エンタメから社会インフラへ。 リアルな世界と融合し、拡がる“コンテンツの力”

日本の将来(と推しメンの未来)を憂う2.5次元オタクのセンパイを安心させるべく、立ち上がったネクストくん。クリエイティブ環境の進化や意外な活用法など、コンテンツがもつ可能性を紹介していきます。

  • 高まるコンテンツの価値と課題
  • デジタル化で整備が進むクリエイティブ環境
  • バーチャルからリアルの世界に飛び出すコンテンツ

主な登場人物

ネクストくん
入社3年めのDNP社員。自称アイデアマンで、業務を通じて世の中を変える何かを生み出したいと夢見る。目下の悩みは、「そろそろいじられキャラを卒業したい」こと。

センパイ
ネクストくんの良き理解者として、日々行動をともにする入社5年めのDNP社員。マーケティングリサーチが専門で、「生活者目線!」が口癖。

高まるコンテンツの価値と課題

今週末、友達と二人でマンガ原作のミュージカルを観に行くの。楽しみ~。

いわゆる「2.5次元」ってやつですね。最近はマンガやアニメ、ゲームなどのコンテンツ市場が盛り上がっているのを実感しますね。

そうなの! ある調査によれば、2017年時点で日本人の5人に1人が自分のことを「オタク」と考えていて、2030年頃には3人に1人に増えるんだって。3人に1人というのは、実数にすると約4000万人弱の人が「オタク」的消費行動を取るようになるということ。これって、現在の年間訪日外国人数を超える数字になるわけ。*1

センパイ、さすが……。実際、海外に輸出する産業としても大きな期待がかかります。日本のコンテンツの海外における市場規模はここ6年ほどで約2倍に拡大していて、2020年にはアニメだけで1兆円を超えると言われていますね。*2

自動車や鉄鋼などに比べれば取引額は小さいけど、企業のブランディングやCMでもアニメが使われたりするし、まだまだ成長は見込める分野のはず。期待したいな~。

でも、課題もあるんです。例えば、 売上面で最大規模のアニメ市場でいうと、著作権の管理が正しくされていない、クリエイターが海外に流出しているといった点ですね。

これからという時期なのに、それじゃ困るじゃない! なにか対策はないの?

は、はい……。著作権やクリエイターの待遇改善などについては、国の主導による仕組みづくりが待たれますが、制作環境の整備については、デジタル技術の導入により少しずつ草の根の取り組みが始まっています。

デジタル化で整備が進むクリエイティブ環境

例えばアニメ業界の場合、作画~彩色~撮影~編集の各パートでデジタル制作のノウハウが蓄積されてきたことで、作画スピードやクオリティの向上が進んでいます。中でも、以前は一枚一枚手書きしていた絵を、自動的に補完してくれる技術の普及が大きいようです。話題の「VTuber」さんなんかも、その派生技術ですね。

3Dモデルを作らなくても、2Dの絵をもとにアニメーションを自動作成してくれるということね。そういえば、こないだVTuberが登場人物を演じるアニメも始まってたわ。

他にも、デジタル化されることで、絵コンテや原画、背景画といった素材の収集をクラウドで行えるようになりました。すでに作業の多くのパートで海外スタッフを活用している現在、こうした素材の運搬に関するクラウド化は、制作進行の安定化につながっています。

でも、制作のノウハウが海外に流出するのは、将来的に少し心配ね。

その点については、作品全体の企画やストーリー、作画のフィニッシュといったパートは国内で行う制作会社が増えているようです。そこが、日本製アニメのクオリティの肝なので。

さらにデジタル化は、これからのクリエイティブ環境をリードしていく「クリエイターの育成」という面でも貢献しているんだ。

あ、ブチョー、そのとおりです。関連ソフトや機器の普及で、新たな人材が参入しやすくなっているのが大きいですね。

そうした未来を担う新たなクリエイターを支援するため、DNPではイラストやアニメーションの作り方を学べるオンライン学習サービスを開始している。ネットを介してナレッジの共有を実現できるのも、デジタル化の恩恵と言えるだろう。

Web上でプロのイラストレーターのテクニックを学ぶことができるサービス

世界中の人が憧れるコンテンツ大国として、クリエイターの皆さんがスキルを発揮できる先進的な環境を整備することは、日本が担うべき重要な役割かもしれませんね。そのためにも、センパイのような目のこえたファンが市場を支えることはとても意義深い気がします。

