Recycling Meets Design® Project
未来の地球を守るため、
「やってみた」では終わらせない
再生材のあり方を変える
共創プロジェクト

  • 包装

プロフィール
PROFILE

  • 包装事業部
    デザイン企画
    1996年入社。包装総合開発センター(現・包装事業部)の関西支部配属。2001年より商品企画、パッケージの形態・デザインのディレクション等に従事。2018年より事業部内イノベーティブ・パッケージングセンター企画本部の管理職として、自ら価値ある製品を創出するミッションを推進するマネジメント業務に携わる。
  • 包装事業部
    企画
    2003年入社。包装総合開発センター 包装研究所(現・包装事業部)配属。2008年より事業部内開発部門でライフサイクルアセスメント(LCA)を担当。その後、環境配慮包材の開発・販促・戦略立案等に携わる。2019年の環境ビジネス推進室立ち上げとなり「GREEN PACKAGING」の拡大に向けた取り組み開始。2020年同部署リーダー。

生み出したパッケージがゴミになってしまう現実に
DNPが正面から向き合う

福岡

包装事業を20年以上にわたって担当し、多くの商品パッケージを世の中に送り出してきた私自身、「環境問題について見て見ぬふりはできない」と感じていました。2019年の夏、一緒に仕事をしてきた社外のデザイナーから1本の電話がありました。「DNPは環境に配慮した『GREEN PACKAGING』の事業を進めているよね。テクノロジーだけでなく、デザインももっと地球環境の役に立てるんじゃない?一緒に環境についてチャレンジしない?」という内容でした。

DNPは常に「社会や生活者への価値提供」にこだわってきており、包装事業でも特に「暮らしを豊かにするパッケージ」を心がけて開発してきました。しかし一方で、生み出した大量のパッケージが最終的にはゴミになってしまうという事実があり、こうした状況にどう向き合うべきか?と考えるようになりました。先ほどの電話をはじめ、社内外の多くの人たちのさまざまな問題意識に触れる中で、会社として何かできないだろうかと悩んでいました。その中で、容器包装からリサイクルされた再生プラスチックが思うように活用されていないことを知り、この課題の解決に取り組みたいと考えました。

柴田

環境ビジネス推進室は、パッケージを起点に環境関連の課題解決に貢献することを目的に、2019年にできた部署です。私自身、10年以上前から環境配慮包材の開発や販促など、DNPの中でも特に環境に直結する仕事をしてきました。

近年は特に、プラスチックゴミによる海洋汚染などが大きく取り上げられるようになりました。また、これまで世界の廃プラスチックを引き取っていた中国等でその輸入が規制され、特定有害廃棄物等の輸出入等を規制するバーゼル条約も強化されるなど、廃プラスチックを国内でしっかり処理して循環させる必要性が高まりました。私も福岡と同様に、製品をつくって送り出す「動脈側」だけではなく、回収しリサイクルしてまた循環させる「静脈側」にも、DNPが主体的に乗り出していかないと、社会は変わらないという課題意識を持っていました。また、環境の課題は一つの企業だけでは解決できないため、多様なステークホルダーの方々と協力しようとしている福岡たちの動きにも共感し、一緒にスタートしようということになりました。

福岡

最初は本当に手探りの状態でした。「自分が関わったプロダクトが環境問題の要因の一つになっているかもしれない」というモヤモヤ感に共感してくれそうなデザイナー一人ひとりに、「こんなこと考えているんだけど、どう思いますか?」と声をかけるところからスタートしました。また、メンバーは日本人だけじゃないですし、この課題をグローバルに捉えていきたいという想いもあって、プロジェクト名にRecyclingという言葉を選び、デザインという言葉も絶対に入れたくて、「Recycling Meets Design ® Project」(RMD)という名前にしました。

ところが、いざプロジェクトを始めようという時に、新型コロナウイルスの感染拡大によって、国内で最初の緊急事態宣言が出て、対面で集まることができない状況になってしまいました。いきなり前途多難になりましたが、私の上司は「オンラインでも始めれば良い」と背中を押してくれて。形式にこだわらず「まずはやってみよう」と思いました。結果的に、みんな外出を控えて家にいる時間が長く、目の前の仕事だけではなくて、大きな課題について「ゆっくりと考えられる」「じっくりと話せる」というメリットもありました。

アイデアの発散にとどまらず、
社会課題を解決するために

柴田

福岡たちが動き出す中で、環境ビジネス推進室の立場として、このプロジェクトを“持続可能なもの”にしなければいけないと考えていました。未来に向けて本当に重要な課題だからこそ、決して「ただやってみました」で終わらせてはいけない。プロジェクトで生まれたアイデアをどう形にしていくのか、どうビジネスにしていくのか。このことは、プロジェクトが始まる段階から強く意識していました。“持続可能”という言葉の意味をしっかりと捉え、プロジェクトを推進していく必要があると考えていました。

