医療情報処理技術

医療機関の医師・技師のニーズを意識した事業開発・技術開発
印刷で培った技術を応用し、医療情報システム事業を推進

超高齢社会において、DNPは生活者の健康維持をサポートする製品やサービスの開発に取り組んでいます。
DNPは「P&I」の強みとバイオテクノロジーなどの技術を掛け合わせ、ライフサイエンス事業の拡大を図っています。

医療情報システムに関連した事業の拡大

私たちがライフサイエンスの事業分野のひとつに掲げた「医療用画像処理」には、印刷で培ってきた高度な情報処理技術が活かされています。特に「医療用画像管理システム(PACS)」については、国内大手のPSP株式会社と資本業務提携し、協働で事業を推進しています。

PACSはX 線撮影装置やCT、MRI 等を用いて病院内で撮影した画像データを一元管理し、各診療科で共有して参照できるシステムです。主に放射線科の医師は、これらの診断装置で撮影した大量の画像を短時間でチェックし、診断を行う必要があります。PACSには多種多様な画像表示機能が搭載されており、医師による画像診断をサポートしています。

印刷で培った画像処理技術を活かした画像診断支援機能の開発

DNPはこれまで、強みとする画像処理技術を活かし、自然で見やすい色を再現する機能や、歪んだ画像の補正機能を備えた画像処理LSIなどを開発してきました。

さらに、医療分野では、東京医科歯科大学と共同で、眼球のMRI 画像から、日本人に多い病的近視の原因究明につながる画像解析技術の研究・開発などに取り組んできました。

これらの技術を発展させて、X 線撮影装置やCT、MRI等で得られた画像データを自動解析し、乳がんなどの診断をサポートする画像診断支援(Computer-Aided Diagnosis : CAD)システムを開発していく計画です。さらに、3D画像表示やAI、機械学習の機能を加えて、自動解析の精度を向上させる取り組みも視野に入れて開発を進めていきます。

地域医療へ貢献する遠隔画像診断支援サービス事業

地域医療の分野では、DNPの子会社である株式会社先端機能画像医療研究センター(CAFI)にて、遠隔画像診断支援サービス事業を展開しています。背景としては、日本全国で放射線科の医師が不足しているなかで、画像診断装置の高速化、高機能化によってチェックすべき画像の枚数が飛躍的に増え、画像診断の負荷が増大し、画像診断の効率化に対する需要が増加していることが挙げられます。

このような課題に対してITを利用し、地域の病院や診療所で撮影した画像を遠隔地にいる専門の放射線科医師に伝送し、診断結果レポートを返送するのが、遠隔画像診断支援サービス事業です。重要性と機密性の高い患者の情報を取り扱うため、高度な情報セキュリティ機能とネットワーク環境を有したDNP柏データセンターを利用しています。そして地域の病院と放射線科医との間のデータのやりとりの安全性を確保して、放射線科医師が読影する環境を提供しています。

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