そんなぁ、私はただコンテンツが好きなだけで……。

いやいや、あながち間違ってはいないぞ。これからも、「ジャパンコンテンツの未来を護る」という気概で、オタク道に邁進してほしい。

なんだか、逆にやりづらいです(笑)。

バーチャルからリアルの世界に飛び出すコンテンツ

話は変わるが、コンテンツの新たな価値という点でいま注目を集めているのが、対人コミュニケーションへの応用だ。

こないだ社内の会議でも出た「アバター」の話ですね~。

なになに、そんなドヤ顔して! 私にも教えて~!

こうやって実際に会って会話をしていると、センパイの悔しそうな顔とか、ボクのドヤ顔とか、言語以外の情報が大事なコミュニケーション要素になることってありますよね。現在のAIスピーカーや接客ロボットに足りない部分が、まさにそこなんです。

わかった! さっき話しに出た2Dアニメーションの自動作成技術を応用して、非言語情報も再現するってことね。

正解! コンテンツ制作から生まれた高度な表現技術と、人の感情を読み取るセンシング技術とを組み合わせることで、まるで人間のように“表情”をもつAIアバターの研究が進んでいます。

ショッピングサイトの商品リコメンドやカスタマーサポートなど、24時間対応や専門知識が必要となるビジネスで活用できそうね!
(サービスを利用する側としても、イケメンのAIアバターさんがイケボ<イケメンボイス>で対応してくれたらテンション上がるな〜♡なんて……)

センパイ……、何か考え事でも?

……ハッ。いや、なんでもない。
でも、もっと高度なものになれば、高齢者の見守りや子供の遊び相手といったホームコンシェルジュ的なAIアバターも実現できるかもしれないわね。

そうですね、高度なコミュニケーションを担えるAIアバターが登場すれば、社会インフラのひとつとして、様々なシーンでニーズが生まれるかもしれません。

それこそ教育現場では勉強だけでなく心のケアまでサポートしたり、医療現場では患者の気持ちに沿いながら適切な診断をしたり、もしかしたら人の心を動かす演説を行う"AI政治家"なんていうようなAIアバターが実現するかも。 バーチャルからリアルへ、コンテンツが次元を超えて活躍する可能性を秘めているなんて、ワクワクするわね。

一昔前ならSFの世界とされていたものが、コンテンツと様々な技術が合わさることで実現できるかもしれないな。
人の感情に訴えるコンテンツは、それほど多様な可能性をもった資産だと言える。日本の国際競争力という点でも、政治力や経済力と同様、“コンテンツの力”の価値はさらに高まっていくだろう。

ネクストくんのブレストメモ

人を楽しませ、魅了するコンテンツは、私たちの想像以上に大きな価値を秘めています。オタク文化の一般化、作成・配信技術の進化等によって変革の時を迎えた今、新たな環境の整備を急がないと、“コンテンツ先進国・日本の未来”は絵に描いた餅となってしまいます。長年、出版市場を軸にコンテンツ文化を下支えしてきたDNPは、コンテンツホルダーとのネットワークや豊富な実績を活かし、ファンやクリエイター、企業をつなぐ新たなビジネスモデルの構築を進めています。一般社団法人⽇本動画協会と共同運営する「東京アニメセンター in DNPプラザ」の設⽴やクリエイター育成講座の開設といった自主モデルから、パートナー企業との共創モデル、キャンペーンやイベント開催などの受注モデルに至るまで、多角的にコンテンツ市場の発展に取り組んでいます。

共創・協働に向けた取り組み

さまざまな情報がつながり、互いに作用し始めた現代。ビジネスの課題を解決するには、多彩なパートナー企業との共創・協働が欠かせません。
DNPグループの印刷を起点としたさまざまな分野への事業展開を支えてきたのも、社内外の豊富なネットワークを活かした「共創・協働」でした。
そこで培われた「発想をカタチにするチカラ」と「社会が求める価値を発見するチカラ」を強みに、これからも新たな社会的価値を創出し、企業の課題解決に寄与していきます。

    生活者一人ひとりのより良い未来を彩る、新たな社会的価値の創出のために
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