自宅のフローリングを見てみよう!“木目(もくめ)”にまつわる4つのウワサのウソ!?ホント!?

今回のテーマはデザインもいろいろな木目印刷じゃ! 活じいとトンボちゃんが紹介

家やオフィスのフローリングや壁、扉、家具などで、日常生活で目にする木目。見た目はもちろん、触ってみても木そのものですが、実は印刷でつくったものというウワサが……。今回はその「木目」について“ウワサ”を検証します。

  • <ウワサ1>フローリングって……本物の木じゃないってホント!?
  • <ウワサ2>木目の柄には、モデルがいるってホント!?
  • <ウワサ3>木目柄には、専門のデザイナーがいるってホント!?
  • <ウワサ4>木目デザイナーは、木を見れば、ほとんどの木の種類がわかる!?

トンボちゃん・活じいによるコンテンツ導入の漫画。壁や床に使われている「木」が本物ではないとウワサを聞いたトンボちゃんが そのウワサが本当か、活じいに問いただしています。

登場人物

活じい

活じい…金属活字じいさん。活字としてのキャリアは142年。長い経験で培われてきたDNPグループに関する豊富な知識で、いろいろなことを教えてくれる生き字引的な存在。

トンボちゃん

トンボちゃん…印刷物の見当合わせトンボから生まれたキャラクター。きっちりした性格で、曲がったことが大嫌い。細かな気遣いで活じいをサポートします。

  • 【印刷用語:見当合わせ】見当とは、多色印刷において各色版の重ね合せる際の位置精度のこと。版面にトンボといわれるレジスターマークを入れて、見当を合わせるようにしている。

<ウワサ1>フローリングって……本物の木じゃないってホント!?
→ホント。本物の木もなくはないが、印刷でつくった木目シートを貼ったものがたくさんあります。

フローリングとして使われている木目柄の多く、特にマンションでは、ほぼすべてが印刷です。フローリングの床材は、木材のボードに、木目が印刷された木目シート(DNPのEBコート加工シート※)を貼り付けたものが多く使われています。

  • EBコート加工シート:EB(Electron Beam:電子線)を照射することで、高い耐候性等の機能を付与する加工を施したシート。

本物の木の木目から、木目シートができているのがわかる画像

たくさんの木目シートが保存されている様子

木目シートを使った床材の良さは、木材に塗装した床材と比べ、色や木目のパターンにバラツキが少なく、安定して製品が供給できることです。また、白やグレーなど、塗装では表現が難しい木目も量産することが出来ます。さらにEBコーティングによって、日焼けによる色あせがしにくく、きれいな木目意匠を長持ちさせることができます。また、シートの製造工程でエンボス加工を施すことにより、触ったときに本物の木と勘違いしてしまうような表面の凹凸をつけるなど、工夫を凝らしています。現在DNPには、約1万点の木目柄があり、毎年200点ほど新しい木目柄が誕生しています。

<ウワサ2>木目の柄には、モデルがいるってホント!?
→ホント。イケメンならぬ、“イケモク”のスカウトに海外まで行くことも!

木目シートの柄には、モデルとなる実在の木材が存在します。
どのようにオリジナルの木目を探すかというと……。

①木目柄の「マーケティング」からスタート
世界的な展覧会などのさまざまな情報から欧州、北米、中国、国内などの販売エリアや、床や扉、家具などの用途から市場のニーズを捉え、つくるべき理想の木目柄をイメージします。

②理想の木目を探しに、国内外にGO!
イメージができたら、いよいよ、国内はもちろん、海外の木材店や古材店へ「買いつけ」に行き、理想の木目を持つ木をスカウトするのです。デザイナーが求める“イケモク”の条件には、木目の形や色に加え、節や照りなどのキャラクターの雰囲気や位置などの要素が関わってきます。理想に近い木目の板が見つかったら、購入して空輸で日本に運びます。

現在、DNPで製造する木目シートのモデルとなる木は、国内と海外、半々くらいで買い付けてきます。

海外でデザインの元となる木を購入してる様子1

海外でデザインの元となる木を購入してる様子2

<ウワサ3>木目柄には、専門のデザイナーがいるってホント!?
→ホント。デザインで木目の雰囲気は大きく変わる。ちなみにDNP には女性のデザイナーがたくさんいます。

木目シートの制作には専門のデザイナーがいて、買いつけに行くのもこの人たち。女性も多く、「木目女子(モクジョ)」などと呼ばれています。

パソコンに向かってデザインしている様子

木にやすりを掛け、風合いを出している

買いつけた木は、さらに理想の木目柄に近づけるために 風雨にさらす、やすりで磨く、草木で染める、塗装する、お酢で着色する、などの「加工」をします。焼く、燻すなど、工場でできないものは外注することもあるそう。加工した木目は、スキャンでデータ化し、複数の木目のデータを組み合わせて「デザイン」します。

完成したシートの仕様によっても異なりますが、幅1,280mm、長さ3〜8尺(約910〜2,424mm)程度を1区切りとして、スキャンした複数の板の木目を組み合わせてデザインします。

デザインされた木目柄は最終的に、巨大なロール状の木目シートになるので、前後に継ぎ目なくつながるよう、木目の柄や節のバランスなどを調整しつつ、イメージに合わせて木目の特徴が最大限出るようにデザインしていきます。また、同じ木目からデザインしても、デザインによって完成した木目柄は大きく異なります。

木目の元原稿

同じ木目からデザインしても、デザインによって完成した木目柄はかなり異なる。

デザインA

デザインA

デザインB

デザインB

<ウワサ4>木目デザイナーは、木を見れば、ほとんどの木の種類がわかる!?
→半分ホント。生えている木を見ても種類はわからない人が多いが、木目を見ればほぼわかる。

大日本印刷 生活空間事業部イノベーティブデザインセンター 木村 有里

DNPの木目デザイナーである木村有里さんに、木を見て種類がわかるのか、実際に聞いてみました。
「生えている木では……正直わかりません。デザイナーでもわからない人が多いと思います。私は木目を見れば、種類はほぼわかります。先輩デザイナーのなかには、木目を見れば種類だけでなく、産地までわかる人もいます」

ちなみに、モクジョの木村さんは、理想的な木目と出会ったらどうなるのでしょう?

「やっぱりかっこいい木目に出会うとテンションが上がります!風化している木を探しているとき、海外の古材屋で床とか壁に使われている木目を見て、『うぅ……なんてかっこいいんだ(恍惚)』と思いました(笑)。あとは埃まみれで一部しか見えなかった木目も、『この子は磨けば光る原石だ!(ウキウキ)』と思って買ったこともあります」

最後に、木村さんの木目柄をデザインする際のこだわりをお伺いしました。
「販売エリアや用途など、マーケティングを丁寧に行うことですね。私が北米担当であることが関係していますが、家具など空間のアクセントとなる場所には、なるべく主張の強い、派手な木目柄をつくることを意識しています。反対に大きな面積で使われるものは、派手だとうるさくなってしまうので、落ちついたものにするなど、どこで使われるのかをよく考えてデザインしています」

こんな素敵な部屋の床の木目も、デザインされたものです。

毎日のように何気なく目にする木目。違和感なく、自然と空間になじむデザインの裏にはトレンドをつかみデザインする技が光っています。家に帰ったら、ぜひ、自宅の床材をチェックしてみてください。

活じい

どうじゃ、トンボちゃん。木目にはこんなに深い世界があるのじゃよ。

トンボちゃん

こんな話を聞くと、木目を見かけたらつい注目しちゃうわね。私も木目に興味が出てきたからモクジョになりたい!