なぜ製造業の経営者やマーケターは顧客体験(CX: Customer Experience)の向上をPIMから始めるべきなのか?

PIM(Product Information Management)は、製品に関する情報を一元的に管理、整理、共有、配信するためのシステムやプロセスです。しかし、その真の価値は単に製品情報の管理にとどまらず、企業のCX向上にも大きく寄与する要素となっています。

PIMコラム

関連する18分野を見る

関連する記事を見る

ただ、多くの経営者やマーケターがこの点についてどう取り組むべきかについて十分に認識していない場合があります。そこで当コラムでは、CXの向上をめざす上で、なぜPIMから取り組むべきなのかにフォーカスを当てて考えていきます。

セクション1. なぜPIMから手を付けるべきか

デジタル化が進む現在、マルチチャネルの整備、顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)の最適化、そしてデジタルマーケティング施策の展開が急速に進められています。これらの取組みを成功させるためのカギは、その土台となる「製品情報」の適切な管理にあります。以下、その理由を具体的に解説します。

デジタルマーケティングの効果的な展開:
デジタルマーケティング施策は、正確で最新の製品情報をベースにプロモーション活動を行います。情報の質が保証されていることで、各種マーケティング施策におけるメッセージが一貫性を持ち、顧客に正確な価値を伝えることができます。

CRMの最適化:
顧客ロイヤルティプログラム実施などのCRM活用においても、正確な製品情報をもとに顧客とのコミュニケーションを行うことで、より質の高い顧客関係の構築が可能となります。

デジタルマーケティング、CRM、マルチチャネル戦略など、多くの前線での戦略が展開される中、その背後に確固とした製品情報の管理が必要とされるのです。これが、PIMから手を付けるべき理由です。

セクション2. PIMとCXのつながり

PIMとは、製品に関連する情報を一元的に管理、整理、公開するためのシステムやプロセスを指します。なぜPIMがCXに影響を及ぼすのでしょうか。

信頼を築く情報の提供:
顧客が製品に関する情報を探しているとき、正確かつ最新の情報を即座に提供することは、CXの向上、ひいては信頼関係の形成に不可欠です。誤った情報や古い情報を掲載していると、顧客の混乱や信頼喪失を招くリスクが高まります。PIMは、情報の一貫性と正確性を維持し、それを各販売チャネルに即座に反映することができるため、顧客は常に正確で最新の情報を得ることができます。

パーソナライズされた情報提供:
例えば、PIMをマーケティングDXツールと連携させることで 顧客の過去の購買履歴や興味をもとに、最も適切な製品情報の提供が可能になります。これにより、顧客は必要な情報を迅速に手に入れることができ、深い信頼関係を築く土壌が生まれます。

リアルタイムの情報更新:
製品情報がリアルタイムで更新されることで、顧客は常に最新の情報にアクセスできます。これは、迅速なビジネスの判断をサポートし、顧客のビジネス成功に直結します。

製品情報の明確さ:
顧客は購入検討する製品の詳細情報やその製品が生まれた背景を知りたいと考えています。PIMは製品開発の各段階で得られた製品の起源、開発過程、設計の意図などの情報を一貫性を持って管理し、明確に伝えることができるため、顧客の購入検討の際の疑問や不安を解消します。これは、顧客との長期的な関係を築く上で非常に価値があります。

製品情報の一貫性:
顧客が異なるチャネルやメディアで一貫性のある製品情報を取得することは、顧客体験価値を上げるために必須となります。例えば、ある家電メーカーが新しい製品ラインを発売したとします。同社がPIMシステムを活用することにより、製品の仕様、価格、利用可能なアクセサリーなどの情報を、自社のマーケティングサイト、ECサイト、小売店舗、デジタルカタログなど、すべての販売チャネルで一貫性を持たせることが可能です。これにより、顧客がどのチャネルを通じても同じ情報を受け取ることができ、製品に関する疑問や混乱が減少します。結果的に、顧客は製品についてより明確に理解し、購買決定をスムーズに行うことができ、顧客体験価値が高まるのです。
PIMを活用することで、情報の一貫性が確保され、顧客の混乱や誤解を防ぐことができます。

最適化された製品情報は、顧客の期待を超える体験を提供するための基盤となります。このような体験は、製造業における継続的なビジネス関係の確立と深化をもたらし、結果としてビジネスの競争力を向上させることができます。

総じて、PIMは顧客が求める情報を効率的に管理・提供することで、CXを高める役割を果たしています。CXの質は、消費者のブランドに対する印象やロイヤルティを大きく左右する要因となるため、PIMの重要性は今後も高まることでしょう。

セクション3. ずさんなPIMのCX

PIMの重要性を理解するには、逆にその存在がない場合のCXをイメージすることも効果的です。PIMの欠如は、経営者やマーケターだけでなく、顧客にも明確に影響を及ぼします。それはどのような状況なのでしょうか。

