まるで、敏腕コンシェルジュ。 場の役割を最大化する空間

社内の情報共有会で、「ファシリテートしてくれる会議室」というコンセプトを耳にしたネクストくん。空間の在り方を変える新たなイノベーションに、イマジネーションを刺激されます。

  • ファシリテートしてくれる会議室
  • センシング&アクティベートで場の役割を最大化
  • ライフスタイルの多様化で、広がる空間の役割

主な登場人物

ネクストくん
入社3年めのDNP社員。自称アイデアマンで、業務を通じて世の中を変える何かを生み出したいと夢見る。目下の悩みは、「そろそろいじられキャラを卒業したい」こと。

センパイ
ネクストくんの良き理解者として、日々行動をともにする入社5年めのDNP社員。マーケティングリサーチが専門で、「生活者目線!」が口癖。

ファシリテートしてくれる会議室

センパイ! 会議の進行役、お疲れさまでした。

うーん、あんまりうまく進行できなかったな……。みんなの発言が少なかったし、時間切れで結論が持ち越しになっちゃったし。タイムキーパーとか、場を盛り上げてくれる係の人とかいてくれたらいいのになぁ。

そういえば、こないだ社内の情報共有会で聞いたんですけど、「ファシリテートしてくれる会議室」の研究が進んでいるみたいですよ。

へー! それってどんな会議室なの?

なんでも、その場にいる人の会話のテンポや発話回数、声のトーンなどからコミュニケーションの質を可視化し、会議の雰囲気や活況度がわかるみたいです。

私たちが、なんとなく察しているコミュニケーションの微妙なニュアンスが、具体的な数値やビジュアルで表されるってこと?

ですね。「この会議はみんなの発言が少ないから、あまり上手くいってないな」とかがわかっちゃうんですよ。しかも、それだけじゃなくて。空間が自動で室内環境を制御して、意見が活発に出るような雰囲気を作ったり、ヒートアップした議論が自然に収束するような雰囲気を作ったりできるみたいです。

まるで会議室が生きているみたいね! でも、一体どうやってそんなことが可能になるの?

軸となるのは、状況を把握する「センシング」と在室者に働きかける「アクティベート」の機能。言い換えれば、インプットとアウトプットですね。

センシング&アクティベートで場の役割を最大

インプットの部分では、温度や湿度、部屋の明るさ、音などの環境情報はもちろん、空間のどの位置に人がいるかという位置情報も参考になるみたいです。さらに、年齢、職種、役職など個人の属性情報をひもづけることも考えられているとか。膨大な情報を分析・選別するために、AIの活用も欠かせないみたいです。

それなら、若手で集まってブレストするとか、上司との面談とか、会議のシーンを踏まえて最適な環境にしてくれそう。

上司の面談のときは、話を早く終わらせたくなる気分になる環境がいいな〜。

コラ、そこはじ〜っくり話をしたくなる環境にしなさい。

あ、ブチョー……。聞いていたんですか。

でも、空間情報や属性情報をインプットしたとして、どうやって人の感情に影響を与えるの?

たとえば、光や音をうまく制御すると人の心理や生理に影響を与える。これを応用して、在室者の気分を高揚させたり、落ち着かせたりするんだ。この分野はまだ研究途上だが、将来は映画館の4D上映システムのような、風や振動、香りなどさまざまなアプローチが登場してくるかもしれんな。

先日の情報共有会では、もうひとつ大切なのが「ステルス化」と言っていました。いくらファシリテートしてくれると言っても、そのための機器がごてごて付いていたら、気になっちゃいますよね。そうしたノイズを極力抑えるため、必要なモジュールは壁や天井を構成する建材と一体化しているのが望ましいそうです。

具体的には、どんな空間が考えられているのかしら?

セキュリティレベルが高い研究室や24時間稼働の工場など、窓がなくて時間変化がわからなくなりがちな空間もありますが、そういう環境でも、光などを調整して働く人の「サーカディアンリズム」、つまり体内時計を整えることができるみたいです。

働き方の改革が求められる中で、フリーアドレスやコミュニケーションスペース、コンセントレーションスペースなどオフィスに求められる役割も広がっているから、ほかにもいろいろ空間が登場しそうね。

ライフスタイルの多様化で、広がる空間の役割

そういう意味では、オフィスに限らず私たちの生活全般で「ファシリテートしてくれる空間」は役立ちそう。

店舗に導入して購買意欲を促進する環境を作ったり、病院に導入して患者さんの気持ちを落ち着かせる病室や執刀医の集中力が高まる手術室を作ったりもできる気がします。

自宅で考えてみても、テレワークが広まって自宅で仕事をするとか、育児をしながら働くとか、両親と同居して介護をするとか、さまざまなシーンが考えられるわね。

家のように複合的な役割を担う場は、「機能が可変する空間」というニーズもありそうですね。仕事や勉強をするときは集中できる環境に、寝るときや食事をするときはリラックスできる環境に、エンタメコンテンツを楽しむときは映画館みたいな環境にとか……。

私だったら、家にいながら南国のリゾートでくつろいでる気分を味わいたいな〜。あと、ビデオチャットみたいな機能があって、遠くに住んでいる友達とおしゃべりしながら食事を楽しめたらうれしいかも。家族や地域コミュニティの活性化にもつながると思うわ。

新しい技術は次々と生まれていますが、これまではスマホとかディスプレイといったなんらかのデバイスが必要でした。でも、「ファシリテートしてくれる空間」になると、デバイスは必要なくなります。空間と機能が融合しているから、僕たちは意識することなくデジタルの恩恵を受けられるわけで。

確かに〜。ウェアラブルどころか、何も身につけないウェアレスの時代になるわね。なんだか楽しみになってきた!

ネクストくんのブレストメモ

ITが登場してからこれまで、デスクトップ〜モバイル〜ウェアラブルと進化してきましたが、いよいよウェアレスの時代が間近に迫っています。道具を使ってコントロールすることなく、何も持たず、その場にいるだけで空間が状況に最適化してくれるようになれば、私たちの日常生活は大きく変わっていくでしょう。空間の最表層を彩る建装材を手がけ、人と空間のインターフェイスを担い続けてきた私たちDNPは、空間に求められる役割=ユーザーエクスペリエンスに着目し、新たな空間の在り方を考えていきます。

共創・協働に向けた取り組み

さまざまな情報がつながり、互いに作用し始めた現代。ビジネスの課題を解決するには、多彩なパートナー企業との共創・協働が欠かせません。
DNPグループの印刷を起点としたさまざまな分野への事業展開を支えてきたのも、社内外の豊富なネットワークを活かした「共創・協働」でした。
そこで培われた「発想をカタチにするチカラ」と「社会が求める価値を発見するチカラ」を強みに、これからも新たな社会的価値を創出し、企業の課題解決に寄与していきます。

    生活者一人ひとりのより良い未来を彩る、新たな社会的価値の創出のために
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