リチウムイオン電池用バッテリーパウチ
海・空・宇宙へと可能性が拡がるバッテリーパウチ
未来の世界を想像し、
技術を信じて生み出した
世界トップシェア製品

  • 産業資材

プロフィール
PROFILE

  • 高機能マテリアル事業部
    営業
    1989年入社。包装総合開発センター(現・包装事業部)配属。1993年(株)DNKに出向し、世界最高速の液体紙容器充填機の内製化に従事。1995年より紙器・軟包装材関連の企画・開発を担当。2009年から現事業部で、バッテリーパウチなど電池関連の営業として各国を飛び回る。現在、副事業部長。
  • 高機能マテリアル事業部
    営業
    1990年入社。包装総合開発センター(現・包装事業部)配属。主に開発機器の設計・製造・販売を担当。1998年にバッテリーパウチ関連の開発を本格的に開始し、2002年より海外営業担当。2015年以降、現事業部内で生産管理や開発本部の仕事を経験し、2021年に営業本部副本部長。
  • 研究開発・事業化推進センター
    研究開発
    2005年入社。研究開発センター配属。印刷方式による有機系太陽電池やリチウムイオン電池を研究。その後も一貫してバッテリーパウチ関連の開発に従事。2021年より現部署でバッテリーパウチ開発のマネジメントを担う。

“世界中が驚いた製品”に
搭載されたバッテリーパウチ

福田

バッテリーパウチの開発は、1990年頃から動いていました。いわゆるニッケル水素電池を袋に入れるというテーマで、DNPの中でも検討していました。その後、金属缶タイプのリチウムイオン電池が市場に出始めた頃には、すでに「リチウムイオン電池を袋に入れる」という開発が本格的に動き始めました。専用の製造機械すらまだ世の中にない段階だったので、私たち自身でバッテリーパウチ専用のシール機や成形機をつくるところからスタートしました。

石川

私も元々技術者として包装事業部に所属していました。DNPには食品や医薬品等のパッケージを扱う中で磨いた、フィルム等に多様な機能を付与する「コーティング技術」と、密閉性を高めつつ複数のフィルムを貼り合わせる「ラミネート技術」があります。その技術を従来の食品や医薬品だけでなく、電池にも展開していくことで、1950年代以降私たちがパッケージを進化させてきたように、電池にも進化を起こせるのではないかという発想です。このように、技術を応用・発展し、元々の用途とは違うものに使えるように発想していくことはDNPが得意とする考え方です。

福田

携帯電話、今で言う「ガラケー」が本格的に世に出始めた1990年代、一部の高級薄型機種にパウチ型の電池が搭載される事例もありました。ただ非常に少量で、まだまだ事業として成り立つような規模ではありませんでした。

石川

私がプロジェクトに参加した2009年頃、あるメーカーから特別な開発依頼がありました。DNPが開発する製品がどのような最終製品に使用されるのか、当時私たちにも知らされていませんでした。「電池用の容器でありながら高い意匠性を持つもの」という、開発難易度が非常に高いリクエストでした。依頼元の企業の歴史を紐解いてみると、常に意匠にこだわった新しいモノづくりをしていましたので、私たちもぜひ一緒に全く新しい製品を世の中に出したいという想いで、この開発依頼を受けることにしました。

福田

バッテリーパウチの開発当初は、さまざまな種類の材料を使い、膨大な数の試作~評価をしたり、成形の工程で当時の常識とは正反対の方法に変更したりと、チャレンジと失敗を繰り返し、そこから学びながら製品開発に取り組みました。2009年頃の段階では、製品発売の予定日まで期間が短く、その中で「高い意匠性」と「高い性能・安全性」を同時に実現するのは、本当に難しい課題でした。

石川

その難しさの中でも前に進めたのは、依頼元がこれまでの実績や品質を信頼して、パートナーとしてDNPを選んでくれたこと、それ自体が原動力になったからでした。ついにリクエストに応えるバッテリーパウチを完成させ、それが搭載された製品が世界に登場しました。それが、スマートフォンだったのです。世界中が驚いたその情報端末を手に取ってあらためて、依頼元のリクエストの背景が理解できました。それまでの携帯電話とは桁違いの通信量で、電力も大量に消費しますし、さまざまな機能を付加するために、端末の中の部品も多い。だからこそフィルムでパウチした電池で、端末自体も軽くすることが大事だったのです。

福田

なるほどという感じでしたね。スマートフォンやタブレット端末という新時代のデバイスとバッテリーパウチが、ぴったりとマッチした瞬間でした。薄く、軽く、大面積で高容量化しやすいという特性が活きる、大きなターニングポイントでした。

必ずEVの時代が来ると信じて、
ヨーロッパ中を駆け巡った

石川

スマートフォン向けのバッテリーパウチの開発と並行して、主にヨーロッパで、EV(電気自動車)向けのバッテリーパウチの展開に動いていました。2010年前後、ヨーロッパではEVへの関心はまだ低く、自動車メーカーでの開発もそれほど進んでいない段階でした。ただ、電池というものを生み出したヨーロッパには、歴史のある電池メーカーがたくさんあります。いずれEVが本格的に動き出せば、こうした電池メーカーも動き出すという見立ての中で、ヨーロッパの電池メーカー・自動車メーカーにアプローチを開始しました。