情報の不一致:
例えば、Web上で提供される製品の技術データシートと紙のカタログや担当営業が手渡す資料が異なる場合、顧客との信頼関係に深刻な問題を生じさせます。正確な製品情報がビジネスの意思決定に不可欠であるため、異なるチャネルでの不整合な情報提供は取引中止につながる可能性があります。

遅延した情報更新:
製品のスペックや価格、プロモーション情報など、変動しやすいデータの更新が遅れることで、顧客が古い情報にもとづいて購入するリスクが生まれます。これは不要な返品や交換の原因につながります。

これらの問題は、製品情報の管理と更新が適切に行われていないことから発生します。CXの悪化は、直接的な売上の減少やブランドの評価低下につながるだけでなく、長期的にはリピート購入の機会の喪失や口コミの悪影響など、LTV最大化や企業の持続的な成長を阻害する要因ともなり得ます。

セクション4. CX向上のためのPIM活用

PIMの取組みは単なる「情報の整理整頓」という段階を超え、CXの向上に直接的な寄与をするという点で、経営者やマーケターの重要な課題のひとつとなります。ここでは、その投資の意義と、その後の戦略的な展開について触れてみましょう。

顧客の信頼構築:
一貫性のある製品情報を提供することで、顧客は企業やブランドに対する信頼を深めることができます。信頼されるブランドは、長期的なロイヤルティの向上や口コミを通じた新規顧客獲得につながります。

効率的なオペレーション:
PIMの導入は、業務プロセスの効率化をもたらします。情報の一元管理により、情報更新や修正の際の手間や時間を大幅に削減できるため、人的リソースの最適化が図れます。

競争力の強化:
顧客が製品選択の際に最も重視するのは、情報の信頼性とアクセスの容易さです。これを実現することで、競合他社との差別化を図ることが可能になります。

データドリブンマーケティング:
正確な製品情報の管理は、データ解析や顧客の行動分析にもつながります。これにより、ターゲティングやセグメンテーションをさらに細かく行い、効果的なマーケティング戦略の策定が可能になります。

PIMへの投資は、単に情報の整理だけでなく、企業全体の競争力を高める要因となり得ます。CXの向上は、今日のビジネス環境において避けられない課題です。その基盤となる製品情報の適切な管理と活用によって、持続的な成長と成功を追求することができるのです。

まとめ

製造業において、CXは製品に関する正確で一貫した情報提供に深く根ざしています。情報の不整合や遅延はCXの低下をもたらし、結果として企業の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。この情報の正確性と迅速性は、デジタルマーケティングの質を高め、競合との差別化を図る上でも欠かせない要素となります。CXをさらに向上させるためのマルチチャネル施策やCRM施策の効果的な実施にも、製品情報の整備は不可欠です。製造業におけるCXの向上のための第一歩は、PIMを始めることです。この考え方を深く理解し、実際に取り組むことが、今後、製造業の経営者やマーケターにとっての注目テーマとなるでしょう。

最後に

CXの向上をめざすために、PIMの導入・強化を検討されているのであれば、ぜひ、当社にご相談ください。貴社のCX課題は、今回紹介したPIMだけでは解決しないかもしれません。DNPは貴社の真の課題を抽出し、貴社にとって最適な解決方法を提示します。また、そもそも顧客体験を把握できていない、分析しきれていないという場合でも、お気軽にご相談ください。当社は顧客体験のコンサルテーションも実施可能です。ぜひ、一緒に最高のCX提供をめざしていきましょう。

※2024年1月時点の情報です。



関連コラム

なぜ経営者やマーケターは「製品情報管理」のリスクを見過ごすのか?

なぜ製造業の経営者やマーケターは顧客体験の向上を製品情報管理から始めるべきなのか?(このページ)

製造業向けPIMシステム入門 - なぜ今、経営者やマーケターが知るべきなのか?

マーケター、IT担当者向け: 製造業の競争力を高めるPIM(製品情報管理)
~7つの基本機能・7つのマーケティング連携・7つのテクニカルな側面~


PIM/DAMの違い ~業務効率化億滴と顧客体験最適化目的での違い~

関連事例

株式会社Francfranc様
分散していた商品情報をContentserv(コンテントサーブ)で一元化
「Francfranc PIM」による素早いEC連携で社会や顧客の変化に柔軟に対応

大日本印刷株式会社 マーケティング本部
社内に散在する商材を集約し、商材や担当者の探索にかかっていた時間を大幅短縮
Contentserv(コンテントサーブ)を活用した「商材サーチ」構築のポイントに迫る!

関連ソリューション

MDM/PIMソリューション
企業の収益力を強化/戦略的な商品情報の管理と活用を支援

商品情報管理(PIM)システム Contentserv
商品情報を統合的にマネジメントし、顧客のProduct Experienceを向上

DNP商品情報管理システム PROMAX NEO(プロマックス ネオ)
商品情報・画像・資料などを統合的に管理するデータベース

DNPグローバルPIMシステム Pro-V(プロ・ファイブ)
企業の収益力強化に貢献する、戦略的商品情報の管理と活用

その他のコラム

関連する18分野を見る

関連する記事を見る