2022年9月22日

DNPが参画するコンソーシアムが経済産業省の「未来の教室」実証事業者に採択

複数の教育データを連動させて指導者と学習者の学びを改善・改革

大日本印刷株式会社(DNP)が株式会社すららネット、高知県教育委員会とのコンソーシアム*1で実施する事業が、経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択されました。3者は、「教育データ利活用」をテーマに、日々のドリル学習とテストのデータを連動させた具体的な事例の創出を目指します。DNPは今回、DNP学びのプラットフォーム「リアテンダント🄬」*2と、すららネットのICT教材を活用し、高知県立高知丸の内高等学校において、「指導者の働き方改革や指導改善」と「学習者の学び方の改革」の実現に向けた先進的なケースづくりを行います。

実証事業の背景と主なポイント

政府は「GIGAスクール構想」のもと、関係省庁の連携によって学校現場のデジタル環境の整備を進めており、経済産業省は、1人1台端末環境を背景に、ICTを活用した新しい学び方に関する実証事業を、2018年度から全国の学校等とともに進めています。そしてこの度、当初から当実証事業に賛同し、学校現場の「働き方改革」や「データの利活用」の実現に向けて「リアテンダント」の提供などを行うDNPが参画するコンソーシアムが実証事業者として採択されました。

今回の実証事業では、高知県教育委員会が独自に開発・運用している学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」を通じて、異なる学習ソフトウェアのデータの管理・活用を行います。取り扱う学習データは、大きく分けて「日々のドリル学習データ」と「定期テストや小テストのデータ」です。これらのデータを加工・選別し、指導者と学習者に提供することで、「指導者の働き方改革と指導の改善」および「学習者の学び方改革」の実現について実証していきます。

<実施内容イメージ>

活用するデータと目標とする効果

○日々のドリル学習データ : すららネットのICT教材「すらら」を活用し、スタディログ(学習履歴)を収集します。定期考査の範囲の学習課題を授業内や宿題で行うことで、指導者は少ない業務負担で個別に最適な指導が可能となり、学習者は効果的でわかりやすく学習できます。

○定期テストや小テストのデータ : DNPが開発・提供するデジタル採点システム「リアテンダント」にて、採点データを収集します。指導者の「採点業務の負担軽減」と「データの可視化による指導への反映」、および学習者の「個別最適な復習」や「復習へのモチベーション効果」などにつなげていきます。

上記2種類の学習データを「高知家まなびばこ」の1つの画面上で可視化することで、指導者は学習者一人ひとりの情報を効率よく得られるため、個々の状況に合わせた丁寧な指導につなげることが期待されます。学習者は、データによる「自己の理解度の把握」ができるのと同時に、「個別最適化された復習問題の提示」により、「すらら」での効率良く精度の高い再学習が可能になります。また、日々のドリル学習に、テスト結果に基づく復習指示が加わることで、自分で目標を設定し、自らの学習への意欲や学習方法を観察・調整し、効果的に学習を進めていく“自己調整学習”の促進も期待できます。

DNPが本実証事業に提供する主なリソース

○「リアテンダント」での採点データ

テストの採点データを、高知県教育委員会と連携し指導者の見る「まなびばこ」で表示するのと同時に、すららネット社とも連携することで、ドリルにおける復習問題を、すららから学習者へ配信します。

○「リアテンダント」での分析データ

リアテンダントの分析システムによって、テストの詳細結果や個々に見合ったやり直し問題を学習者へ提示します。学習者に紙でも配布するなど、多様な方法で学習のモチベーション向上に努めます。

○学習データ利活用の事例紹介

DNPがこれまで蓄積してきた「学習データ利活用の事例」を、今回の実証校に向けた研修会を催し共有することにより、データ利活用になじみの薄い指導者に対し、理解深耕を促します。


*1 コンソーシアム参画企業・自治体について

 大日本印刷株式会社 https://www.dnp.co.jp/
 株式会社すららネット https://surala.jp/
 高知県教育委員会 https://sites.google.com/g.kochinet.ed.jp/kochi-gigaschool

*2 DNP学びのプラットフォーム「リアテンダント」について

 https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/1192360_1567.html


■「未来の教室」実証事業について (https://www.learning-innovation.go.jp/about/

経済産業省は、「『未来の教室』ビジョン」(2019年6月)」を踏まえ、様々な個性の子どもたちが、未来を創る当事者(チェンジ・メイカー)になるための学習環境づくりを目指し、1.学びの探究化・STEAM化、2.学びの自律化・個別最適化、3.新しい学習基盤づくりを柱に、2018年度より実証事業に取り組んでいます。

■AI×アダプティブラーニング教材「すらら」

「すらら」は、小学校から高校までの国語、算数/数学、英語、理科、社会 5教科の学習を、先生役のアニメーションキャラクターと一緒に、一人ひとりの理解度に合わせて進めることができるアダプティブな eラーニング教材です。

レクチャー/ドリル/テストの機能があり、AIが苦手分野を分析し、一人ひとりの習熟度に応じて理解→定着→活用のサイクルを繰り返し、学習内容の定着をワンストップで実現できます。初めて学習する分野でも一人で学習できる特長を生かし、小・中・高校、高等教育機関、学習塾、放課後等のデイサービスにおいて活用が広がっています。

■高知県が独自開発した学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」

高知県教育委員会が独自開発した学習支援プラットフォームで、小学校から高校までの各種デジタル教材が掲載されています。

現在、スタディログを蓄積・表示する機能の検証を進めており、分散している情報を整理して児童生徒や教員に適切にフィードバックすることで、個別最適な学びの実現を目指します。文部科学省が開発している、児童生徒が学校や家庭において学習やアセスメントができるCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」に「高知家まなびばこ」を接続するという、全国の自治体で初めての取り組みが発表されています。


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