福岡

一般的にデザイナーは、ストーリーやアイデアを考え、具体的なカタチや言葉にして伝えることが得意です。そうしたストーリーやアイデアを具体化して社会に実装する時には、技術の力が必要になります。そういう強みの掛け合わせが必要な中で、多彩な技術を持つDNPがこのプロジェクトを進めることには、意義があると感じていました。

デザインとテクノロジーを結びつけていくために、DNPという企業を「場」として活用する。そんな意識を社外のメンバーの皆さんにも持ってほしいと思っていました。「決してアイデアの発散だけで終わらせないぞ」という思いでした。

プロジェクトの活動の初回は、完全にお互いが学び合う“ラーニングの場”にしました。多くの人が参加するからこそ、それぞれが足りない知識をインプットして、ベクトルを合わせておかなければデザイナーの発想力を最大限に活かせないと思ったのです。このプロジェクトはどんな課題を解決するために存在しているのか、日本や世界の現状はどうなっているのか。そうしたことを伝える上で、柴田が大きな力となってくれました。

柴田

多彩な環境関連のステークホルダーとのつながりが、私たちの強みの一つです。この時も、プラスチック資源循環の戦略の立案・実行に関わっている環境省の方から、参加メンバーに向けて、プラスチック資源循環の現状や課題についてご講演いただきました。
また、すでに廃プラスチックのリサイクルに取り組んでいるリサイクラーの方々にもご参加いただき、リサイクルされた再生プラスチックの処方(レシピ)や製品開発にご協力いただきました。

福岡

リサイクラーの方々のサポートにより、板状やシート状など、実際のモノとして再生プラスチックを見せてもらうことで、「デザイン×テクノロジー」の可能性にフォーカスして「できるかもしれないこと」へのイメージが膨らみました。

このプロジェクトの運営には、DNPだけでなくデザイナーも関わっています。参加者の視点に立って、有効なファシリテーションと事後の振り返りを行うことも重視しました。「再生材で社会課題を解決するデザインを考える」という目的からブレないようにすること。また、共感を得られるか、影響力や効果は大きいか、新しい視点はあるか、実現可能性はどうか、ワクワクできるかといった、プロジェクトとして大切にすべきクライテリア(基準)からズレないことを常に確認しながら、議論が深まっていくように注力しました。

高い目標に対して、
信念を持って進む
DNPだからこそできる

福岡

2020年12月には、プロジェクト第一期の経過報告としてオンラインプレゼンテーションを行い、8つのアイデアを披露することができました。再生材が持つマイナスのイメージをプラスに変えるような、「意味と価値」を見出すアイデアを発表できたと思います。中でも「Mailoop(メイループ)」という、繰り返し使える発送用パッケージのアイデアへの反響が大きく、現在包装事業部内の社内便用に実用化する準備を進めています。

また、他の部門の人とも、事業で直面する環境課題について情報交換することができました。パッケージを製造するDNPの柏工場(千葉県)には、「未来成形品プロジェクト」という取り組みを進めているメンバーがいます。今回、RMDのメンバーと交流する中で、100%再生材を使用したスマートフォンケースをつくるなど、多くの社員が実証実験に参加してくれています。

柴田

Webサイトをはじめ、さまざまな機会でこのプロジェクトについて発信したことで、社外からもお問い合わせをいただくようになりました。例えば、プラスチック資源循環をめざす国内のコンソーシアムからも、RMDについて紹介してほしいとお声がけいただきました。本プロジェクトを通じて、さまざまなステークホルダーとの新たなつながりが生まれています。

福岡

RMDのこれからを考えると、私は「あまり時間がない」と思っています。2020年に始まったばかりのプロジェクトですが、社内・社外を含めて、確かな手応えがあります。このプロジェクトが実際に社会課題を解決していくために、確実にカタチにしていきたい。
2030年までに再生材を活用したプロダクトを生み出し、業界の素材調達の概念を変えるぐらいのインパクトを生み出さないと、このプロジェクトは成功とは言えないと思っています。DNPが当事者として推進することに意義があり、DNPだからこそ、ともに課題解決の実現に取り組む企業や団体等と一歩を踏み出すことができると信じています。「デザインとテクノロジー」「幅広い事業領域」「多様な人と人とのネットワーク」「社内・社外の仲間たちの情熱」。こうしたことの全てを活かして、RMDを進めていきます。

柴田

ゴールは、全てのプラスチックゴミを“資源”に変えること。絵空事だと思われるかもしれませんが、信念を持って取り組んでいきたいと思います。高い目標ではありますが、RMDが踏み出した一歩は、間違いなくゴールに向けた確かな一歩です。このプロジェクトを通じて、人と人の出会いが化学反応を生み、大きなムーブメントへとつながろうとしています。これからもまだまだ活動は続きますので、社内外を問わず、仲間を増やして進んでいきます。

※掲載内容は全て取材当時のものです。

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