲性が高いため、フレキシブルディスプレーやウエアラブルデバイスのセンサーなどの多様な用途に展開が可能です。

【製品の特徴】

・数十ナノメートルの非常に細いワイヤーを配線として使用しており、光透過率が高く視認性に優れているため、スマートフォンやタブレット端末などの高精細ディスプレーのタッチパネルに最適です。

・シート抵抗値は50Ω/□(オーム毎スクエア:単位面積あたりの抵抗)で、ITOフィルムと比べて約半分程度と低いため、より大型のディスプレーに適しています。またタッチパネル以外で透明電極を用いるデバイス向けにおいても展開が可能です。

・折り曲げに強いことから、厚さが50マイクロメートル(um:10-6メートル)以下の各種薄型フィルムや3D成型体に加工することで、タッチパネルやタッチパネル以外のフレキシブル性が求められるウエアラブル端末などにも使用可能です。                 

【今後の展開】

DNPはITOフィルムの理想的な代替品として、タッチパネル用を皮切りに販売を開始し、DNPが得意とする反射防止や液晶位相差などの機能を持つ光学機能フィルムや部材と複合化することで、社会ニーズに適した各種センサーの用途開拓を行い、システムも含めた事業展開を検討してきます。この分野において、2017年度までに70億円の売上を目指します。

 ※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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