福田

当時の自動車メーカーは、電池というと金属缶のイメージしか持っていない状態でした。「我々の製品であれば軽くて、車内スペースの設計の自由度も上がるし、走行距離も伸ばせる」というような話をしながら、バッテリーパウチを紹介して回りました。

石川

アポイントもない中、飛び込みで各社を回るような状況でした。福田さんと一緒にヨーロッパやアメリカの学会などに行って、参加者のネームプレートを見て、直接声をかけたりしましたね。

福田

そうですね。「ヨーロッパに行く」というのも自分たちで決めたことなので、やり方が確立されているわけでもないですし、本当に手探りの状態でしたね。

石川

当時のDNPのヨーロッパEV市場における実績はゼロで、メーカー等との接点もゼロという中で、不安がなかったわけではありませんが、それ以上に私たちには強い意志と自信がありました。「世の中は必ず変わる。バッテリーパウチが変えられる」という意志と、技術やデータに裏打ちされた自信です。海外を飛び回りながら、移動中の飛行機や自動車、宿泊先などで、「絶対来る」「絶対世の中はこう変わる」と、合言葉のように語り合っていました。

福田

2019年にヨーロッパで、環境負荷の低減に向けたCO2排出量の削減という戦略が打ち出されたことがきっかけとなり、ヨーロッパの自動車メーカー各社が一斉にEVの量産へと舵を切りました。そこで、これまで築いてきた信頼関係が実を結び、次々とDNPのバッテリーパウチの採用が決まったのです。現在は、ヨーロッパのEV向けパウチ式電池採用車種において、DNPが大きなシェアを獲得しています。

さらなる未来へとつなげる仕事のやりがいと責任

藤原

私がバッテリーパウチの研究開発に関わるようになったのが2015年でした。石川や福田をはじめとする多くの社員の取り組みによって、すでに業界トップシェアを獲得していましたので、10年後もDNPが業界をリードする存在であるためにも、研究開発を担う我々は、しっかりと未来を見据えていかなければ、という使命を感じていました。

先輩社員のように、私も顧客企業のところへ行って直接対話することを大切にしようと思いました。顧客企業のニーズをダイレクトに感じて、開発にフィードバックしたいと思ったからです。実際に海外のメーカー等に行くと、そのスピード感に衝撃を受けました。決断も早いし、求める納期も短い。自分の中では「開発に1年ぐらいかかるかな」と思っていたところに、「来月にでもほしい。いつできるんだ」「いいものなんだから、早く搭載したい」と言われたりしました。

福田

ありましたね。一緒に行った時でしたね。

藤原

そうです。それまでの自分の時間感覚を変えなければと思いました。これほどのスピードで意思決定が進み、DNPの製品開発がこれほど期待されているのか、と実感しました。そしてこの期待に応えていくことが、自分たちの仕事だと改めて感じました。

石川

バッテリーパウチにおけるDNPのブランドというのは、開発に携わる多くの社員の技術力であったり、スピードであったり、実際の声を開発に活かしたいという想いや姿勢によってつくられています。それがあるからこそ、顧客企業もDNPを信頼して、一緒にやりたいと思ってくれるのだと思います。元々のメンバーだけでなく、新しくプロジェクトに加わるメンバーも、そこにやりがいと責任感を持ってくれていることはとても嬉しいです。

藤原

顧客企業の技術者と話すと、すごく刺激を受けます。自分が知らない技術レベルの話をあたりまえにしてくることも多いです。そういう時は、次回までに徹底的に勉強して、「もっとこんなことができるんじゃないか」と提案します。お互いが「負けないぞ」と切磋琢磨しているような感覚です。顧客企業とも「いいものをつくりたい」という情熱でつながっています。やっぱりそこが楽しいし、だからこそ「より良い価値」を生み出すような製品がつくれるのだと思います。

石川

バッテリーパウチは、開発の着手から製品化まで長い年月がかかっていますが、開発当初から関わっている人たちは、未来の世界を想像し、そこにDNPの技術がつながる、貢献できると信じて開発をしてきました。実現に向けて、決してあきらめず、継続してきたことが、今日の結果につながっています。スマートフォンも電気自動車も、今では「あたりまえ」になってきました。これほど社会に必要とされる製品を生み出せたことを嬉しく思う一方で、大きな責任も感じています。より安心して使ってもらえるように、今以上に高い安全性を実現していくため、さらに取り組んでいきたいと思います。そして電池の用途は、陸から海・空・宇宙へと広がっていくと想定しています。さらなる「未来のあたりまえ」をつくるために、事業部門や社内外の関係者が一丸となって製品開発を進めていきます。

※掲載内容は全て取材当時のものです。

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